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【講談社ノンフィクション賞・講談社エッセイ賞・講談社科学出版賞】ノンフィクション賞は梯久美子さんと中村計さん、エッセイ賞は小泉今日子さんと穂村弘さん、科学出版賞は中川毅さん

講談社が主催する、第39回講談社ノンフィクション賞、第33回講談社エッセイ賞および第33回講談社科学出版賞の受賞作品が決定しました。

講談社ノンフィクション賞でW受賞となった梯久美子さんは、今回の受賞作『狂うひと――「死の棘」の妻・島尾ミホ』で「芸術選奨」文部科学大臣賞、読売文学賞も受賞しています。

講談社エッセイ賞もW受賞となっており、歌手で女優の小泉今日子さんが、自伝的エッセー集で受賞しました。女優の方では、1999年に阿川佐和子さんのとの共著『ああ言えばこう食う』で、檀ふみさんが受賞しています。

 
各賞の受賞作品は次の通りです。

 

【第39回講談社ノンフィクション賞】

 
●『狂うひと――「死の棘」の妻・島尾ミホ』(新潮社) 梯久美子(かけはし・くみこ)さん

●『勝ち過ぎた監督 駒大苫小牧 幻の三連覇』(集英社) 中村計(なかむら・けい)さん

 
〔選考委員〕魚住昭さん、後藤正治さん、最相葉月さん、中沢新一さん、野村進さん

 

【第33回講談社エッセイ賞】

 
●『黄色いマンション 黒い猫』(スイッチ・パブリッシング) 小泉今日子(こいずみ・きょうこ)さん

●『鳥肌が』(PHP研究所) 穂村弘(ほむら・ひろし)さん

 
〔選考委員〕岸本佐和子さん、酒井順子さん、東海林さだおさん、坪内祐三さん、林真理子さん

 

【第33回講談社科学出版賞】

 
●『人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか』(講談社ブルーバックス) 中川毅(なかがわ・たけし)さん

 
〔選考委員〕黒田玲子さん、小林誠さん、竹内薫さん、西成活裕さん、藤嶋昭さん

 
なお、各賞とも賞状・記念品および副賞100万円が贈られます。贈呈式は9月14日に東京都内にて開催。

 

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ
戦後文学史に残る伝説的夫婦の真実に迫り、『死の棘』の謎を解く衝撃大作。

島尾敏雄の『死の棘』に登場する愛人「あいつ」の正体は?
あの日記には何が書かれていたのか。
ミホの書いた「『死の棘』の妻の場合」は、なぜ未完成なのか。
そして本当に狂っていたのは妻か夫か──。
未発表原稿や日記、手紙等の膨大な新資料によって、不朽の名作の隠された事実を掘り起こし、妻・ミホ生涯を辿る、渾身の決定版評伝。

 
勝ち過ぎた監督 駒大苫小牧 幻の三連覇
球史に残る監督、栄光と挫折の舞台裏を長期に亘る丹念な取材で解き明かしたノンフィクション。

 
黄色いマンション 黒い猫 (Switch library)
2007年?2016年まで、SWITCH連載「原宿百景」に綴った33篇+特別書き下ろし1篇

1982年のデビュー以来、歌手、女優として、映画、舞台、テレビ、CM、そして執筆と活動の幅を広げながら、そのすべてを支持され、時を経てもぶれることのない圧倒的な存在感を放つ、小泉今日子。

本書は、彼女が十代の頃から親しみ、かつては住んでいたこともある原宿の町を再び歩き、変わり続ける街並に彼女の半世の思い出を重ねながら、9年間にわたって書き綴った自伝的エッセイ集です。

幼い日々の記憶、中学時代の友人、デビューのきっかけ、アイドル時代に住んだ原宿、秘密の恋、そして、父と姉の死……。
彼女にとって、今だから書けること、今しか書けないことが本書には詰め込まれています。

また、特別書き下ろしは、「逃避行、そして半世紀」と題し、50歳の誕生日を迎えてから初めて、自身の今の気持ちと50代突入への想いが綴られています。同じ時代を生きる女性だけでなく、彼女と共に歳を重ねてきた多くの人の胸に刺さる彼女なりのメッセージが込められています。

 
鳥肌が
小さな子供と大きな犬が遊んでいるのを見るのがこわい。自分以外の全員は実は……という状況がこわい。「よそんち」の不思議なルールがこわい。赤ちゃんを手渡されると、何をするかわからない自分がこわい……。
日常の中でふと覚える違和感、現実の中に時折そっと顔を覗かせる「ズレ」、隣にいる人のちょっと笑える言動。それをつきつめていくと、思わぬ答えが導き出されていく。こわいから惹かれる、こわいからつい見てしまう。ただ、その裏にあるものを知った時、もう今まで通りではいられない!?
ユーモア満載で可笑しいのに、笑った後でその可笑しさの意味に気がついたとき、ふと背筋が寒くなる。そんな42の瞬間を集めた、笑いと恐怖が紙一重で同居するエッセイ集。
カバーの触感、スピンなど、祖父江慎氏による、さらに「違和感」を増幅させる、一風変わった装丁にも注目!

 
人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか (ブルーバックス)
現代とはまるで似ていない気候激変の時代を生き延びてきた人類。福井県の水月湖に堆積する「年縞」。何万年も前の出来事を年輪のように1年刻みで記録し、現在、年代測定の世界標準となっている。その年縞が明らかにしたのが、現代の温暖化を遙かにしのぐ「激変する気候」だった。過去の精密な記録から気候変動のメカニズムに迫り、人類史のスケールで現代を見つめなおす。

 
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第39回「講談社ノンフィクション賞」、 第33回「講談社エッセイ賞」 、第33回「講談社科学出版賞」が決定いたしました。〔PDF〕
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