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【第37回三島由紀夫賞&山本周五郎賞】三島賞は大田ステファニー歓人さん『みどりいせき』、山本賞は青崎有吾さん『地雷グリコ』が受賞

新潮社は5月16日、第37回三島由紀夫賞および第36回山本周五郎賞の受賞作を発表しました。

 

第37回三島賞&山本賞が決定!

第37回三島賞および第36回山本賞の受賞作品は次の通りです。

 
<第37回三島由紀夫賞 受賞作品>

大田ステファニー歓人(おおた・すてふぁにー・かんと)さん
『みどりいせき』(集英社)

 
<第37回山本周五郎賞 受賞作品>

青崎有吾(あおさき・ゆうご)さん
『地雷グリコ』(KADOKAWA)

 
三島賞を受賞した大田ステファニー歓人さんは、1995年生まれ、東京都出身。2023年「みどりいせき」で第47回すばる文学賞を受賞

山本賞を受賞した青崎有吾さんは、1991年生まれ、神奈川県出身。明治大学卒業。在学中の2012年『体育館の殺人』で第22回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。今回の受賞作『地雷グリコ』は今月、第24回本格ミステリ大賞〔小説部門〕第77回日本推理作家協会賞〔長編および連作短編集部門〕も受賞。

両賞とも、受賞者には記念品および100万円が授与されます。

 
選考委員は、三島賞が川上未映子さん、高橋源一郎さん、多和田葉子さん、中村文則さん、松家仁之さん、山本賞が伊坂幸太郎さん、江國香織さん、小川哲さん、今野敏さん、三浦しをんさん。

 
なお、両賞の候補作品は以下の通りです。

【第37回三島由紀夫賞 候補作品】
◎久栖博季さん「ウミガメを砕く」(「新潮」2023年6月号掲載)
◎小砂川チトさん『猿の戴冠式』(講談社)
◎鈴木涼美さん『YUKARI』(徳間書店)
◎大田ステファニー歓人さん『みどりいせき』(集英社)
◎間宮改衣さん『ここはすべての夜明けまえ』(早川書房)

【第36回山本周五郎賞 候補作品】
◎小田雅久仁さん『禍』(新潮社)
◎青崎有吾さん『地雷グリコ』(KADOKAWA)
◎寺地はるなさん『こまどりたちが歌うなら』(集英社)
◎葉真中顕さん『鼓動』(光文社)

 

三島由紀夫賞・山本周五郎賞とは

三島由紀夫賞と山本周五郎賞はともに、新潮社が設立した「一般財団法人 新潮文芸振興会」が主催。

三島由紀夫賞は、作家・三島由紀夫の業績を記念し、1987年に創設。小説、評論、詩歌、戯曲を対象とし、「文学の前途を拓く新鋭の作品」に贈られる文学賞です。

山本周五郎賞は、大衆文学・時代小説の分野で昭和期に活躍した山本周五郎にちなみ、三島由紀夫賞とともに創設。「すぐれて物語性を有する新しい文芸作品」に贈られる文学賞です。一応、対象となるのは「小説」となっていますが、それ以外の分野でも対象となる可能性があります。

両賞とも、前年4月1日より当年3月31日までに発表された作品が選考対象となります。

 

みどりいせき
大田 ステファニー 歓人 (著)

【第47回すばる文学賞受賞作】
【選考委員激賞!】
私の中にある「小説」のイメージや定義を覆してくれた──金原ひとみさん
この青春小説の主役は、語り手でも登場人物でもなく生成されるバイブスそのもの──川上未映子さん
(選評より)

このままじゃ不登校んなるなぁと思いながら、僕は小学生の時にバッテリーを組んでた一個下の春と再会した。
そしたら一瞬にして、僕は怪しい闇バイトに巻き込まれ始めた……。
でも、見たり聞いたりした世界が全てじゃなくって、その裏には、というか普通の人が合わせるピントの外側にはまったく知らない世界がぼやけて広がってた──。

圧倒的中毒性! 超ド級のデビュー作!
ティーンたちの連帯と、不条理な世の中への抵抗を描く。

地雷グリコ
青崎 有吾 (著)

ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説!

射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。
平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。

 
【関連】
三島由紀夫賞 | 新潮社
山本周五郎賞 | 新潮社

 


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