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第32回三島由紀夫賞・山本周五郎賞の候補作品が決定 両賞とも5作品

第32回三島由紀夫賞および第32回山本周五郎賞の候補作品が発表されました。

 

第32回三島由紀夫賞・山本周五郎賞 候補作品

第32回三島賞および山本賞の候補作品は次の通りです。

 
【第32回三島由紀夫賞 候補作品】

『名もなき王国』(倉数茂さん/ポプラ社)

「いかれころ」(三国美千子さん/『新潮』2018年11月号)

「図書室」(岸政彦さん/『新潮』2018年12月号)

『壺中に天あり獣あり』(金子薫さん/講談社)

「青痣」(宮下遼さん/『群像』2019年3月号)

 
【第32回山本周五郎賞 候補作品】

『火のないところに煙は』(芦沢央さん/新潮社)

『鯖』(赤松利市さん/徳間書店)

『平場の月』(朝倉かすみさん/光文社)

『カゲロボ』(木皿泉さん/新潮社)

『落花』(澤田瞳子さん/中央公論新社)

 
■選考委員

〔三島賞〕川上弘美さん、高村薫さん、辻原登さん、平野啓一郎さん、町田康さん

〔山本賞〕石田衣良さん、荻原浩さん、角田光代さん、佐々木譲さん、唯川恵さん

 
■今後の日程について

・最終選考 5月15日

・選考結果発表
  〔三島由紀夫賞〕『新潮』7月号誌上
  〔山本周五郎賞〕『小説新潮』7月号誌上
 にて発表。各選考委員の選評も併せて掲載されます。

 
なお、両賞とも、受賞者には記念品および100万円が授与されます。

 

三島由紀夫賞および山本周五郎賞について

三島由紀夫賞と山本周五郎賞はともに、新潮社が設立した「一般財団法人 新潮文芸振興会」が主催。

三島由紀夫賞は、作家・三島由紀夫の業績を記念し、1987年に創設。小説、評論、詩歌、戯曲を対象とし、「文学の前途を拓く新鋭の作品」に贈られる文学賞です。

山本周五郎賞は、大衆文学・時代小説の分野で昭和期に活躍した山本周五郎にちなみ、三島由紀夫賞とともに創設。「すぐれて物語性を有する新しい文芸作品」に贈られる文学賞です。一応、対象となるのは「小説」となっていますが、それ以外の分野でも対象となる可能性があります。

両賞とも、前年4月1日より当年3月31日までに発表された作品が選考対象となります。

 

名もなき王国
倉数 茂 (著)

売れない小説家の私が若手作家の集まりで出会った、聡明な青年・澤田瞬。彼の伯母が、敬愛する幻想小説家・沢渡晶だと知った私は、瞬の数奇な人生と、伯母が隠遁していた古い屋敷を巡る不可思議な物語に魅了されていく。なぜ、この物語は語られるのか。謎が明かされるラスト8ページで、世界は一変する。深い感動が胸を打つ、至高の“愛”の物語。

壺中に天あり獣あり
金子 薫 (著)

言葉を紡ぎ、世界を作り出すとは、どういうことなのか。無限の迷宮を彷徨い続ける青年・光。どんなに歩いても、螺旋階段が上下に伸び、廊下が一直線に続くばかりだ。ある時、迷宮の中にホテルが建っているのを発見した光は、その支配人となり、客を呼び込むポスターを貼るため、再び迷宮へと足を踏み入れる。迷宮の中の玩具屋で働く女性・言海は、ポスターを見て、ブリキの動物たちを連れてホテルを目指す―。若き才能による大胆で緻密な野間文芸新人賞受賞後第一作。

火のないところに煙は
芦沢 央 (著)

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の「私」は、かつての凄惨な体験を振り返る。解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。「私」は、事件を小説として発表することで情報を集めようとするが―。予測不可能な展開とどんでん返しの波状攻撃にあなたも必ず騙される。一気読み不可避、寝不足必至!!読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリ!


赤松利市 (著)

第1回大藪春彦新人賞受賞者、捨身の初長編
62歳、住所不定、無職。平成最後の大型新人。鮮烈なるデビュー!

紀州雑賀崎を発祥の地とする一本釣り漁師船団。かつては「海の雑賀衆」との勇名を轟かせた彼らも、時代の波に呑まれ、終の棲家と定めたのは日本海に浮かぶ孤島だった。日銭を稼ぎ、場末の居酒屋で管を巻く、そんな彼らの生を照らす一筋の光明。しかしそれは破滅への序曲にすぎなかった―。

平場の月
朝倉かすみ (著)

朝霞、新座、志木―。家庭を持ってもこのへんに住む元女子たち。元男子の青砥も、このへんで育ち、働き、老いぼれていく連中のひとりである。須藤とは、病院の売店で再会した。中学時代にコクって振られた、芯の太い元女子だ。50年生きてきた男と女には、老いた家族や過去もあり、危うくて静かな世界が縷々と流れる―。心のすき間を埋めるような感情のうねりを、求めあう熱情を、生きる哀しみを、圧倒的な筆致で描く、大人の恋愛小説。

カゲロボ
木皿 泉 (著)

今日も、誰かがささやく。「あいつがカゲロボらしいよ――」。いつも、誰かに見られている……。最初は他愛のない都市伝説の筈だった。しかし、イジメに遭う中学生、周囲から認知症を疑われる老人、ホスピスに入った患者、殺人を犯そうとする中年女性など、人生の危機に面した彼らの前に、突然現れた「それ」が語ったことは。いま最注目の作家が描いた、救いをめぐる傑作。

落花
澤田 瞳子 (著)

野太い喊声、弓箭の高鳴り、馬の嘶き…血の色の花咲く戦場に、なぜかくも心震わせる至誠の音が生まれるのか!己の音楽を究めんと、幻の師を追い京から東国へ下った寛朝。そこで彼は、荒ぶる地の化身のようなもののふに出会う。―「坂東のならず者」を誰より理解したのは、後の大僧正その人だった。謀叛人・平将門と、仁和寺の梵唄僧・寛朝。男たちの魂の咆哮が響き合う歴史雄篇。俊英が描く武士の世の胎動!

 
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