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【第42回石橋湛山賞】宇野重規さん『民主主義とは何か』と西野智彦さん『ドキュメント 日銀漂流』が受賞

第42回石橋湛山賞が決定!

第42回石橋湛山賞が決定!

石橋湛山記念財団が主宰する第42回(2021年度)石橋湛山賞の受賞作が発表されました。

 

第42回石橋湛山賞が決定!

第42回石橋湛山賞は、全国の有識者から推薦された40余の著作・論文の中から、次の通り決定しました。

 
<第42回石橋湛山賞 受賞作品>

◎宇野重規(うの・しげき)さん
『民主主義とは何か』(講談社現代新書)

◎西野智彦(にしの・ともひこ)さん
『ドキュメント 日銀漂流――試練と苦悩の四半世紀』(岩波書店)

 
宇野重規さんの『民主主義とは何か』は、ポピュリズムの台頭や独裁的指導者の相次ぐ登場など、危機に瀕した民主主義を、古代ギリシャ以来の歴史的時間軸の中でとりあげ、「民主主義を巡る諸問題」とその解決の方向性を、わかりやすく説明した書として、高く評価されました。
また、ルソー、トクヴィル、ミル、バジョット、ウェーバーなどの「民主主義」論を考察していますが、彼等の中には石橋湛山の「自由主義・民主主義」の思想形成に寄与した論者も多く、その意味からも本書は石橋湛山賞にふさわしいものといえます。

 
一方、西野智彦さんの『ドキュメント 日銀漂流――試練と苦悩の四半世紀』は、1997年の日銀法改正以来、松下・速水・福井・白川・黒田の5人の総裁のもとで、ゼロ金利から量的緩和、リーマン・ショック、異次元金融緩和、そしてコロナショックと激動する経済情勢に日銀はどう対応してきたか、綿密な取材と関係者の記録や証言を集めて、その政策形成過程をあますことなく明らかにしています。
岸田内閣のもとで「新しい資本主義」が提唱される中、アベノミクスと「異次元金融緩和」の批判的検証は喫緊の課題であり、客観的で公平な筆致で日銀の四半世紀を描いた本書への授賞は時宜を得たものと考えられます。

 
なお、授賞式は11月29日(月)16時より、東洋経済ビル 9階 経済倶楽部ホール(東京都中央区日本橋本石町 1-2-1)にて開催。

 

受賞者プロフィール

 
■宇野重規(うの・しげき)さん

1967年生まれ。東京都出身。東京大学法学部卒業。同大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。現在、東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。

主な著書に『政治哲学へ 現代フランスとの対話』(2004年渋沢・クローデル賞LVJ特別賞受賞)、『未来をはじめる「人と一緒にいること」の政治学』(以上、東京大学出版会)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社学術文庫/2007年サントリー学芸賞受賞)、『保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで』(中公新書)などがある。

 
■西野智彦(にしの・ともひこ)さん

1958年生まれ。長崎県出身。慶應義塾大学卒業。時事通信社で編集局、東京放送(TBS )で報道局に所属し、日本銀行、首相官邸、大蔵省、自民党などを担当。「筑紫哲也NEWS23」「報道特集」「Nスタ」の制作プロデューサーを務めた。その後、TBSテレビ報道局長、総務局長などを経て、現在、(株)TBS ホールディングス常勤監査役。

主な著書に『検証 経済失政─誰が、何を、なぜ間違えたか』(共著/岩波書店)、『検証 経済迷走─なぜ危機が続くのか』(岩波書店)、『検証 経済暗雲――なぜ先送りするのか』(岩波書店)、『改革政権が壊れるとき』(共著/日経BP)、『平成金融史』(中公新書)などがある。

 

石橋湛山賞について

石橋湛山賞は、石橋湛山記念財団が、東洋経済新報社の元主幹で内閣総理大臣も務めた石橋湛山(いしばし・たんざん)を記念して、1980年に創設。東洋経済新報社と経済倶楽部が後援。

政治経済・国際関係・社会・文化などの領域で、その年度に発表された論文・著書の中から、石橋湛山の自由主義・民主主義・国際平和主義の思想の継承・発展に、最も貢献したと考えられる著作に贈られてます。

政界・経済界・学界・マスコミ関係者から寄せられた推薦論文・著書をもとに、財団理事・評議員による選考委員会が授賞候補を数点~十数点に絞ります。この中から選考委員の奥村洋彦さん(学習院大学名誉教授)、田中秀征さん(福山大学客員教授)、加藤丈夫さん(前国立公文書館館長)、柴生田晴四さん(経済倶楽部理事長)、山縣裕一郎さん(東洋経済新報社 代表取締役会長)各氏の合議を経て、最終選考委員会の場で決定します。

 

民主主義とは何か (講談社現代新書)
宇野 重規 (著)

トランプ大統領をはじめとする「ポピュリスト」の跋扈、旧社会主義諸国および中国など権威主義国家の台頭など、近年の世界の政治状況は、民主主義という制度の根幹を揺るがすかのような観を呈しています。日本の状況を見てみても、現行の政権が「民意」の正確な反映、すなわち「民主主義的な」政権だといわれると、頸をかしげる人も少なくないのではないでしょうか。はたして民主主義はもう時代遅れなのか? それとも、まだ活路はあるのか?
それを議論するためには、まず何よりも、民主主義とは、そもそもどのような制度なのかを「正しく」知らなければならないでしょう。今では自明視されている「民主主義」という制度ですが、人が創ったものである限りそれもまた歴史的な制度として、さまざまな紆余曲折を経て現在のようなものになったのであって、決して「自然」にこのようなになったわけでではないのです。
そこで本書では、ギリシア・アテナイにおける民主主義思想の「誕生」から、現代まで、民主主義という制度・思想の誕生以来、起こった様々な矛盾、それを巡って交わされた様々な思想家達の議論の跡をたどってゆきます。その中で、民主主義という「制度」の利点と弱点が人々にどのように認識され、またどのようにその問題点を「改良」しようとしたのか、あるいはその「改革」はなぜ失敗してしまったのかを辿ることにより、民主主義の「本質」とは何なのか、そしてその未来への可能性を考えてゆきます。
またあわせて、日本の民主主義の特質、その問題点についても分析してゆきます。
民主主義という思想・制度を知るための、平易な政治思想史の教科書としても最適です。

ドキュメント 日銀漂流――試練と苦悩の四半世紀
西野 智彦 (著)

ゼロ金利、量的緩和、インフレ目標、政府との共同声明、異次元緩和――。異例の金融政策の背後で、いかなる議論や駆け引きが行われていたのか。日銀法改正から菅政権発足まで。日銀に密かに眠るオーラルヒストリーを基に、悲願の「独立性」を追い求めて後退戦を余儀なくされてきた新日銀歴代総裁の苦闘の歴史を白日の下に晒す。

 
【関連】
石橋湛山賞第42回 – 一般財団法人石橋湛山記念財団

 


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