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【第30回紫式部文学賞】中島京子さん『夢見る帝国図書館』が受賞

宇治市(京都府)は、女性作家の文学作品を対象とする「第30回紫式部文学賞」の受賞作を発表しました。

 

第30回紫式部文学賞が決定!

第30回紫式部文学賞は、次の通り受賞作が決定しました。

 
<第30回紫式部文学賞 受賞作品>

中島京子(なかじま・きょうこ)さん
『夢見る帝国図書館』(文藝春秋)

 
受賞者の中島京子さんは、1964年生まれ。東京都出身。東京女子大学卒業。出版社勤務を経て、2003年『FUTON』で小説家デビュー。2010年『小さいおうち』で直木賞、2014年『妻が椎茸だったころ』で泉鏡花文学賞、2015年『かたづの!』で河合隼雄物語賞、歴史時代作家クラブ賞作品賞、柴田錬三郎賞、『長いお別れ』で中央公論文芸賞、2016年、同作で日本医療小説大賞を受賞。

山崎さんには、賞金200万円が贈られます。

 
選考委員は、川上弘美さん(作家)、鈴木貞美さん(文芸評論家/国際日本文化研究センター名誉教授)、竹田青嗣さん(文芸評論家/哲学者/大学院大学至善館教授/早稲田大学名誉教授)、村田喜代子さん(作家)。

作品紹介、講評、受賞の言葉など詳細は、https://www.city.uji.kyoto.jp/site/bunkakatsudou/7120.html をご覧ください。

 

紫式部文学賞とは

「紫式部文学賞」は、宇治市と宇治市教育委員会が主催。伝統ある日本女性文学の継承・発展と、市民文化の向上に資することを目的とした文学賞です。

前年に刊行された文学作品を対象とし、女性を作者とするものに限定しています。

一般公募は行わず、全国の作家、文芸評論家、出版社、新聞社、市民推薦人から各々1点に限り推薦を受けることとしています。推薦された作品は、紫式部文学賞推薦委員会で数編に絞り込まれ、その後紫式部文学賞選考委員会で受賞候補作品が選定され、市長が決定します。

受賞者は原則として1名で、正賞(「紫式部」をイメージしたブロンズ像)と副賞(賞金200万円)が贈呈されます。

 

夢見る帝国図書館
中島 京子 (著)

「図書館が主人公の小説を書いてみるっていうのはどう?」
作家の〈わたし〉は年上の友人・喜和子さんにそう提案され、帝国図書館の歴史をひもとく小説を書き始める。もし、図書館に心があったなら――資金難に悩まされながら必至に蔵書を増やし守ろうとする司書たち(のちに永井荷風の父となる久一郎もその一人)の悪戦苦闘を、読書に通ってくる樋口一葉の可憐な佇まいを、友との決別の場に図書館を選んだ宮沢賢治の哀しみを、関東大震災を、避けがたく迫ってくる戦争の気配を、どう見守ってきたのか。
日本で最初の図書館をめぐるエピソードを綴るいっぽう、わたしは、敗戦直後に上野で子供時代を過ごし「図書館に住んでるみたいなもんだったんだから」と言う喜和子さんの人生に隠された秘密をたどってゆくことになる。
喜和子さんの「元愛人」だという怒りっぽくて涙もろい大学教授や、下宿人だった元藝大生、行きつけだった古本屋などと共に思い出を語り合い、喜和子さんが少女の頃に一度だけ読んで探していたという幻の絵本「としょかんのこじ」を探すうち、帝国図書館と喜和子さんの物語はわたしの中で分かち難く結びついていく……。

知的好奇心とユーモアと、何より本への愛情にあふれる、すべての本好きに贈る物語!

 
【関連】
紫式部文学賞 – 受賞作品 – 宇治市公式ホームページ

 


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