芥川賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』の若竹千佐子さんが「孤独」と「老い」の新境地を語る
電子書籍ランキングサイト「電子書籍ランキング.com」は、3月23日に第158回芥川賞を『おらおらでひとりいぐも』で受賞した若竹千佐子さんのインタビュー記事を公開しました。
「孤独」と「老い」の新境地を語る 芥川賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』 著者・若竹千佐子さんインタビュー
「あいやぁ、おらの頭このごろ、なんぼがおがしくなってきたんでねえべが」
訛りの強い遠野弁の一節から始まるこの作品は、今年1月に発表された、第158回芥川賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』。著者・若竹千佐子さんは63歳にして芥川賞に輝き、史上2番目の高齢受賞者となりました。
著者が織りなす折々の言葉は、読者の心をわしづかみにしました。先月9日には、遂に50万部を突破。半世紀を経て、念願の”作家デビュー”を果たした、著者・若竹千佐子(わかたけ・ちさこ)さん。
なぜ、この作品はベストセラー成り得たのか。どのような思いで執筆していたのか。電子書籍ランキング.comが、『おらおらでひとりいぐも』著者・若竹千佐子さんにインタビューを行いました。
<以下、インタビュー記事の一部抜粋です。>
―― 芥川賞受賞おめでとうございます。周囲の方の反応はいかかですか?
若竹さん:予想以上の反応です。読者の方からは、ずっと家に置いておきたい本だと言っていただきました。私と同世代の方なら、共感をされるというのは分かるんです。しかし、それ以外の方、特に30代や40代の方に共感して頂けたのはびっくりです。作品を好意的に読んで下さるのは、嬉しいですね。
芥川賞を受賞した後は、『おらおらでひとりいぐも』を知っている人が格段に増えたと感じました。周囲からの扱いもこれまでと違っているような気もしました(笑)。近所の方に挨拶されたり、長らく会っていない知人から自宅に電話が掛かってきたり。本当に芥川賞は凄いなあって(笑)。
―― メディアへの露出も増え始めていますよね。初めてのメディア出演は、『久米宏 ラジオなんですけど』(TBSラジオ)だったそうですね。
若竹さん:久米さんが初めてでした。
担当編集:『おらおら』が発売されて間もない11月24日の久米さんのラジオが、初めてのメディア出演です。
※インタビュー記事の続きは、https://goo.gl/JKNGfg をご覧ください。
若竹千佐子さん プロフィール
若竹千佐子(わかたけ・ちさこ)さんは、1954年、岩手県遠野市生まれ。
遠野で育ち、子どもの頃から小説家になりたいと思っていた。岩手大学教育学部卒業後は、臨時採用教員として働きながら教員採用試験を受けるが、毎年ことごとく失敗。目の前が真っ暗になるほど落ち込む中で夫と出会い、結婚。
30歳で上京し、息子と娘の二児に恵まれる。都心近郊の住宅地で子育てをしながら、深沢七郎、石牟礼道子、町田康、河合隼雄、上野千鶴子の本を愛読していた。55歳のとき、夫が突然、脳梗塞で死去。悲しみに暮れ自宅に籠る日々を送っていると、息子から「どこにいても寂しいんだから、外に出たら」と小説講座を勧められ、通いはじめる。
主婦業の傍ら本作を執筆し、2017年、第54回文藝賞を受賞しデビュー。2018年1月、同作で第158回芥川賞を受賞する。
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74歳、ひとり暮らしの桃子さん。
おらの今は、こわいものなし。
結婚を3日後に控えた24歳の秋、東京オリンピックのファンファーレに押し出されるように、故郷を飛び出した桃子さん。
身ひとつで上野駅に降り立ってから50年――住み込みのアルバイト、周造との出会いと結婚、二児の誕生と成長、そして夫の死。
「この先一人でどやって暮らす。こまったぁどうすんべぇ」
40年来住み慣れた都市近郊の新興住宅で、ひとり茶をすすり、ねずみの音に耳をすませるうちに、桃子さんの内から外から、声がジャズのセッションのように湧きあがる。
捨てた故郷、疎遠になった息子と娘、そして亡き夫への愛。震えるような悲しみの果てに、桃子さんが辿り着いたものとは――
青春小説の対極、玄冬小説の誕生!
*玄冬小説とは……歳をとるのも悪くない、と思えるような小説のこと。
新たな老いの境地を描いた感動作。第54回文藝賞受賞作。
主婦から小説家へーー63歳、史上最年長受賞。
◎文藝賞全選考委員絶賛!
「東京オリンピックの年に上京し、二人の子どもを産み育て、主婦として家族のために生き、夫を送って「おひとりさまの老後」を迎えた桃子さんは、戦後の日本女性を凝縮した存在だ。桃子さんは私のことだ、私の母のことだ、明日の私の姿だ、と感じる人が大勢いるはず」
――斎藤美奈子氏
「宮澤賢治「永訣の朝」にある「Ora Orade Shitori egumo」のフレーズ。それを悲しみのうちに死ぬの意ではなく、独り生きていく「自由」と「意欲」に結びつけた。「老い」をエネルギーとして生きるための、新しい文学が生み出された」
――藤沢周氏
「人の気持ちは一色ではないということを、若竹さんはよくぞ?んだ。年を経たからこその、若々しい小説」
――保坂和志氏
「取り返しのつかない命のなかで、個人の自由や自立と、その反対側にある重くて辛いものも含めた両方を受け取って、人生を肯定的にとらえるまでにいたったのが見事」
――町田康氏
◎早くも話題沸騰! 反響続々!
「ほんとはね、ほんとは「独りがいい」。出会いも歓びだが、死別も解放だ。地声で語られた女のホンネが炸裂! 」
――上野千鶴子氏
「死すことのない共同体の言葉。それが支える「老い」の姿に初めて触れた。「頭の中に大勢の人たちがいる」ことは、きっと孤独ではない」
――小林紀晴氏
朝日新聞、読売新聞、産経新聞、東京新聞、共同通信ほか、絶賛の声多数!
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