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【第53回JXTG児童文化賞】『完訳版ファーブル昆虫記』(全10巻20冊)の大著を完成した奥本大三郎さんが受賞

JX金属 大井社長/奥本大三郎さん

JX金属 大井社長/奥本大三郎さん

JXTGホールディングス株式会社は、わが国の児童文化の発展に大きな業績をあげた個人または団体を顕彰する「第53回JXTG児童文化賞」の受賞者を決定、11月16日に「第48回 JXTG音楽賞」と合わせて表彰式をパレスホテル東京にて開催しました。

 

第53回JXTG児童文化賞を奥本大三郎さんが受賞!

JXTG児童文化賞およびJXTG音楽賞は、1966年に児童文化賞、1971年に音楽賞を創設して以来、約半世紀にわたり、わが国の児童文化・音楽文化の発展に大きな業績をあげた個人または団体を顕彰してきました。

 
「第53回JXTG児童文化賞」には、30年の歳月をかけて昨年ついに『完訳版ファーブル昆虫記』(全10巻20冊)の大著を完成するという歴史的な偉業を成し遂げた、作家・仏文学者の奥本大三郎さんが受賞しました。なお、この偉業に対し、昨年、第65回菊池寛賞も受賞しています。

 
第53回JXTG児童文化賞の選考委員は、野上暁さん(児童文化研究家)、仲居宏二さん(放送コンサルタント・元聖心女子大学教授)、山極壽一さん(京都大学総長)。

なお、受賞者の奥本大三郎さんには、正賞としてトロフィー、副賞として賞金200万円が贈呈されました。

 
【奥本大三郎さん 受賞コメント】

「私は30年間かけてファーブルを翻訳した訳ですが、中身は児童のままでして、児童に文化賞が与えられたのかと、光栄に思っています。私は、「日本アンリーファーブル会」というNPOを色々な目的で立ち上げました。一つは、標本を集めることです。私が若い頃は、日本に実物の標本が無く、外国の図鑑で勉強するしかありませんでしたので、あこがれの標本を集めるようにしました。もう一つは、ファーブルの思想を子供たち広めること、知ってもらうことです。採集会に子供を連れて行くとか、標本製作教室に来てらう活動を行っております。ただし、子供たちは5~6年生ともなれば、受験勉強などで忙しいようで、標本教室などにもなかなか参加しなくなってしまいます。塾などには行きますが、本はあまり読まなくなっているようです。このような時代ですが、今後も、ファーブル昆虫館「虫の詩人の館」の活動を通じて、海外にも劣らない昆虫標本・文献の収集や子どもたちへの自然科学教育の啓発のためにお役に立てればと考えております。」

 
【贈賞理由:児童文化賞選考委員会】

「子どものころから虫に魅せられ、長じてフランス文学者となった奥本 大三郎氏は、30年の歳月をかけて昨年ついに『完訳版ファーブル昆虫記』(全10巻20冊)の大著を完成するという歴史的な偉業を成し遂げた。その間、『ジュニア版ファーブル昆虫記』(全8巻)を刊行するなど、子どもたちにファーブルの世界を紹介しながら虫の生態の不思議さや面白さを伝えるとともに、ファーブル昆虫館「虫の詩人の館」を開館し、自ら館長として様々な企画と運営に関わり続けている。このような活動を通して、子どもたちに自然の素晴らしさと虫たちが暮らせる環境の大切さや科学的思考の楽しさと必要性を伝え続けている。これらの功績が高く評価されて今回の贈賞となった。」

 
【参考:第48回JXTG音楽賞】
「第48回 JXTG音楽賞・邦楽部門」には、歌舞伎における長唄の中心的な音楽家であり、長唄三味線の代表的な音楽家として長唄界を牽引している功績を称えて、杵屋勝国さん(長唄 三味線方)が受賞しました。

「第48回JXTG音楽賞・洋楽部門」(本賞)には、作曲だけでなくホール等の事業、関連団体の役職、著作、メディアなどを通じて、日本の音楽活動の健全な発展に大きく寄与して来た、池辺晋一郎さん(作曲)が受賞しました。

「第48回 JXTG音楽賞・洋楽部門」(奨励賞)には、日本を代表するクラヴィーア奏者であり、フォルテピアノという古楽器の名演奏家としても広く知られ、バロックから近・現代まで幅広いレパートリーで演奏活動を行うなど、その功績に対して、小倉 貴久子さん(フォルテピアノ)が受賞しました。

「第53回JXTG児童文化賞」「第48回 JXTG音楽賞」表彰式

「第53回JXTG児童文化賞」「第48回 JXTG音楽賞」表彰式

 

JXTG児童文化賞について

JXTG児童文化賞は、1966年に創設。日本の児童文化の発展・向上に大きく貢献した個人または団体に贈られる賞です。童画家、教育者、写真家、児童文学作家、子供新聞の編集者、ミュージカル主宰者など、さまざまな分野で児童文化に貢献された方々の中から受賞者が選ばれています。

賞創設のきっかけは1963年に遡ります。この年、当時のモービル石油創業70周年記念行事として、赤い馬をテーマにした創作童話を一般公募したところ、3,461点もの応募がありました。川端康成、波多野勤子、壷井栄、坪田譲治、藤田圭雄、筒井敬介の六氏により審査が行われた結果、福永令三さんの「十二色のクレヨン」が特選に選ばれました。
特選を含めた入選作を収録した童話集『赤馬物語』を全国の小学校へ寄贈したところ、教育界や児童文学界より大きな反響があったことから、対象分野を児童文化全般に広げ、全国的に著名な活動から地域の活動まで幅広く受賞者を選ぶようになりました。

 

完訳 ファーブル昆虫記 第1巻 上
聖なる虫、スカラベはなぜ糞を転がすのか?

読み継がれる昆虫の叙事詩、待望の完訳版!
虫の詩人・ファーブルが著した昆虫自然科学の古典がファーブルの第一人者・奥本大三郎の解りやすい翻訳でよみがえる。詳細な脚注、訳注、細密な昆虫イラスト、美しい写真口絵が充実。

 
【関連】
児童文化賞・音楽賞|CSR|JXTGホールディングス

 


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