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『みんな蛍を殺したかった』著者・木爾チレンさん最新刊『私はだんだん氷になった』が刊行

木爾チレンさん著『私はだんだん氷になった』

木爾チレンさん著『私はだんだん氷になった』

重版7刷『みんな蛍を殺したかった』の著者、木爾チレンさんによる最新刊『私はだんだん氷になった』が二見書房より刊行されました。

 

著者「この小説は私の黒歴史であり、これからの黒歴史になるだろう」

「冷たくて鋭い氷のペンと、熱くて甘い毒入りのインクで――。木爾チレンが描き出す、少女たちのこの残酷な謎物語はきっと、読む者の心に属性を超えて突き刺さり、その深みを掻き乱すだろう。」
――綾辻行人さん

 
【あらすじ】

登山家の父の遭難死、心を閉ざした氷織(こおり)に降りかかる、いじめ、虐待。
安らぎは推しアイドルのなりきりとのメッセージの交歓だけだったが――

少女の心を繊細に描く著者が描き出す、つらい現実を生きられなかった少女たちが、誰にも言えない恋をしたがゆえの――禁断の黒歴史ミステリ。

美しい少女・氷織の父である、有名登山家の信春(のぶはる)はエベレスト登頂間際で猛吹雪に巻き込まれ凍死した。愛する父を失ったショックで声を失った氷織は心を閉ざし、学校では居場所を失い、やがて母の再婚相手である義父から性的虐待を受けるようになる。

氷織の唯一の生きる糧はアイドル「四宮炭也(しのみや・すみなり)」の推し活だけになっていった。しかし、SNSで感染病流行によってライブが中止になったことを嘆くと、不謹慎だと大炎上してしまう。批難と擁護のDMが相次ぐ中、ある一件のメッセージを開いたとき、氷織の心臓は跳ねた。それは密かに憧れていた炭也の【なりきり】からだったからだ。以降、二人は文字上で逢瀬を繰り返すようになり、やがて氷織は顔も見たことのない相手に、依存するほどの恋に落ちていくが……。それはすべての悲劇のはじまりだった。

懊悩の末に罪をおかしてしまう少女たちの選択と、それぞれが迎える結末とは――?

 
<絶賛の声、続々!>

未知の領域に足を踏み入れてしまいました。知ってはいけないことを知ってしまった気分です。まさか、こんな結末が待っているなんて――。
「黒歴史」という新たな小説のジャンルが確立しました。
(小説紹介クリエイター・けんごさん)

なかなか重量感がすさまじいと感じました。ただ、終始真っ暗ではなく、その暗闇の中に、救いも希望も、光も確かに見えた、氷のような美しい作品でした。
(未来屋書店 石巻店・成田開生さん)

――あの頃、黒歴史を積み重ねたすべての私たちへ。
澄み切った氷になることは償いで、救済で。それはとても残酷だけれど、同時に美しいとも思いました。心を抉られながら、しかし凍りゆく彼女たちに祈りを捧げずにはいられません。
(うさぎやTSUTAYA 宇都宮東簗瀬店・猪俣さん)

凍てつくような痛みの中に、差し込む光、ゾッとした分、ホッとした。刺激だけに終わらせない物語を、またもや読んでしまった。
(未来屋書店 高の原店・元尾和世さん)

 

著者プロフィール

著者の木爾チレン(きな・ちれん)さんは、1987年生まれ、京都府出身。京都府在住。大学在学中に応募した短編小説「溶けたらしぼんだ。」で、新潮社「第9回女による女のためのR-18文学賞」優秀賞を受賞。美しい少女の失恋と成長を描いた『静電気と、未夜子の無意識。』(幻冬舎)でデビュー。その後、少女の心の機微を大切に、多岐にわたるジャンルで執筆し、作品表現の幅を広げる。

他の著書に、引きこもりの少女の部屋と京都が舞台の恋愛ミステリ『これは花子による花子の為の花物語』(宝島社)、黒歴史と少女の淀みを描いたミステリ『みんな蛍を殺したかった』(二見書房)がある。

 

私はだんだん氷になった
木爾 チレン (著), 紺野 真弓 (イラスト)

辛い現実を生きられなかった少女たちが、誰にも言えない禁断の恋に縋ったゆえの、謎物語〈ミステリー〉

 


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