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【第10回野性時代フロンティア文学賞】該当作なし 高橋弘和さんに奨励賞 次回より「小説 野性時代 新人賞」に改称

「第10回野性時代フロンティア文学賞」選考結果を発表

「第10回野性時代フロンティア文学賞」選考結果を発表

KADOKAWAは3月13日、公募の文学新人賞「第10回野性時代フロンティア文学賞」の選考結果を発表しました。

 

第10回野性時代フロンティア文学賞の選考結果について

第10回野性時代フロンティア文学賞は、3月13日午後4時より選考会を開催。応募総数488作品の中から最終選考に残った3作品のうち、選考委員の審査により、今回は、該当作なしとなりました。なお、受賞に準じる賞として、高橋弘和さんの『むかさりの彼方』が奨励賞に選出されました。

また、次回より「野性時代フロンティア文学賞」は、「小説 野性時代 新人賞」と改称されます。1974年に創刊された『野性時代』の伝統を踏まえ、引き続き新たな才能の発掘に努めます。

 
■野性時代フロンティア文学賞 受賞作(賞金100万円)
該当作なし

■野性時代フロンティア文学賞 奨励賞
高橋弘和(たかはし・ひろかず)さん『むかさりの彼方』
※受賞作に準じる奨励賞の作品には、賞金および刊行の予定はありません。

 
選考委員は、冲方丁さん、辻村深月さん、森見登美彦さん。
なお、選評は4月12日(金)発売の『小説 野性時代』5月号(KADOKAWA)に掲載される予定です。

 
<奨励賞概要>
◆作品名:『むかさりの彼方』

◆あらすじ
昭和二十四年。T大生が運営する金融会社月光クラブは、急速に業績を伸ばしていた。俺、赤城さぶ朗も商売で借金を作ってしまい、月光クラブに金を借りていた。そんなとき、幼馴染でもあるクラブ代表の黒田が、返済期限を延ばす代わりにむかさり絵馬の制作を依頼してくる。
むかさり絵馬とは、若くして死んだ霊を供養する為に、絵馬に死者の結婚式を描いて奉納する風習だ。絵馬には、生きた人間を描いてはいけないという禁忌がある。死者との婚礼が成立し、あの世に引っ張られ死ぬからだ。
俺は絵馬を完成させるが、黒田によって生者の姿が描き加えられ、描かれた者はその六日後に死んでいた。絵馬を使った殺人。黒田は、罪に問われぬ方法で邪魔な人間を排除したのだ。
月光クラブには、不正会計を記した裏帳簿があった。その帳簿が、盗まれたらしい。帳簿が公開されれば、月光クラブは崩壊する。俺と黒田は、俺が帳簿を見付けたらそれを引き渡す事で、借金を帳消しにするという取引をする。
裏帳簿を盗んだのは、クラブの秘書だった守屋小百合だった。早百合は、俺と黒田にとって妹のような友人で、帳簿を盗んだ後で事故死していた。帳簿の行方を追い、俺は月光クラブを取り巻く人生と矛盾に触れていく――。

<著者略歴>
ペンネーム:高橋弘和(たかはし・ひろかず)
男性。1979年12月29日生まれ。千葉県出身、千葉県在住。2002年千葉工業大学卒業。現在、会社員。

 

野性時代フロンティア文学賞について

「野性時代フロンティア文学賞」は、2009年に創設された公募の文学新人賞です。これまでにない新ジャンルを築きあげるエンターテインメント作品を広く募集し、読む者の心を揺さぶる、将来性豊かな稀代のストーリーテラーを選出します。

 
■原稿枚数:400字詰め原稿用紙換算200枚から400枚(長編1作品)。

■対象作品:広義のエンターテインメント小説。恋愛、ミステリ、冒険、青春、歴史、時代、ファンタジーなど、ジャンルは問いません(ノンフィクション・論文・詩歌・絵本は除く)。

★公式サイト:https://awards.kadobun.jp/yaseijidai/
※賞の名称は「小説 野性時代 新人賞」に切り替わっています。

 
【関連】
第11回 小説 野性時代 新人賞|KADOKAWA……すでに賞名は新名称になっています。

 


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