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「第30回山本七平賞」最終候補作が決定! 太刀川英輔さん、吉見俊哉さん、森本あんりさんの計3作品

「第30回山本七平賞」最終候補作が決定!

「第30回山本七平賞」最終候補作が決定!

PHP研究所は、第30回山本七平賞の予備選考会を実施し、最終候補作を決定しました。

 

第30回山本七平賞の最終候補作3作品が決定!

第30回山本七平賞の最終候補作は、次の通りです。

 
【第30回山本七平賞 最終候補作】 ※五十音順

◎『進化思考 生き残るコンセプトをつくる「変異と適応」』(太刀川英輔さん/海士の風)

◎『東京復興ならず 文化首都構想の挫折と戦後日本』(吉見俊哉さん/中公新書)

◎『不寛容論 アメリカが生んだ「共存」の哲学』(森本あんりさん/新潮選書)

 
最終選考会は9月7日(火)に実施され、受賞作品が決定します。受賞者には副賞として賞金300万円と記念品が贈られ、贈呈式は11月11日(木)、都内で開催予定です。

 

最終候補作の概要と著者について

 
■『進化思考 生き残るコンセプトをつくる「変異と適応」』(海士の風)

進化思考──それは、生物の進化のように2つのプロセス(変異と適応)を繰り返すことで、本来だれの中にもある創造性を発揮する思考法。40億年にわたり変異と適応を繰り返してきた生物や自然を学ぶことで、創造性の本質を見出し、体系化したのが『進化思考』である。本書には50個の進化ワークが登場する。「変異」の章ではたくさんのアイデアを出し、「適応」の章ではたくさんの情報や繋がりを理解し、「コンセプト」の章ではそれらが美しく結合した時代を生き残るコンセプトに出会うことができるだろう。

<著者:太刀川英輔(たちかわ・えいすけ)さん>
1981年生まれ。横浜市出身。NOSIGNER代表。JIDA(日本インダストリアルデザイン協会)理事長。法政大学工学部卒業。2006年、慶應義塾大学大学院理工学部建築学科修了。国立阿南高等専門学校特命教授。慶應義塾大学特別招聘准教授。グッドデザイン賞金賞(日本)やアジアデザイン賞大賞(香港)なと゛100以上の国際賞を受賞。著書に『デザインと改革』(パイ インターナショナル、2016年)がある。

 
■『東京復興ならず 文化首都構想の挫折と戦後日本』(中公新書)

空襲で焼け野原となった東京は、戦災復興、高度経済成長と1964年五輪、バブル経済、そして2020年五輪といった機会のたびに、破壊と大規模開発を繰り返して巨大化してきた。だが、戦後の東京には「文化」を軸とした、現在とは異なる復興の可能性があった……。南原繁や石川栄耀の文化首都構想、丹下健三の「東京計画1960」など、さまざまな「幻の東京計画」をたどりながら、東京の失われた未来を構想しなおす。

<著者:吉見俊哉(よしみ・しゅんや)さん>
1957年生まれ。東京都出身。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院情報学環教授。東京大学副学長、東京大学新聞社理事長などを歴任。専攻、社会学、都市論、メディア論、文化研究。著書に『都市のドラマトゥルギー』(弘文堂、1987年)、『博覧会の政治学』(中公新書、1992年)、『万博幻想』(ちくま新書、2005年)、『大学とは何か』(岩波新書、2011年)、『五輪と戦後』(河出書房新社、2020年)などがある。

 
■『不寛容論 アメリカが生んだ「共存」の哲学』(新潮選書)

「わたしはあなたの意見に反対だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」――こんなユートピア的な寛容社会は本当に実現可能なのか。不寛容だった植民地時代のアメリカで、「エリートの欺瞞」に激怒した偏屈なピューリタンが、「筋金入りの寛容」を生み出すまでの悪戦苦闘を描く。「不愉快な隣人」と共に生きるための意外な知恵とは。現代でこそ役に立つ「キレイごとぬきの政治倫理」。

<著者:森本あんり(もりもと・あんり)さん>
1956年生まれ。神奈川県出身。国際基督教大学(ICU)人文科学科卒業。東京神学大学大学院を経て、プリンストン神学大学院博士課程修了。現在、国際基督教大学人文科学科教授。専攻は神学・宗教学。著書に『アメリカ的理念の身体』(創文社、2012年)、『反知性主義』(新潮選書、2015年)、『宗教国家アメリカのふしぎな論理』(NHK出版新書、2017年)、『異端の時代』(岩波新書、2018年)などがある。

 

山本七平賞について

山本七平賞は、平成3年12月に逝去した山本七平さんの長年にわたる思索、著作、出版活動の輝かしい成果を顕彰することを目的に、平成4年5月に創設されました。

賞の対象となる作品は、前年7月1日から当年6月末日までに発表(書籍の場合は奥付日)された、書籍、論文で、選考委員は、伊藤元重さん(学習院大学教授)、中西輝政さん(京都大学名誉教授)、長谷川眞理子さん(総合研究大学院大学学長)、八木秀次さん(麗澤大学教授)、養老孟司さん(東京大学名誉教授)。

 

進化思考――生き残るコンセプトをつくる「変異と適応」
太刀川英輔 (著)

★進化思考──それは、生物の進化のように二つのプロセス(変異と適応)を繰り返すことで、本来だれの中にもある創造性を発揮する思考法。

私たちは道具の発明を通して、擬似的な「進化」を達成してきた。そこには必ず、私たちの本質的な願いが込められている。

小さいものを見たいから目を進化させるために顕微鏡を。
寒さをしのぎたいから皮膚を進化させるために服を。
速く移動したいから足を進化させるために乗り物を。
子孫に残したいから記憶力を進化させるために本を…。
40億年にわたり変異と適応を繰り返してきた生物や自然を学ぶことで、創造性の本質を見出し、体系化したのが『進化思考』である。

変異(HOW):偶発性を起点にした発想手法
適応(WHY):自然選択を起点にしたリサーチ手法

変異によって偶発的に無数のアイデアが生まれ、それらのアイデアが適応によって自律的に自然選択されていく。変異と適応を何度も往復することで、変化や淘汰に生き残るコンセプトが産まれる。その結果、本質的な願いを具現化するイノベーションを起こせるようになる。

この本は、「あなたが進化思考を実践しながら身につけられる」ことを目指している。そのため50個の進化ワークが登場する。「変異」の章では、たくさんのアイデアを出し、「適応」の章では、たくさんの情報や繋がりを理解し、「コンセプト」の章では、それらが美しく結合した時代を生き残るコンセプトに出会うことができるだろう。

東京復興ならず-文化首都構想の挫折と戦後日本 (中公新書 2649)
吉見 俊哉 (著)

空襲で焼け野原となった東京は、戦災復興、高度経済成長と一九六四年五輪、バブル経済、そして二〇二〇年五輪といった機会を経るたびに、破壊と大規模開発を繰り返して巨大化してきた。だが、戦後の東京には「文化」を軸とした、現在とは異なる復興の可能性があった……。南原繁や石川栄耀の文化首都構想、丹下健三の「東京計画1960」など、さまざまな「幻の東京計画」をたどりながら東京の未来を構想する。

不寛容論: アメリカが生んだ「共存」の哲学 (新潮選書)
森本 あんり (著)

「不愉快な隣人」と共に生きるにはどうすればいいのか。
いま必要なのは、キレイごとぬきの政治倫理だ!

異なる価値観を持つ人びとが共生する多様性社会を実現する方法とは。
世界一偏屈なピューリタンが生み出した、したたかな共存の哲学。

 
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