「第40回野間文芸新人賞」候補作が発表 金子薫さん、木村紅美さん、古谷田奈月さん、乗代雄介さん、町屋良平さんの計5作品
講談社は10月2日、第40回野間文芸新人賞の候補作5作品を発表しました。
最終結果の発表は11月5日の予定です。なお、当日は野間文芸賞、野間児童文芸賞も同時に発表されます。
「第40回野間文芸新人賞」候補作品
第40回野間文芸新人賞の候補作品は、次の5作品です。
【第40回野間文芸新人賞 候補作品】
●『双子は驢馬に跨たがって』(金子薫さん/河出書房新社)
●『雪子さんの足音』(木村紅美さん/講談社)
●『無限の玄/風下の朱』(古谷田奈月さん/筑摩書房)
●『本物の読書家』(乗代雄介さん/講談社)
●『しき』(町屋良平さん/河出書房新社)
野間文芸新人賞について
野間文芸新人賞は、講談社初代社長・野間清治さんの遺志により設立された財団法人野間文化財団が主催。純文学の新人に与えられる文学賞です。
受賞者には、正賞として賞牌、副賞として100万円が贈られます。
「アメトーーク!」読書芸人特集・光浦靖子氏紹介でブレイク! 独自の世界観で大注目の気鋭が描く、双子と驢馬の荒唐無稽な冒険譚。
いつ何処ともしれぬ森の中のペンション―。オーナーなる人物に監禁された父と子は、双子が驢馬に乗って助けにくるのを信じて待ち続けていた。双子が辿るであろう道のりを地図に描き物語を紡ぎあげ、時に囲碁を打ちながら、父子はこの不条理の中、辛うじて精神の均衡を保っていた。いっぽう生まれつき旅と救済を宿命づけられた双子の少年少女は、驢馬ナカタニを得て旅立つが、行く先々で寄り道ばかり。畜獣の如く蹂躙されている人々がいるという噂を聞きつけ、二人は意気揚々と救出に向かうが―一通の手紙が二つの世界を繋ぐ時、眩い真実が顕れる。
雪子さんの足音
東京・高円寺の家賃5万円のアパート月光荘。「サロン」と名付けた居間を下宿人に開放して食事や小遣いまで世話を焼くひとり暮らしの大家・雪子さんと、大学3年生の薫と、同い年のOL小野田さん。微妙なバランスで3人の関係は続いていたが…。第158回芥川賞候補作!
無限の玄/風下の朱 (単行本)
第31回三島賞受賞作「無限の玄」
第159回芥川賞候補作「風下の朱」
W収録! 超弩級の新星が放つ奇跡のカップリング小説集
死んでは蘇る父に戸惑う男たち、魂の健康を賭けて野球する女たち――
清新にして獰猛な赤と黒の物語はいまスパークする!
<第31回三島賞受賞作「無限の玄」選評>
ありえない物語を語るための敷居は低く設定されていて、秀逸な細部とエピソードが重なり、連なるうちに我々はいともたやすくちょっと歪んだ宙間に遊ぶことができる。
小説を支える思想は柔軟で、かつ揺るぎがない。作者はこのような文体をどこで手に入れたのだろう。
――辻原 登(第31回三島由紀夫賞選考委員)
受賞作の『無限の玄』は、その文体の閃きと余韻に達者なものを感じた。
各々の登場人物にも個性があり、父親が何度も生き返るという幻想的な設定も、彼らの反応を通じて一層、効果的となった。
野心的ではあるが、あまりに未整理だった前候補作『リリース』と比すれば、長足の進歩であり、設定を絞り込むことで、通念的な家族制度への懐疑という著者の主題は、各段に洗練された。
――平野啓一郎(第31回三島由紀夫賞選考委員)
本物の読書家
書物への耽溺、言葉の探求、読むことへの畏怖。
群像新人文学賞受賞作『十七八より』で瞠目のデビューを遂げた、新鋭にして究極の読書家、待望の新刊!
傑作中編2作品を収録。
老人ホームに向かう独り身の大叔父に同行しての数時間の旅。大叔父には川端康成からの手紙を持っているという噂があった。同じ車両に乗り合わせた謎の男に、私の心は掻き乱されていく。大変な読書家らしい男にのせられ、大叔父が明かした驚くべき秘密とは。――「本物の読書家」
なりゆきで入った「先生」のゼミで、私は美少女・間村季那と知り合う。サリンジャー、フローベール、宮沢賢治らを巡る先生の文学講義、季那との関係、そして先生には奇妙な噂が……。たくらみに満ちた引用のコラージュとストーリーが交錯する意欲作。――「未熟な同感者」
しき
高2男子、モニター越しにきらめく春夏秋冬……未来なき青春を突破するために、いま、彼は「踊ってみた! 」
――気鋭の文藝賞受賞作家が描く、「恋」と「努力」と「友情」の超進化系青春小説。
消去法で秋を選んできた自分に突きささった。
町屋良平が好きすぎる。
──尾崎世界観氏、推薦!
特技ナシ、反抗期ナシ、フツーの高校二年生・星崎。「かれ」が夜の公園でひとり動画を流して練習する“テトロドキサイザ2号踊ってみた”。夢もなければ特技もない、クラスの人気も興味ない―そんなある日、河原で暮らす友人・つくもから子どもができたと打ち明けられて…。
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▼第40回野間文芸新人賞候補作品のお知らせ〔PDF〕