いぬじゅんさん×地元劇団『君と見つけたあの日のif』刊行
いぬじゅんさん著『君と見つけたあの日のif』(PHP文芸文庫)が、PHP研究所より2021年1月9日に刊行されます。
著者のいぬじゅんさんは、静岡県浜松市で会社員として働くかたわら執筆活動をおこなう異色の作家です。本書は、同じ浜松市を拠点とする「劇団たんぽぽ」の活動に着想を得て描かれた青春小説です。
地元劇団の協力で構想ふくらむ
『君と見つけたあの日のif』は、経営に行き詰まっている浜松の小劇団が舞台。元人気子役で現役高校生の結菜が、劇団の副業「レンタル劇団員」として疑似家族と過ごす一冬の物語です。
著者のいぬじゅんさんは、いつか劇団員を主人公にした作品を描きたいという思いを温めていました。あるとき地元浜松を拠点に活動する「劇団たんぽぽ」を知り、取材を申し込んだところ快諾を得ます。
「作中に出てくる劇団とは違い、たしかな信念を持つ劇団の活動と劇団員の声に触れたことで構想が膨らみました」と語る著者は、劇団との出合いをきっかけに、一気に物語を書き上げました。
自分の居場所が見つけられない、すべての人へ
第8回日本ケータイ大賞を受賞したヒット作『いつか、眠りにつく日』でのデビュー以来、高校生を中心に女性読者の支持を得ている、いぬじゅんさん。昨年『この冬、いなくなる君へ』で第8回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど、個性的な登場人物とユニークな舞台設定のキャラ文芸作品が評価されています。
『君と見つけたあの日のif』は、両親とギクシャクしていて友だちもいない「私の居場所はあの劇団しかない」という女子高校生が主人公。
本作について著者は、「家族や友達、いて当たり前だと思いこんでいる人の大切さを改めて感じてもらえるとうれしいです。ラストには、ちょっとした驚きもありますので楽しんでいただけると思います」と述べています。
『君と見つけたあの日のif』について
<あらすじ>
元・人気子役で、現役高校生の杉崎結菜(ゆうな)は、地元・浜松の小さな劇団に所属し、年に数回公演に出演する日々を過ごしていた。しかしそんなある日、劇団の経営が行き詰まっていることを知る。
その危機を乗り越えるため、座長は結菜に「レンタル家族の仕事をしてくれないか」と頼み込む。その仕事の内容とは、ある家族の次女「加奈」を演じながら、その家で寝泊まりして冬休みを過ごすということ。
自分の唯一の居場所である劇団を失いたくない結菜は、冬休みの間だけ「加奈」として生きることを決意するが……。
著者プロフィール
著者のいぬじゅんさんは、小説家。2014年『いつか、眠りにつく日』で第8回日本ケータイ小説大賞を受賞し、書籍化(スターツ出版文庫)。
2015年『北上症候群』で「OtoBonソングノベルズ大賞~音楽を感じる小説~DREAMS COME TRUE編」にて入選、電子書籍化された(エムオン・エンタテインメント)。2019年『この冬、いなくなる君へ』(ポプラ文庫ピュアフル)で第8回静岡書店大賞~映像化したい文庫部門を受賞。
近著に、『あの夏の日、私は君になりたかった。』『無人駅で君を待っている』(以上、スターツ出版)、『君がオーロラを見る夜に』(角川文庫)、『あの冬、なくした恋を探して』(ポプラ社ピュアフル)など著書多数。
君と見つけたあの日のif (PHP文芸文庫) いぬじゅん (著) 皆が望む、「いい子」を演じていた。 元・人気子役で高校生の杉崎結菜。幼い頃から仕事をしていたため友達もおらず、テレビ出演のオファーが減ったことで両親も不仲に。それでも、所属する浜松の劇団で懸命に演技を学んでいたが、ある日劇団の経営が行き詰っていることを知る。その危機を救うため、座長から「レンタル劇団員」として、ある家族の娘になってほしいと頼まれたのだが……。 |
◆宮島未奈さんデビュー作『成瀬は天下を取りにいく』の続編『成瀬は信じた道をいく』が刊行 | 本のページ
◆額賀澪さんが戦時下と現代の熱い「駅伝魂」を描く『タスキ彼方』が刊行 | 本のページ
◆【キノベス!2024】紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30を発表! 1位は宮島未奈さん『成瀬は天下を取りにいく』 | 本のページ
◆吹奏楽部青春小説『空とラッパと小倉トースト』がオーディオブック化 | 本のページ