昭和13年の満洲だからこそありえる殺人動機とは――?伊吹亜門さん『幻月と探偵』が刊行 ホワイダニットの名手が贈る、昭和史×本格ミステリ!

伊吹亜門さん著『幻月と探偵』(KADOKAWA)
伊吹亜門さんの最新小説『幻月と探偵(げんげつとたんてい)』が、KADOKAWAより刊行されました。
最新小説の舞台は満州! デビュー作でいきなりミステリランキング1位&文学賞受賞の俊英が魅せる、歴史本格ミステリの新境地!
第12回ミステリーズ!新人賞受賞短編を含むデビュー作『刀と傘 明治京洛推理帖』(東京創元社)で第19回本格ミステリ大賞と「ミステリが読みたい!2020年版」第1位を獲得し、一躍新世代ミステリ作家の先頭集団に躍り出た伊吹亜門さん。
三作目となる本作は、昭和13年の満洲・哈爾浜を舞台にした歴史本格ミステリです。
<昭和史と本格推理が融合した、怒濤のホワイダニット!『幻月と探偵』あらすじ>
ここは夢の楽土か、煉獄か――。
1938年、革新官僚・岸信介の秘書が急死した。秘書は元陸軍中将・小柳津義稙の孫娘の婚約者で、小柳津邸での晩餐会で毒を盛られた疑いがあった。岸に真相究明を依頼された私立探偵・月寒三四郎は調査に乗り出すが、初対面だった秘書と参加者たちの間に因縁は見つからない。さらに、義稙宛に古い銃弾と『三つの太陽を覚へてゐるか』と書かれた脅迫状が届いていたことが分かり……。次第に月寒は、満洲の闇に足を踏み入れる。
『幻月と探偵』読みどころ
1.大戦前夜の満洲でしかありえない、驚愕の犯行動機
歴史と本格ミステリの融合を得意とする伊吹亜門さんが、今回舞台として選んだのは満洲。日本とは異なる厳寒にして荒涼とした大地と、盧溝橋事件後の情勢などの条件が揃ったとき、世にも稀な犯罪が起きる――。
2.連続毒殺事件と脅迫状の謎
物語の中心は、元陸軍中将の屋敷で巻き起こる連続毒殺事件。晩餐会で盛られた猛毒、停電中の実験室での不審死、脅迫状に記された謎の言葉「三つの太陽を覚えているか」など、ミステリ好きのツボを突く要素が目白押し!
3.岸信介の企み
伊吹ミステリの特徴の一つである、実在の歴史的人物の事件への関与。今回登場するのは「昭和の妖怪」と呼ばれ、内閣総理大臣も務めた革新官僚・岸信介。物語は、私立探偵・月寒三四郎に岸が事件の調査を依頼するところから始まるが――。
著者プロフィール
著者の伊吹亜門(いぶき・あもん)さんは、1991年生まれ。愛知県出身。同志社大学卒業。在学中は同志社ミステリ研究会に所属。
2015年「監獄舎の殺人」で第12回ミステリーズ!新人賞を受賞。2018年に同作を連作化した『刀と傘 明治京洛推理帖』でデビュー。2019年、同書で第19回本格ミステリ大賞を受賞し、さらに「ミステリが読みたい!2020年版」国内篇で第1位を獲得する。2021年、デビュー作の前日譚にして初の長編『雨と短銃』を刊行。
幻月と探偵 伊吹亜門 (著) 異邦の論理、異形の心理。 大戦前夜の満洲、元陸軍中将の屋敷、連続毒殺事件、「三つの太陽」、岸信介の野望――。 デビュー作『刀と傘』で、「ミステリが読みたい!2020年版」第1位&本格ミステリ大賞受賞! |
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