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【第64回 菊池寛賞】贈呈式に漫画家の秋本治さん、小説家の北方謙三さんら

漫画家の秋本治さん(63)が12月2日、日本文学振興会主催の「第64回 菊池寛賞」を受賞し、都内ホテルで行われた贈呈式に出席しました。

菊池寛賞は、文学、映画・演劇、新聞、放送、スポーツなど、さまざまな文化活動で創造的業績をあげた個人・団体に贈られます。
今年は、10月5日に受賞者の選定が行われ、小説家の北方謙三さん、熊本日日新聞、池上彰氏とテレビ東京選挙特番チーム、原爆投下後の広島の調査・研究を続けている森重昭さん、リオデジャネイロ五輪バドミントン女子ダブルス金メダルの“タカマツペア”高橋礼華選手・松友美佐紀選手が受賞しました。
※高橋選手と松友選手は全日本総合選手権出場のため贈呈式は欠席しましたたが、会場にビデオメッセージを寄せています。
 

秋本治さんは、40年という長期連載となった人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の功績を讃え、受賞の運びとなりました。秋本さんは「一番驚いているのは本人。今回の受賞は本当に喜ばしいと感じている」とスピーチ。

『こち亀』は2016年9月17日発売の『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載を終了。コミックスも200巻で完結しました。連載終了時を「僕が両さんに『なんとか休んでくれ』と頼んで、納得して終わった」とコメントした秋本さんは、両津勘吉は「僕にとって友達というか、一番苦労を分かち合えたキャラクターだ」と語りました。

物語は終わったものの、両さんからは「いろんなプレゼントを残してくれた」といい、「あちこちで『あの作品はこうだった』と言ってもらえて、今回のこのような賞にも選んでもらえた。いま思うと本当にいい作品でした。最近じわじわと思うようになった。作品というのは、終わってから見てくれるんだなと感じています」。

なお、現代ハードボイルドの旗手と言われた北方謙三さんは、17年の時をかけ完結させた全51巻の北方版「大水滸伝」シリーズで、数多ある先人の水滸伝に正面から挑む斬新な解釈で平成の新たな読者を開拓したことが評価されています。

また、熊本日日新聞は、水俣病やハンセン病に関する調査報道、いち早くオウム真理教に迫ったルポなど、一貫して地域ジャーナリズムの担い手であり続け、本年4月の熊本地震でも自ら被災しながらその責務を果たしたことが評価されました。

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