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【吉川英治賞】藤田宜永さんの『大雪物語』に決定 文庫賞には今野敏さんの「隠蔽捜査」シリーズ

2017年度の吉川英治賞の各賞が3日、発表されました。

第51回吉川英治文学賞は藤田宜永さんの『大雪物語』(講談社)に決定、第2回吉川英治文庫賞には、今野敏さんの「隠蔽捜査」シリーズ(新潮文庫)が、第38回吉川英治文学新人賞には、本城雅人さんの『ミッドナイト・ジャーナル』(講談社)と宮内悠介さんの『彼女がエスパーだったころ』(講談社)が、それぞれ選ばれています。

 
また、日本の文化活動に著しく貢献した人物・並びにグループに対して贈呈される第51回吉川英治文化賞は、臼井二美男さん(スポーツ用義足の第一人者として障害者に「走る喜び」を提供する)、中本忠子さん(40年近く、家庭環境に恵まれない子どもたちに食事と団らんの場を提供する)、藤井製桶所(大桶づくりを続ける日本唯一の町工場は、日本の伝統的な味をも守る)が受賞しています。〔カッコ内は受賞理由〕

 
吉川英治文学賞は、公益財団法人「吉川英治国民文化振興会」が主催し、講談社が後援する文学賞です。大衆小説を対象に、1967年に創設。受賞者には正賞として賞牌、副賞として300万円が授与されます。文庫賞および新人賞には賞牌と副賞100万円がそれぞれ授与されます。

ちなみに、賞の前身は、吉川英治さんの寄付金をもとに1962年2月に創設された「吉川英治賞」で、主催は毎日新聞社でした。1966年に吉川英治国民文化振興会が設立され、賞の運営が毎日新聞社から吉川英治国民文化振興会と講談社に移管されています。

 
なお、今回の各賞の選考委員は次の方々です。

・第51回 吉川英治文学賞
  浅田次郎さん、五木寛之さん、北方謙三さん、林真理子さん、平岩弓枝さん、宮城谷昌光さん

・第2回 吉川英治文庫賞
  各出版社の代表者(各社1名)・識者・書店員等 合計51名

・第38回 吉川英治文学新人賞
  伊集院静さん、大沢在昌さん、恩田陸さん、京極夏彦さん、高橋克彦さん

・第51回 吉川英治文化賞
  阿川佐和子さん、出久根達郎さん、堀田力さん、柳田邦男さん、吉川英明さん

 

大雪物語
ある冬、N県K町が観測史上初の99センチという豪雪に見舞われる。町民をはじめ観光客、仕事のため車でK町に訪れた人々は、駅や車中など長時間足止めを余儀なくされた。町、県、国レベルの除雪作業も追いつかず、町の深刻な状況から災害救助法が適用され、自衛隊の派遣も要請される。そんな非日常のさなか、紡がれる6つのストーリー。避難所を設ける花屋、車に閉じ込められた人たちの救済支援にあたる自衛隊員、独居老人を救った青年の過去など「冷たいからこそ、人はより一層心を温かくさせる」
著者みずからの罹災体験を基に、家族、男女を描く珠玉の六編です。

 
ミッドナイト・ジャーナル
「被害者女児死亡」―世紀の大誤報を打ち、飛ばされた3人の記者。7年後、児童連続誘拐事件が発生する。さいたま支局の関口豪太郎はかつての事件との関連性を疑い、本社の遊軍記者・藤瀬祐里は豪太郎の応援に合流し、整理部員となった松本博史は冷めた目で静観する。警察も、目撃者も、記者も上司も嘘をつく。しかし豪太郎は、絶対に諦めない。記者歴20年の著者が書き下ろす感動の社会派エンタメ!!

 
彼女がエスパーだったころ
進化を、科学を、未来を――人間を疑え!百匹目の猿、エスパー、オーギトミー、代替医療……人類の叡智=科学では捉えきれない「超常現象」を通して、人間は「再発見」された――。デビューから二作連続で直木賞候補に挙がった新進気鋭作家の、SFの枠を超えたエンターテイメント短編集。

 
隠蔽捜査 (新潮文庫)
竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。その朴念仁ぶりに、周囲は〈変人〉という称号を与えた。だが彼はこう考えていた。エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。警察小説の歴史を変えた、吉川英治文学新人賞(2006年)受賞作。

 
【関連】
吉川英治文学賞 ・吉川英治文庫賞・ 吉川英治文学新人賞 ・ 吉川英治文化賞 : 講談社

 


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