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「第21回大藪春彦賞」候補作が決定 大山淳子さん、河﨑秋子さん、下村敦史さん、葉真中顕さん、深緑野分さんの計5作品

大藪春彦賞選考委員会は12月21日、第21回大藪春彦賞の候補作を発表しました。

 

「第21回大藪春彦賞」候補作が決定!

大藪春彦賞選考委員会は、2017年10月から2018年9月までの選考対象期間に刊行された作品の中から、次の作品を「第21回大藪春彦賞」候補として選出しました。

 
■第21回大藪春彦賞 候補作

◎大山淳子さん『赤い靴』(ポプラ社)

◎河﨑秋子さん『肉弾』(KADOKAWA)

◎下村敦史さん『黙過』(徳間書店)

◎葉真中 顕さん『凍てつく太陽』(幻冬舎)

◎深緑野分さん『ベルリンは晴れているか』(筑摩書房)

 
なお、2019年1月23日に大沢在昌さん、黒川博行さん、藤田宜永さんによる選考会が開催され、受賞作が決定します。

 

大藪春彦賞について

大藪春彦賞は、作家・大藪春彦さんの業績を記念し徳間書店が創設、「優れた物語世界の精神を継承する新進気鋭の作家及び作品」に贈られる文学賞です。

大藪春彦賞選考委員会が主催し、毎年10月1日から翌年9月末日までに発表された小説作品の中から選ばれます。

 

赤い靴
七歳の誕生日の夜、葵は母親を目の前で惨殺された。誰が何のために母を殺したのか――。奇跡的に生き延びた葵がたどり着いたのは、超然とした佇まいの老人と犬が支配する人跡未踏の山中だった。隔絶された世界で成長した葵は、ある出来事の後、復讐の念を魂に刻んで下山する。
「死ぬってどういうことだとあなたは思う?」
生と死の狭間で交錯する欲望。葵が最後に見たのは、希望か絶望か――。
息もつかせぬ怒涛の展開。
驚愕のラストまで一気読み必至の傑作長編!!

 
肉弾
誰に望まれなくても、お前は生きろ。

豪放でワンマンな父親のもとで育った貴美也は大学を休学中のニート。親に反発しながらも庇護下から抜け出せずにいる。そんな彼を父親は、北海道での狩猟に連れ出した。地元ガイドの話を無視し、大物の雄鹿を仕留めるために、父子はカルデラ地帯の奥深く分け入っていく。そこに突然熊が襲ってきた。なすすべなく腹を裂かれて死ぬ父親。ひとり取り残された貴美也。後ろから気持ちの悪い唸り声が追ってきた。情けなく涙と涎を垂らし、悪態をつきながら、貴美也は逃げる。ただ、死なないために。
自分の傲岸なまでに強靭なエゴに支配される人間。人間に従属する歴史を繰り返した犬。人間の営みにより生活をおびやかされた熊。残酷だが美しい、それぞれの生――そして青年は覚醒する。

 
黙過 (文芸書)
“移植手術”は誰かの死によって人を生かすのが本質だ――新米医師の葛藤からはじまる「優先順位」。
生きる権利と、死ぬ権利――“安楽死”を願う父を前に逡巡する息子を描いた「詐病」。
過激な動物愛護団体がつきつけたある命題――「命の天秤」など、“生命”の現場を舞台にしたミステリー。

優先順位――意識不明の患者が病室から消えた! ?
詐病――なぜ父はパーキンソン病を演じているのか
命の天秤――母豚の胎内から全ての子豚が消えた謎
不正疑惑――真面目な学術調査官が犯した罪
究極の選択――この手術は希望か、それとも絶望か――

あなたは必ず4回騙される――『闇に香る嘘』を超える驚愕!

 
凍てつく太陽
昭和二十年、終戦間際の北海道を監視する特高警察、通称「北の特高」――。
彼らの前に現れた連続毒殺犯「スルク」とは何者か。陸軍がひた隠しにする「軍事機密」とは。
そして、真の「国賊」は誰なのか? かつてない「特高」警察小説!

逼迫した戦況を一変させるという陸軍の軍事機密「カンナカムイ」をめぐり、軍需工場の関係者が次々と毒殺される。アイヌ出身の特高刑事・日崎八尋は捜査に加わるが、「拷問王」の異名を持つ先輩刑事の三影に濡れ衣を着せられ、網走刑務所に投獄されてしまう。八尋は特高刑事としての「己の使命」を全うするために、脱獄を決意するのだが――。民族とは何か、国家とは何か、人間とは何か。魂に突き刺さる、骨太のエンターテイメント!

 
ベルリンは晴れているか (単行本)
大ヒット『戦場のコックたち』(直木賞、本屋大賞候補作)を超える衝撃!
第二次大戦直後のドイツを舞台にした圧倒的スケールの歴史ミステリ

戦争が終わった。
瓦礫の街で彼女の目に映る空は何色か

ヒトラー亡き後、焦土と化したベルリンでひとりの男が死んだ
孤独な少女の旅路の果てに明かされる真実とは――
読後、きっとこのタイトルに心が震える。

1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4ヵ国統治下におかれたベルリン。ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅立つ。しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり――ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。

 
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