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【日本マーケティング本大賞2020】近藤公彦さん・中見真也さん『オムニチャネルと顧客戦略の現在』が受賞

学術研究団体「日本マーケティング学会」は、マーケティング理論や実践の普及のため、日本マーケティング学会員が選ぶ「日本マーケティング本 大賞2020」の受賞作品を発表しました。

 

「日本マーケティング本 大賞2020」が決定!

「日本マーケティング本 大賞2020」の受賞作品は次の通りです。

 
<「日本マーケティング本 大賞2020」受賞作品>

■大賞

近藤公彦さん・中見真也さん 編著
『オムニチャネルと顧客戦略の現在』(千倉書房/2019年10月刊行)

『オムニチャネルと顧客戦略の現在』(近藤 公彦さん・中見 真也さん (編著)/千倉書房)

『オムニチャネルと顧客戦略の現在』(近藤 公彦さん・中見 真也さん (編著)/千倉書房)

【推薦理由】
「オムニチャネルについてバランス良く書かれた意義の大きい1冊」
マーケティングにおいて関心の高いオムニチャネルについて、体系的かつバランスよくまとめた、理論的貢献と実践的示唆を両立した好著である。オムニチャネルを顧客戦略として捉え、消費者行動、マーケティング、組織、サプライチェーンなど多面的な視点から検討がされている。丁寧な先行研究のレビューが、特徴の異なる多様な事例と結びつけられており、現場の実務家に有意義な視点が得られる。網羅性と具体性を満たす基本書であり、コロナ禍を経てこの先の顧客戦略はどうあるべきかについての示唆にも富んでいる。日本マーケティング学会のリサーチプロジェクトの成果でもあり、研究と実務の融合を目指す学会の理念を体現したものとなっている。

 
■準大賞(2冊)

◎入山章栄さん『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社/2019年12月刊行)

【推薦理由】
「膨大かつ良質な経営学研究をコンパクトにまとめ上げた1冊」
膨大な量の情報を体系的にまとめ上げることで最新の経営学を俯瞰するとともに、良質な学術論文のレビューにより研究が実務に貢献できることを知らしめる良書である。経営学理論の分類と実務への応用が体系的に提示されており、経営学を学ぶ基礎となる一冊である。良質な学術論文がふんだんに紹介されており、学問領域の細分化をものともせず、アメリカを中心に最新の経営学がコンパクトにまとまっている。特筆すべきはそのわかりやすさであり、平易な文章とビジュアル、理解しやすい構成によって、学部生や社会人院生が受ける恩恵は計り知れない。辞書的に使える実用書であると共に、全体を通読すると経営の本質とは何かが見えてくる指南書でもある。

 
◎石井裕明さん『消費者行動における感覚と評価メカニズム 購買意思決定を促す「何となく」の研究』(千倉書房/2020年1月刊行)

【推薦理由】
「センサリー・マーケティングの先端的理論を示した有用な1冊」
近年注目されている研究対象のセンサリー・マーケティングについて体系的にまとめるとともに、「何となく」という感覚の重要性を示した観点から実務に役立つインプリケーションを与える良書である。流暢性概念や制御焦点理論についての整理がなされるなど、研究対象だけではなく消費者行動研究の理論としても先端的で時流に乗っており、消費者の感覚に関する体系的な書としてユニークでありつつも今後の研究のベースとなるものとなっている。非常に丁寧な実験が積み重ねられた説得力のある優れた学術書であり、学術研究の先端を目指すことが産業界にも貢献し得る知見となることを示す好著である。

 

「日本マーケティング本 大賞2020」概要

■目的:マーケティング理論や実践の普及のため、日本で1年間に出版されたマーケティング書籍を対象に、日本マーケティング学会員が推奨する優れたマーケティング書籍として選出。

■対象書籍:2019年4月~2020年3月に日本で出版されたマーケティング書籍(翻訳本を除く、および学会員著作に限らず対象とする)

■選考方法
◎1次投票:学会員1人につき1~3作品を投票(学会ウェブサイト上)し、1次投票の得票数上位10作品(本年は6作品)をノミネート本として発表。
◎2次投票:ノミネート作品から、学会員1人につき1~3作品を選び投票(学会ウェブサイト上)し、2次投票の得票数上位より、大賞作品を決定。

★詳細:http://www.j-mac.or.jp/bookaward/

 

オムニチャネルと顧客戦略の現在
近藤 公彦 (著, 編集), 中見 真也 (著, 編集)

ICTを基盤に全ての販売チャネルを統合し、消費者にシームレスなショッピング経験を提供するオムニチャネルの現状と未来像を、アカデミズムと実務の両面から解説する。

世界標準の経営理論
入山 章栄 (著)

世界の経営学では、複雑なビジネス・経営・組織のメカニズムを解き明かすために、「経営理論」(management theories)が発展してきた。その膨大な検証の蓄積から、「ビジネスの真理に肉薄している可能性が高い」として生き残ってきた「標準理論」とでも言うべきものが、約30ある。世界の経営学者の英知の結集である。しかし、その知の大部分は学者だけの財産として眠っており、体系化も十分にされず、当然ビジネスパーソンにも知られてこなかった。これは、その標準理論を解放し、可能なかぎり網羅・体系的に、そして圧倒的なわかりやすさでまとめた史上初の書籍である。

消費者行動における感覚と評価メカニズム – 購買意思決定を促す「何となく」の研究
石井 裕明 (著)

「何となく」という消費者の評価に、本当に理由はないのだろうか?
その評価の背景にある感覚とメカニズムについて考察する。

 
【関連】
日本マーケティング学会 – 日本マーケティング本大賞

 


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