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ホラー漫画家・伊藤潤二さん×お化け屋敷プロデューサー・五味弘文さん対談をWebで公開

▲五味弘文さん(左)と伊藤潤二さん(右)/対談後、それぞれの著作を持って

▲五味弘文さん(左)と伊藤潤二さん(右)/対談後、それぞれの著作を持って

学研プラスは、ホラー漫画家の伊藤潤二さんと、お化け屋敷プロデューサーの五味弘文さんの対談記事を、オウンドメディア「学研プラス公式ブログ」で公開しました。

 

今夏、手加減なしのまさかの児童書が発刊!それぞれのジャンルで日本の<恐怖>を牽引する鬼才二人の夢の対談が実現!

巧みなストーリーテリングと、一度見たら忘れられない、緻密で強烈な絵柄が人気のホラー漫画家、伊藤潤二さん。
全国で100を超えるお化け屋敷を仕掛け、600万人以上を恐怖のどん底に陥れてきた<お化け屋敷プロデューサー>五味弘文さん。

それぞれ活躍するジャンルは異なりますが、「人に娯楽としての恐怖を与えるプロ」という意味では共通部分もあるお二人です。

 
この夏、奇しくもそれぞれの児童書が発刊されました。伊藤潤二さんの漫画を原作とした初の児童書『何かが奇妙な物語 墓標の町』『同 緩やかな別れ』と、五味弘文さんが「読むお化け屋敷」として仕掛けた『恐怖ツナガル 呪い髪の女』です。このことをきっかけに、両者による対談が実現しました。

▲日本の<恐怖>を牽引してきた二人。今夏発刊したそれぞれの児童書の感想を交換した。

▲日本の<恐怖>を牽引してきた二人。今夏発刊したそれぞれの児童書の感想を交換した。

「最初、『え、伊藤さんの漫画を読み物にして面白いのか』と思いましたが、新鮮でとても面白かったです。伊藤さんの『物語をつくる力』を改めて認識しました。」(五味さん)

「『雨の女』はお化け屋敷のような、逃げられない状況を作って書いていらっしゃるんだなと。一番印象に残った作品でした。滅茶苦茶怖かったです。」(伊藤さん)

 
対談が行われたのは1時間ほど。コロナウイルス対策で、マスクを着け距離をとりながらの対談となりましたが、それぞれの書籍の感想にはじまり、漫画、小説、映画、お化け屋敷まで、様々な<恐怖>の創作技法をめぐって、対談はおおいに盛り上がりました。

▲漫画創作の裏話から海外でのお化け屋敷など、話題は多岐に。

▲漫画創作の裏話から海外でのお化け屋敷など、話題は多岐に。

 
~児童書としてホラーを出す意味~

対談の終盤では、お二人から児童書としてホラーを出すことの意義や思いも語られています。

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伊藤さん:自分の子供の頃を思い出すと、楳図かずお先生の漫画に始まって、中岡俊哉さんの心霊写真集や活字の実話風の怖い本などを夏休みに縁側で読むのがすごく楽しかった。怖いんだけど、ゾクゾクする感覚を今でも楽しく思い出します。
今の子どもにも、そうした体験は、大人になっても楽しい思い出になるのかなと。適度なグロテスクっていうのはいいんじゃないかと思います。インターネットにあるような、度を越したものは駄目ですけど。子供をゾクゾクさせるものは、教育にむしろいいんじゃないかとさえ思っています。

五味さん:子供の時に読んだ楳図先生の『へび女』に、「自分のお母さんの正体が怪物だった」というシーンがありました。自分の一番信頼している身近な親が実は恐ろしい存在だ、というのを子どもが読む。それによって想像力がすごい膨らんだ。実際に、台所仕事をしている母親の後ろ姿をみながら、実は、その正体は違うんじゃないか、と。
怖いものって想像力をものすごく刺激する。恐る恐るかもしれないけど、怖い話や漫画の扉を開けてもらえると、そこで育まれた想像力は将来的にはすごく宝物になるんじゃないかなと思います。本当は大人になってからでも、どんどん読んでほしいんですけどね(笑)。

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★対談記事:https://gkp-koushiki.gakken.jp/2020/09/03/31413/

 

対談者プロフィール

 
■伊藤潤二(いとう・じゅんじ)さん

岐阜県生まれ。歯科技工士として働きながら、『月刊ハロウィン』の「楳図賞」に投稿。1986年「富江」が佳作を受賞し、デビュー作となる。

その後、漫画家業に専念。「道のない街」「首吊り気球」、「双一」シリーズ、「死びとの恋わずらい」「うずまき」「ギョ」「潰談」など唯一無二の作品を発表し続け、2017年に画業30周年を迎える。

2019年、「フランケンシュタイン」がアメリカのアイズナー賞優秀コミカライズ作品賞を受賞。

 
■五味弘文(ごみ・ひろふみ)さん

長野県生まれ。1992年から全国でお化け屋敷をプロデュースしはじめ、その数は100を超える。24時間ライブ中継や水族館でのお化け屋敷など、従来のお化け屋敷の枠を越えた仕掛けも行う。

著書に『お化け屋敷になぜ人は並ぶのか―「恐怖」で集客するビジネスの企画発想』(KADOKAWA)、ホラー小説『憑き歯―密七号の家』(幻冬舎)など。

 

何かが奇妙な物語 墓標の町
伊藤潤二 (原著), 澤田薫 (著)

“ひんやり”を先取りできる、こわ~い物語
覚悟のない読者は、要注意!
伊藤潤二の傑作マンガをノベライズした、ホラー児童書の究極形登場!

何かが奇妙な物語 緩やかな別れ
伊藤潤二 (原著), 澤田薫 (著)

恐怖かつ驚愕! 怖いのに笑えるのか、笑えるほど怖いのか、もはや、よくわからない。ページをめくるのが怖い、でも読まずにはいられない。なんだこりゃ! ?
現代ホラーマンガの第一人者で、日本国内だけではなく、海外にも熱狂的なファンをもつ伊藤潤二氏の傑作マンガを、まさかの児童書ノベライズ!
子どもにこそ、本物の恐怖を楽しんでもらいたい! その一心で、編集者も、恐怖に耐えながら、必死に編集。だから、「恐怖の扉」を開く覚悟のない読者は、要注意! でも、気づいたら、もう手遅れ。目が離せない! 逃げられない! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! !

呪い髪の女 (恐怖ツナガル)
五味弘文 (著), 南條沙歩 (イラスト)

恐怖演出の第一人者による、さまざまなアイデアとテクニックが詰め込まれた本書。
例えば、手書きの文字が入り込んでいたり、はさみこまれた和紙の向こうに、次の衝撃的なイラストが透けて見えていたり……と、「本ならでは」の形で読者を襲う仕掛けが随所に潜んでいる。まるでお化け屋敷の中を進むように、1ページ目から順番に読むことで、より恐ろしさを味わえる一冊。

 
【関連】
ホラー漫画家・伊藤潤二×お化け屋敷プロデューサー・五味弘文。二人の鬼才による夢の対談!(前編) | 学研プラス公式ブログ

 


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