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『神様のカルテ』著者にしてコロナ禍の最前線に立つ現役医師、夏川草介さんが『臨床の砦』を緊急刊行 命がけでコロナに立ち向かった小さな病院のドキュメント小説

夏川草介さん著『臨床の砦』

夏川草介さん著『臨床の砦』

ベストセラー『神様のカルテ』で知られる夏川草介さん著『臨床の砦』が、小学館より刊行されました。

2009年に第十回小学館文庫小説賞を「神様のカルテ」で受賞し、シリーズ(既刊5作でシリーズ337万部)を書き継いでいる夏川草介さんは、現役の内科医でもあります。

コロナ感染症指定病院に勤務し、最前線で多くの患者さんと向き合う日々が、一年以上続いています。本書は、著者が2020年末から21年2月にかけて経験したことを克明に綴った、現代版『ペスト』ともいえるドキュメント小説です。

 

自らの経験をもとに綴る、命がけでコロナに立ち向かった小さな病院のドキュメント小説 「この戦、負けますね。」

「これは医療小説ではありません。
コロナウイルスとの、戦争の記録です。」
──夏川草介さん

 
敷島寛治は、コロナ診療の最前線に立つ信濃山病院の内科医である。一年近くコロナ診療を続けてきたが、令和二年年末から目に見えて感染者が増え始め、酸素化の悪い患者が数多く出てきている。

医療従事者たちは、この一年、誰もまともに休みを取れていない。世間では「医療崩壊」寸前と言われているが、現場の印象は「医療壊滅」だ。ベッド数の満床が続き、一般患者の診療にも支障を来すなか、病院は、異様な雰囲気に包まれていた。

 
「対応が困難だから、患者を断りますか? 病棟が満床だから拒絶すべきですか? 残念ながら、現時点では当院以外に、コロナ患者を受け入れる準備が整っている病院はありません。筑摩野中央を除けば、この一帯にあるすべての病院が、コロナ患者と聞いただけで当院に送り込んでいるのが現実です。ここは、
いくらでも代わりの病院がある大都市とは違うのです。当院が拒否すれば、患者に行き場はありません。
それでも我々は拒否すべきだと思うのですか?」
――本文より

 
早くも各界から大反響!

「いま何が起きているかをまざまざと見せつけ、そして誰もが当事者であることを知らしめてくれる貴重な資料だ。」
――作家・医師 知念実希人さん

「小説の世界に入り込むと、そこには私の見てきた現実が走馬灯のように流れていきました。小説を超えた小説であると私は信じています。」
――医師 後藤礼司さん(愛知医科大学 循環器内科 助教)

「信州の小病院が医療の最前線砦として知恵と勇気を武器にコロナの襲来に立ち向かう姿は、さながら現代の『真田丸』だ。」
――医師 飯田俊彦さん(済生会宇都宮病院 副院長)

「人間が、利己的遺伝子の乗り物ではなく、利他的共存の中でしか生きられない生物であることを改めて知らしめてくれた、優れて現代的な物語。」
――福岡伸一さん(『生物と無生物のあいだ』著者)

「最前線でコロナと戦う医療従事者たちの真実の姿にふれ、己の無知と無関心を恥じた。今まさに、読むべき物語だ。」
――宇垣美里さん(フリーアナウンサー)

 

著者プロフィール

著者の夏川草介(なつかわ・そうすけ)さんは、1978年生まれ。大阪府出身。信州大学医学部卒業。長野県にて地域医療に従事。

2009年『神様のカルテ』で第十回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同書は2010年本屋大賞第2位となり、映画化された。

他の著書に『本を守ろうとする猫の話』(米国、英国をふくめ20カ国以上での翻訳出版が決定)、『神様のカルテ2』(映画化/2011年本屋大賞第8位)、『神様のカルテ3』、『神様のカルテ0』『新章 神様のカルテ』『勿忘草の咲く町で 安曇野診療記』『始まりの木』がある。

 

臨床の砦
夏川 草介 (著)

 


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