『人生に、文学を。』第7弾はロバート・キャンベルさん×川上未映子さん公開対談
TOKYO FMでは6月23日(日)19時から、サンデースペシャル『人生に、文学を。』の第7弾となる番組を放送します。
TOKYO FMが、芥川賞や直木賞などを主宰する公益財団法人 日本文学振興会と共に贈る”聴いて親しむ日本文学“のシリーズで、今回は5月31日に行われた、番組パーソナリティで日本文学研究者のロバート・キャンベルさんが第138回芥川賞受賞作『乳と卵』の作者・川上未映子さんを迎えた公開収録の模様を届けます。
7月11日(木)に発売される川上未映子さんの新作長編『夏物語』を中心に、執筆秘話や創作にまつわる音楽の話、さらにイベント観覧に参加したリスナーからの質問にも答えた盛りだくさんなイベントを感じられる55分間です。
文学を通して語られる「生殖倫理」 初めて明かされるロバート・キャンベルさんと父の話も
「会議の場などでよく会う」というお二人、対談の形は初めてと話していますが、公開収録の会場に登壇するやいなやロバート・キャンベルさんがおしゃれであることなど話に花が咲き、会場は和やかなムードに包まれました。
番組の本題となるのは、7月11日に発売される川上未映子さんの新作長編『夏物語』。第138回芥川龍之介賞を受賞した小説『乳と卵』の登場人物たちの新しい物語である小説です。
番組ではロバート・キャンベルさんとのやり取りの中で、執筆に至った経緯にも触れていきます。作品のテーマとして「生殖倫理」を取り上げて執筆した川上さんが、子どものころから死生観について思っていた「あること」について語ります。
『夏物語』は文芸誌『文學界』の3・4月号に掲載されましたが、この4月号の表紙に描かれたのが明治期の小説家・樋口一葉だったことから、樋口一葉にまつわる話も展開されました。
川上未映子さん自身も強く影響を受けていると話す樋口一葉、代表作『たけくらべ』は池澤夏樹さん編集の「日本文学全集」において現代語訳を担当しています。小説『夏物語』にはこの現代語訳の経験も生きていると川上さんは話します。
またこのイベントでは、小説の中から一節を川上さん自ら朗読をする場面も。大阪弁の朗読パート、こちらも必聴です。
会場に集まったリスナーからの質問では中学生からの質問にも丁寧に答える川上さん。「小説はフィギュアスケートをするような感覚」と話すその真意とは?
ロバート・キャンベルさんも「社会の中で問題になってることが、実は赤裸々に語られている。その肉付けがすごい」と語る最新長編小説『夏物語』を巡る2人の対談は6月23日(日)19時から放送です。
「TOKYO FMサンデースペシャル『人生に、文学を。』公開収録」番組概要
■放送日時:6月23日(日)19:00~19:55
■出演:ロバート・キャンベルさん、川上未映子さん
■提供:日本文学振興会
■放送局: TOKYO FM
★番組HP:https://www.tfm.co.jp/jinsei-bungaku/
川上未映子さん プロフィール
川上未映子さんは、1976年生まれ。大阪出身。
2008年『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。中原中也賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞など多くの賞を受賞。小説、詩集など著書多数。
「人生に、文学を。」とは
「人生に、文学を。」は、公益財団法人 日本文学振興会が「本を読むこと」「文学に親しむこと」の素晴らしさを、広く世に訴えるプロジェクト。第二期(2017年7月~)からTOKYO FMと連携することにより情報発信をさらに進め、より幅広い層へ向けて、「人生に、文学を。」のメッセージを届けています。
日本の文学を担う作家たちとともに、また、本プロジェクトの主旨に賛同した協賛社とともに、本と出会うこと、文学に出会うことによって、ひとりひとりの人生がより豊かなものになる可能性があることを主張していきます。
★URL:https://www.jinsei-bungaku.jp
日本文学振興会について
日本文学振興会は「文芸の向上顕揚を計ることを目的」として、芥川龍之介賞、直木三十五賞、菊池寛賞、大宅壮一ノンフィクション賞、松本清張賞の選考と授賞を行う公益財団法人です。
乳と卵 (文春文庫) 川上 未映子 (著) 第138回芥川賞・受賞作品。現代の樋口一葉の誕生! |
夏物語 川上 未映子 (著) 世界十数ヵ国で翻訳決定! 大阪の下町に生まれ育ち、小説家を目指し上京した夏子。38歳になる彼女には、ひそやかな願いが芽生えつつあった。「自分の子どもに会いたい」――でも、相手もおらんのに、どうやって? 周囲のさまざまな人々が、夏子に心をうちあける。身体の変化へのとまどい、性別役割をめぐる違和感、世界への居場所のなさ、そして子どもをもつか、もたないか。悲喜こもごもの語りは、この世界へ生み、生まれることの意味を投げかける。 パートナーなしの出産を目指す夏子は、「精子提供」で生まれ、本当の父を探す逢沢潤と出会い、心を寄せていく。いっぽう彼の恋人である善百合子は、出産は親たちの「身勝手な賭け」だと言う。 芥川賞受賞作「乳と卵」の登場人物たちがあらたに織りなす物語は、生命の意味をめぐる真摯な問いを、切ない詩情と泣き笑いの極上の筆致で描き切る。 ページを繰る手が止まらない、エネルギーに満ちた世界文学の誕生! |
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