吉川トリコさんが多様性を描き切った連作短編集『流れる星をつかまえに』が刊行
『余命一年、男をかう』などで大注目の著者・吉川トリコさんによる、多様性を描き切った最新作『流れる星をつかまえに』がポプラ社より刊行されました。
LGBT・人種・血縁・多様性……社会の分断に揺らぐ自己を明るく取り戻す!
女性をテーマに描き続けてきた吉川トリコさんは、今回、様々な多様性について書いています。
本作は、生きづらさを抱えた人たちに光を当てており、ジェンダーや人種の問題、社会の分断や多様な価値観のなか、葛藤に苛まれる人たちが一歩を踏み出す様子が、このうえなくエネルギッシュに描かれています。
【あらすじ】
家族仲がしっくりいかず、生き方に迷う主婦。16歳になる直前まで自分が在日韓国人だと知らなかった姉妹。ゲイであることに葛藤する男子高生。血の繋がった子どもを持てなかった母親。卒業式の日にプロムを開催すべく奮闘するモーレツ女子高生たち――
ままならない日常に悩み惑う人たちの踏み出す一歩が、あなたの背中をそっと押してくれる。『余命一年、男をかう』で大注目の著者が贈る、明日もがんばる元気をくれる連作短編集。
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<爆エモい!ブレイディみかこさんはじめ、著名人からコメントが続々!>
◇本作の根底にあるのは、やりたいことはやっちまえというエネルギーだ。
――ブレイディみかこさん
◇本作はエモい。爆エモい。うそ偽りのないエモさだ。
なぜならここには、ちいさくて、だいじな、わたしたちひとりひとりのこころの断面が、みっちりと詰め込まれているから。
――少年アヤさん
◇誰もとりこぼすまいとミラーボールで物語を照らす吉川トリコが、私にとってのプロムクィーンだ。
――柚木麻子さん
著者メッセージ
映画を観ることは流れる星をつかまえにいくような行為だと思ってタイトルをつけた。そのときだけしかかかっていない映画を映画館に観にいくという行為そのものもそうだし、スクリーンを流れていく映画の、印象的な場面でも台詞でも衣装でもなんでもいいけど、なにかひとつ光る星のようなものを心に留めて持って帰りたいと願っている。
しかし、よくよく考えてみればそれは映画にかぎったことではなく、人や本や食べ物、食器や洋服や音楽などなど、人生をゆたかに彩るさまざまなものに囲まれて日々暮らし、日々なにかを選択しながら我々は生きている。そのひとつひとつの選択が世界を広げ、自分の輪郭をくっきりと際立たせてくれるはずだ。とりわけ小説でも映画でもなんでもいいけれど、「物語」というものは他者の人生を垣間見ることで想像力の幅を広げ、すぐ近くの隣人を慮るための訓練のようだと思う。
この小説が、だれかにとってのそういう一冊になれたらと願っています。
――吉川トリコ
著者プロフィール
著者の吉川トリコ(よしかわ・とりこ)さんは、1977年生まれ、静岡県出身。名古屋市在住。2004年「ねむりひめ」で「女による女のためのR‐18文学賞」第3回大賞および読者賞を受賞。同年、同作が入った短編集『しゃぼん』にてデビュー。2021年、愛知県芸術文化選奨文化新人賞を受賞。
主な著書に、映画化された『グッモーエビアン!』のほか、『少女病』『ミドリのミ』『ずっと名古屋』『光の庭』『女優の娘』『夢で逢えたら』、「マリー・アントワネットの日記」シリーズなど多数。2022年第35回山本周五郎賞にノミネートされた『余命一年、男をかう』は第28回島清恋愛文学賞を受賞し、コミカライズされるなどと話題に。
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