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『「科学的」は武器になる』新型コロナ、フェイクニュース、原発事故、…不安な時代に、「ぶれない軸」で判断するためのメッセージ

早野龍五さん著『「科学的」は武器になる―世界を生き抜くための思考法―』

早野龍五さん著『「科学的」は武器になる―世界を生き抜くための思考法―』

東京大学名誉教授で世界的物理学者、早野龍五さん初の単著『「科学的」は武器になる―世界を生き抜くための思考法―』が、新潮社より刊行されました。

 

いま私たちに必要な<これからの教養>

本書の著者・早野龍五さんは、世界最大の物理学実験施設で「宇宙誕生の謎」を研究してきた世界的物理学者です。さらに2011年の福島第一原発事故以降、Twitterでの独自の情報分析が注目を集め、またたく間に人びとに知られる存在となりました。現在も約13万人のフォロワーがおり、「科学者によるSNS発信」のパイオニアでもあります。

東大を定年退職後「ほぼ日」サイエンスフェローに就任し、科学的思考とビジネスをかけ合わせたプロジェクトを牽引するなど、異色のキャリアを歩んでいます。

 
早野さん初の単著となる今回の書籍は、早野さんがこれまでの人生を振り返り、核となる「科学的思考」をひも解く一冊です。

最先端の研究、SNSでの発信、企業へ関わり…具体的なエピソードを元にまとめられた世界を生き抜くための思考法は、読者の視野を広げ、ビジネスや組織運営にも役立つ、新しい発想の源泉になるものです。世界的な科学者はなぜ研究室を飛び出し、世間を奔走することになったのか。そして培った科学的思考をいかに新しい仕事に活かしているのか、明らかにします。

 
さらに、早野さんが先の見えない研究を続けるなかで培った「ぶれない軸」は、あらゆる出来事についてデマと陰謀論が飛び交う現代で、本質を見抜くための「思考の羅針盤」と言って過言ではありません。全く未知の新型コロナウィルスが猛威を振るい、根拠のない情報が飛び交う今こそ、胸に響く内容となっています。

 
【推薦コメント】

「世界に通じるリベラルアーツ思考を目指す人に向けて、科学者が自分を曝け出してくれた。」――村上憲郎さん(元Google米国本社副社長)

「真摯に社会と向き合った、多才な物理学者の証言」――小林誠さん(2008年ノーベル物理学賞受賞)

「「有益か」より「面白いか」が科学を進める。未来の世代の必読書」――ブレイディみかこさん(ライター、コラムニスト)

 

本書の構成

はじめに 科学という羅針盤
科学者は“答え”を知っている人?
「世界」から「世間」へ移って分かったこと
共通するプロの仕事――プロジェクトを率いる、情報を発信する、人を育てる
科学的思考を軸に判断する

第1章 世界への扉――松本
顕微鏡から見えた「もうひとつの世界」
機械はまず自分でいじる
100点よりも上の領域――ヴァイオリンとの出会い
アメリカ演奏旅行の衝撃
「世界にライバルがどれだけいるか考えなさい」

第2章 「自分でやる」を叶える土台――アメリカ~カナダ
遊び道具はコンピュータ
「研究は自分でやるもの」――楽しそうに放任する恩師
1973年の放射能汚染
ノーベル賞学者をファーストネームで呼ぶ風土
宇宙の始まりを知る装置
“置き去り”が人を育てる
偶然生まれた出世作の博士論文

第3章 人がやらないことを見つける――つくば
アマチュアの心で、プロの仕事をする
くすぶる科学者――残り続けた「医師」への思い
「役に立つ学問」とはなにか?
僕が見つけた日本最初のハッカー
東京大学歌舞伎ゼミ
科学者のチーム論――いきなりプロジェクトリーダーに

第4章 枠の外からエサを狙う生き方――ジュネーヴ
研究にもマネジメントが必要だ(あと炊事係も)
その名は「ASACUSA(アサクサ)」――CERN研究所
科学は間違えるが、いずれ「間違っていた」と必ず分かる
「おもしろい」で人を説得する覚悟
基礎物理定数をちょっと書き換えた
goal-orientedか、curiosity-drivenか
科学は科学者たちのバトンリレー

第5章 社会のための科学者――福島
2011年3月11日、科学者の「発信」が始まった
そのデータは「普通の人」にとってどんな意味があるか?
つぶやかない一線、政治との距離のとり方
「科学技術コミュニケーション」に思うこと
内部被ばくという新たな問題
給食を測ろう、赤ちゃんを測ろう
“科学的に意味がない調査”をする社会的意味
学校教育だからできること――福島高校の授業から
その時、僕は59歳だった

第6章 科学者の「仕事」――東京
ヴァイオリン修業、再び
「音楽」と「教育」を科学したら?
早期教育論に思うこと――「モノになる」ではなく「人になる」
科学者、ほぼ日に入社する
歌舞伎ゼミ、復活
「カリスマ創業者」の後をどうするか?
科学的な思考と経営

おわりに ぶれない軸で世界を歩め
原発事故10年、コロナ禍の科学と社会
国際物理オリンピックと理系教育のいま
「文学部物理学科」――知の理想のかたち

 

著者プロフィール

著者の早野龍五(はやの・りゅうご)さんは、1952年生まれ。東京大学理学部物理学科、同大学院理学系研究科修了。物理学者。東京大学名誉教授、スズキ・メソード会長、株式会社ほぼ日サイエンスフェロー。

1998年井上学術賞(準安定シグマハイパー核と長寿命反陽子ヘリウム原子の研究)、2008年仁科記念賞(反陽子ヘリウム原子の研究)、2009年中日文化賞(反陽子ヘリウム原子の発見と研究)を受賞。2011年3月以降、福島第一原子力発電所事故に関してTwitterから現状分析と情報発信を行い、福島の放射線調査に大きな役割を果たした。

 

「科学的」は武器になる 世界を生き抜くための思考法
早野 龍五 (著)

ビジネスにも、教育にも効く!
コロナ、原発事故、フェイクニュース……
「ぶれない軸」で判断するための〈新・教養〉

スイスを拠点に「反物質」の研究を行ってきた世界的な物理学者は、2011年の福島第一原発事故以降、Twitterでの独自の情報分析・発信によってまたたく間に人びとに知られる存在となる。
最先端の研究と、一般の人々への発信。一見、両極に位置するかに見えるこれらの活動を貫いていたのは、「科学的思考」という軸だった。
世界的科学者はなぜ研究室を飛び出し、世間を奔走することになったのか? そして東大退官後、「ほぼ日」に入社した彼は、どのように科学的思考をビジネスに活かしているのか。
あらゆる出来事について流言と陰謀論が飛び交う不安な時代に、これからの世界を生き抜くための「思考の羅針盤」とは――。

Twitterフォロワー約13万人!
「科学者によるSNS発信のパイオニア」が授ける、いま私たちに必要な“考え方”

 


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