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【第35回柴田錬三郎賞】青山文平さん『底惚れ』と金原ひとみさん『ミーツ・ザ・ワールド』が受賞

第35回柴田錬三郎賞が決定!

第35回柴田錬三郎賞が決定!

集英社は、柴田錬三郎さんの業績を称えて創設された「第35回柴田錬三郎賞」の受賞作を発表しました。

 

第35回柴田錬三郎賞が決定!

第35回柴田錬三郎賞が、次の通り決定しました。
選考委員は、伊集院静さん、逢坂剛さん、大沢在昌さん、桐野夏生さん、篠田節子さん、林真理子さん。

 
<第35回柴田錬三郎賞 受賞作品>

◎青山文平(あおやま・ぶんぺい)さん『底惚れ』(徳間書店)

◎金原ひとみ(かねはら・ひとみ)さん
『ミーツ・ザ・ワールド』(集英社)

 
受賞者の青山文平さんは、1948年生まれ、神奈川県横浜市出身。早稲田大学政治経済学部卒業。経済関係の出版社に18年勤務したのち、フリーライターに。1992年「影山雄作」名義の『俺たちの水晶宮』で中央公論新人賞を受賞。2011年『白樫の樹の下で』で松本清張賞、2015年『鬼はもとより』で大藪春彦賞、2016年『つまをめとらば』で直木賞、2022年『底惚れ』で中央公論文芸賞を受賞。

同じく受賞者の金原ひとみさんは、1983年生まれ、東京都出身。2003年『蛇にピアス』ですばる文学賞を受賞。2004年、同作で芥川賞を受賞。ベストセラーとなり、各国で翻訳出版されます。2010年『TRIP TRAP』で織田作之助賞、2012年『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、2020年『アタラクシア』で渡辺淳一文学賞、2021年『アンソーシャル ディスタンス』で谷崎潤一郎賞を受賞。

青山文平さんと金原ひとみさんには、正賞として記念品が、副賞として300万円が贈られます。

 

柴田錬三郎賞について

柴田錬三郎賞は、「『眠狂四郎無頼控』をはじめ、不羈の想像力を駆使した数々の作品でひろく大衆の心をうち、ロマンの新しい地平を切り拓いた故・柴田錬三郎さんの業績を称えて」創設された文学賞です。

「現代小説、時代小説を問わず、真に広汎な読者を魅了しうる作家と作品」を顕彰。集英社と一ツ橋綜合財団が主催し、前年7月1日から、本年6月30日までに刊行された小説の中から、最優秀作を選びます。

 

底惚れ
青山文平 (著)

斬新な江戸ハードボイルド時代長編!
一作ごとに進化し続ける青山文平の語り口に酔いしれる!

女への思いにかられながら、はぐれ者だった男が、一途に自分を刺した女の行方を求める。女を捜す方便として、四六見世という最底辺の女郎屋を営みながら、女が現れるのを待つという仕儀を薦めてくれたのは、路地番の頭・銀次だった。ビジネス成功譚の側面と、女への思いを貫く純愛を縦線として、物語はうねり、意外な展開をみせる魅力的な時代長篇。

主人公は、村の生活に染まれず、欠け落ちた江戸で、すでに四十を過ぎた。一季奉公のまま、江戸にも染まぬ男たちは当時、大勢居た。根岸にある小藩の屋敷で奉公中、ご老公のお手つき女中・芳の故郷への道連れを命ぜられる。…旅の途中、訳あって芳に刺されるが、一命を取りとりとめる。自分を殺したと思い込んで、行方の知れない芳を探すために、彼女が来る可能性のある江戸の場末・入江町で最低の女郎屋を営む。はぐれ者として生きてきた切見世暮らしの男が7軒の楼主となる。商売は繁盛し、厚綿の布団を貸す損料屋にも手を出し、成功を治めるがーー。
2020年に刊行された短編集『江戸染まぬ』所収の「江戸染まぬ」を長編化。

ミーツ・ザ・ワールド
金原 ひとみ (著)

死にたいキャバ嬢×推したい腐女子

焼肉擬人化漫画をこよなく愛する腐女子の由嘉里。
人生二度目の合コン帰り、酔い潰れていた夜の新宿歌舞伎町で、美しいキャバ嬢・ライと出会う。
「私はこの世界から消えなきゃいけない」と語るライ。彼女と一緒に暮らすことになり、由嘉里の世界の新たな扉が開く――。

「どうして婚活なんてするの?」
「だって! 孤独だし、このまま一人で仕事と趣味だけで生きていくなんて憂鬱です。最近母親の結婚しろアピールがウザいし、それに、笑わないで欲しいんですけど、子供だっていつかは欲しいって思ってます」
「仕事と趣味があるのに憂鬱なの? ていうか男で孤独が解消されると思ってんの? なんかあんた恋愛に過度な幻想抱いてない?」
「私は男の人と付き合ったことがないんです」

推しへの愛と三次元の恋。世間の常識を軽やかに飛び越え、幸せを求める気持ちが向かう先は……。
金原ひとみが描く恋愛の新境地。

 
【関連】
柴田錬三郎賞 | 集英社

 


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