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作家・猪瀬直樹さん著作集『日本の近代』全16巻を電子書籍で配信開始

作家・猪瀬直樹さん著作集『日本の近代』全16巻を電子書籍で配信開始

作家・猪瀬直樹さん著作集『日本の近代』全16巻を電子書籍で配信開始

小学館は、作家・猪瀬直樹さんが1980年代から2000年代にかけて発表した作品を中心に、全16巻の電子著作集『猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」』の配信を開始しました。

 

作家・猪瀬直樹さんの集大成!『日本の近代』全16巻を電子書籍で配信!

『日本の近代』の配信開始は、2018年8月3日。第一期7巻として、『構造改革とは何か――新篇 日本国の研究』『ペルソナ』『ミカドの肖像』などをリリースしました。今後、10月5日には第二期5巻、12月7日に第三期4巻を配信する予定です。

 
今年5月、猪瀬直樹さん(71)は女優で画家の蜷川有紀さん(57)との婚約を発表。大きな話題となりました。その、猪瀬さんが作家として確固たる地位を築いたのは、1986年に小学館から刊行した『ミカドの肖像』(大宅壮一ノンフィクション賞受賞作)です。蜷川さんも出会いの前に読んでいた作品の一つにあげています。

70歳を超えて旺盛な執筆活動を続ける猪瀬さんですが、若き日に心血を注いできたこれらの作品群は、いずれも「日本の近代」をテーマにしたものでした。
そのエッセンスは、2001年から2002年にかけて刊行された書籍版『「日本の近代」猪瀬直樹著作集』全12巻(小学館)に結実します。

この書籍版各巻の巻末には「解題」があります。各タイトルの初出時に寄せられた、そうそうたる書き手による書評や対談記事などが収録されており、昭和から平成へと移る時期に、猪瀬作品がどのように位置づけられてきたのかを、あらためて概観することができるのです。

今回配信を開始した「電子著作集」にもこの「解題」が収録されています。たとえば『構造改革とは何か――新篇 日本国の研究』(1巻)には、「文庫版解説 竹中平蔵」「小泉純一郎との対話」、『ペルソナ――三島由紀夫伝』(2巻)には、「文庫版解説 鹿島茂」「吉本隆明との対話」などを掲載しています。

 
そしていま平成時代の終わりを控え、この作品群は電子書籍でも読めるようになります。
中でも『ミカドの肖像』(5巻)や『天皇の影法師』(10巻)は、天皇制と日本の近代を問い直す必読作品となっています。
また、書籍版の著作集刊行後に発表された4タイトルを、電子著作集に収録することにより、全16巻の構成となりました。

 

猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」全16巻タイトル

【第一期配信】 2018年8月3日(金)
1 構造改革とはなにか――新篇日本国の研究
2 ペルソナ――三島由紀夫伝
3 マガジン青春譜――川端康成と大宅壮一
4 ピカレスク――太宰治伝
5 ミカドの肖像
6 土地の神話
7 欲望のメディア

【第二期配信】 2018年10月5日(金)
8 日本人はなぜ戦争をしたか――昭和16年夏の敗戦
9 唱歌誕生――ふるさとを創った男
10 天皇の影法師
11 日本凡人伝
12 黒船の世紀――ガイアツと日米未来戦記

【第三期配信】 2018年12月7日(金)
13 道路の権力
14 道路の決着
15 二宮金次郎はなぜ薪を背負っているのか?―人口減少社会の成長戦略
16 ジミーの誕生日――アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」

価格:1~12巻は1,000円+税、13~16巻は600円+税。
底本:1~12巻『「日本の近代」猪瀬直樹著作集』(小学館)、13~16巻 同名書(文春文庫)※16巻は「東條英機処刑の日」を改題。

 

猪瀬直樹さん プロフィール

撮影:渡辺達生さん

撮影:渡辺達生さん

著者の猪瀬直樹(いのせ・なおき)さんは、1946年長野県生まれ。作家。

1983年に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『日本凡人伝』を上梓し、1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。

評伝小説に『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』『マガジン青春譜 川端康成と大宅壮一』『こころの王国 菊池寛と文芸春秋の誕生』がある。

『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞を受賞。2001年10月より「『日本の近代』猪瀬直樹著作集」全12巻を小学館から刊行する。

2002年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。その戦いの軌跡は『道路の権力』『道路の決着』に詳しい。2006年に東京工業大学特任教授。2007年に東京都副知事、2012年12月に都知事。2013年12月辞任。2015年12月より大阪府市特別顧問。他に『東京の副知事になってみたら』『救出――3・11気仙沼 公民館に取り残された446人』『民警』などがある。

近著に2015年7月『戦争・天皇・国家』(田原総一郎さんとの共著)、2017年1月『東京の敵』、2017年9月『国民国家のリアリズム』(三浦瑠麗さんとの共著)、2017年11月『明治維新で変わらなかった日本の核心』(磯野道史さんとの共著)、2018年5月『ここから始まる』(蜷川有紀さんとの共著)、2018年6月『平成の重大事件』(田原総一郎さんとの共著)がある。

 
★Twitterでは、猪瀬直樹作品をつぶやくbotが始まりました。

 

猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第1巻 構造改革とはなにか 新篇 日本国の研究
日本の官僚システムに大きく切り込んだ記念碑的作品。道路公団改革の原点。

収録作の「構造改革とはなにか」は、日本の官僚システムに大きく切り込んだ記念碑的作品。著者は、日本政治の構造欠陥を見抜き、本書がきっかけとなって道路公団改革に深く関わっていく。

本書前半は書籍『日本国の研究』(1997年3月文藝春秋刊行)。後半には後に執筆された「増補 公益法人の研究」を収録した。附録に、著者による「日本道路公団分割民営化案」。

巻末の「解題」には、「小泉純一郎との対話」(『文藝春秋』1997年2月号初出)を収録。対談時、第二次橋本内閣の厚生大臣であった小泉氏と、官僚機構の問題点と行革について論じている。ほかに、小泉内閣で経済財政・金融担当大臣を務めた竹中平蔵氏が『日本国の研究』文庫版(文春文庫1993年刊)に寄稿した解説文。猪瀬自身がのちに発表した関連記事「小泉『新』首相に期待すること」(『週刊文春』2001年6月21日号初出)、「官僚『複合腐敗』は五十年周期で来る」(『文藝春秋』2000年5月号初出)。さらに、著作集編集委員の一人である鹿島茂氏との対談「知の“十種競技”選手として」など、多くの関連原稿や、雑誌・新聞に掲載された書評などを多数収録。

 


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