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『悪文・乱文から卒業する 正しい日本語の書き方』言いたいことが伝わる文章を書くコツは?

スクール東京・著『悪文・乱文から卒業する 正しい日本語の書き方』

スクール東京・著『悪文・乱文から卒業する 正しい日本語の書き方』

スクール東京は書籍『悪文・乱文から卒業する 正しい日本語の書き方』を、ディスカヴァー・トゥエンティワンより刊行しました。

 
身近に、文章がとても上手に書ける人はいませんか? しかも、その人がサラリと短時間で書き上げてしまうのを目の当たりにすると、そもそも持って生まれた能力が違うのでは、とさえ思ってしまいます。

しかし、上手な文章を書く能力は、限られた人だけに備わったものではありません。正しい文章の書き方を学びつつ、毎日書き続けて、量をこなせば、誰でも文章のセンスを磨くことができるのです。

本書では、司法試験や医師国家試験などの個別指導で、抜群の実績を誇る「スクール東京」で指導されている、文章の書き方の極意が177項目公開されています。項目の一つひとつが単純明快で、あらゆる問題に対応できる構成になっているのがとても便利です。

ここでは、文章を書くための心構え、やってしまいがちな失敗など、内容の一部を紹介します。

 

良い文章は、清潔でなければいけない

文章を書くときに、気をつけなければいけないポイントとして、「清潔で」「面白く」「やさしく」「有意義」の4点あります。

 
「清潔で」とは、文字通り見た目が清潔であること。内容的にも、品がなければいけません。これは、すべての表現の大前提と言えます。
「面白く」とは、独自の視点があること。
「やさしく」とは、分りやすいということ。
「有意義」とは役立つ内容であることです。

しかも、その順序が重要で、「有意義」を最初のポイントにしてしまうと、読みにくくなってしまいます。また、どんなに「有意義」な内容であっても「清潔で」ないと読んでもらうのは難しくなってしまいます。

 

人生観が6割、情報とテクニックが4割の比率が、うまい文章を生み出す

人の目に触れる文章は「氷山の一角」であって、その一角を支えているのが、書き手の人生観や情報、テクニックなどになります。

 
人生観とは、「自分にとって、大切なものは何か」ということ。ここがしっかりしていないと、読み手に伝わる文章は書けません。テクニックだけでは限界があるのです。

6割の人生観と、4割の情報とテクニックという比率が、うまい文章の秘訣といえます。

 

決まり文句を、使い過ぎない

常とう句を安易に使うと、かえって印象に残らない場合があります。

◎首を長くして待つ ⇒ 期待して待つ
◎芋を洗うような混雑 ⇒ 大変な混雑
◎うれしい悲鳴をあげた ⇒ 非常に喜んだ
◎幕が切って落とされた ⇒ 始まった

以上のような常とう句よりも、右側の素直な表現の方が、うまく伝わることがあります。

 

回りくどい表現ではなく、率直な表現をする

◎そうしなければならないわけでもない ⇒ そうしなくてもよい
◎生産性が低いともいえるかもしれない。しかし、場合によっては、いちがいにそうともいえない ⇒ 生産性が低い場合もある
◎違法性を阻却する事由 ⇒ 合法である理由

以上のような回りくどい表現は意味が伝わりにくく、書くスペースもムダになってしまいます。

 

副詞句の係りを、明確にする

まず、以下の文章を読んでください。

 
「23日の朝8時半ごろ、大阪駅前にあるA銀行の夜間金庫が何者かによって壊され、現金がそっくり盗まれているのを出勤してきた支店長が見つけ、110番通報した」

 
この文章の悪いところは、「23日の朝8時半ごろ」が「壊され」「盗まれている」「出勤してきた」「見つけ」「通報した」のどれに係るのかはっきりしない点です。110番通報した時間であれば、その直前に記入されなければなりません。

 

「ら抜き言葉」「二重敬語」「敬称の重複」に気をつける

昨今目立つのが「ら抜き言葉」。テレビでは、時々、「ら抜きコメント」を訂正するテロップが入ることがあります。

×食べれない ⇒ ○食べられない
×来れますか ⇒ ○来られますか

 
「二重敬語」文章がくどく、こびた印象になってしまいます。

×お風邪などお召しになられませんよう ⇒ ○お風邪などお召しになりませんよう
×おっしゃられた ⇒ ○おっしゃった

 
「尊称の重複」かえって失礼になってしまいます。

×中山次郎社長様 ⇒ ○中山次郎社長、社長 中山次郎様
×関係各位殿 ⇒ ○関係各位

 

本書の目次

第Ⅰ章 まずはここから!文章上達のための心構え

第II章 覚えておきたい!日本語の文章作法

第III章 やってはいけない!日本語の書き方

第IV章 もう迷わない!日本語表記の原則

第V章 いまさら聞けない!日本語文法

 

スクール東京について

スクール東京は、2009年に司法試験・予備試験を専門とする個別指導予備校として設立された。その後、医師国家試験の小論文指導も実施。2010年3月、既存のマスプロ予備校とは一線を画した、きめ細やかな講義を目指し、「個別指導」「少人数制ゼミ」の常設教室を、東京・四谷に開校。

「武藤流 超速! 予備試験合格講座」「司法試験論文合格講座」「スク東メソッド」「新・成川ゼミ」「日本文章術検定講座」や「個別指導」も人気があり、質を重視した“本格派のスクール”と評価されている。

 

悪文・乱文から卒業する 正しい日本語の書き方
累計20万部のベストセラーが増補改訂で待望の復刊!

<本書の対象と特色>
1まず、本書では、主にビジネス・パーソンを対象にした。
報告書、会議録、業務日報や社内試験など、ビジネス・パーソンは、常に基礎的な文章力を必要とされる。それなのに、多くの場合、自己流で適当に書いてしまっている。また、ウェブ上で使われている文章にも、乱れが多い。
この本では、仕事を進めるにあたって求められる、最低限の文章力が得られるように工夫した。そのため、表記法、避けるべき表現や文法の知識など、文章についての項目を細かく分解して説明した。

2したがって、中学生、高校生をはじめ、大学生、大学院生や国家試験の受験生などに対しても、入学試験や就職試験、また、レポートや論文の作成などで、本書のルールは十分に役立つものである。

3また、私的なハガキや手紙などを書くときにも、大いに参考にできる内容にした。
つまり、この本は、小説・詩歌以外のすべての文書に共通するルールを網羅したものである。
よい文章を書くための一般的なルールについては、第I章の記述に譲るが、いちばん大切なポイントを示しておこう。

それは、「よい文章とは、分かりやすく、簡潔な文章」ということである。
文書で細かく説明したことは、すべてこの一点につながるといってもよい。

「分かりやすく、簡潔な文章」の内容は、
(i)主題が明確であること(ii)間違いがなく正しいこと(iii)言いたいことがズバリと端的に表現されていることである。
「そのような文章は、自分には書けない」と思われるかもしれない。
しかし、普段、仕事上の文書、また、レポート・論文や手紙などを書くにあたって、本書のルールを参考にしてもらえば、必ず「分かりやすく、簡潔な文章」が書けるようになる。

「文章はセンスだ」と言う人がいる。その意見にも、一理ある。
しかし、小説や詩歌の類ではなく、ビジネス文書やレポート・論文・手紙などでは、とにかく毎日書いて量をこなすことが大切だ。たくさん書くうちに、よい文章の法則が自分なりにつかめてくる。「センス」も、その過程で自然に磨かれてくる。

 


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