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【訃報】国文学者・詩人の平岡敏夫さんが死去 筑波大学・群馬県立女子大学名誉教授

国文学者で詩人の平岡敏夫(ひらおか・としお)さんが3月5日、肺不全のため東京都内の病院で死去しました。88歳。香川県出身。葬儀は近親者で行われました。喪主は妻の豊子さんと長男の可奈之(かなし)さん。

 
平岡敏夫さんは、1930年生まれ。1954年、香川大学学芸学部国語科卒業。中学校教諭を経て、1956年に東京教育大学大学院入学、1962年に同博士課程単位取得満期退学。横浜国立大学教授、筑波大学教授、群馬県立女子大学学長などを歴任。専門は北村透谷や夏目漱石をはじめとする日本近代文学研究。筑波大学および群馬県立女子大学名誉教授。

著書に『日露戦後文学の研究』『日本近代文学の出発』『北村透谷研究』『漱石序説』『「坊つちやん」の世界』『石川啄木の手紙』『佐幕派の文学史』『佐幕派の文学』など。詩集に『塩飽』『浜辺のうた』『明治』『蒼空』や、2017年の丸山薫賞で候補作となった『塩飽から遠く離れて』など。

 

日本近代文学の出発 (塙新書)
「武士の文学」(実用)と「町人の文学」(快楽)という近世文学像をとりこみつつ、「ひとつの文学の本躰」を求めて近代文学は出発しようとする。その出発点としても「政治小説」と逍遥以降の「人情世態小説」との光芒の織りなすところを眺め、近代文学の成立期を捉えなおす。

 
塩飽から遠く離れて
戦後80年、塩飽の浜辺の墓原に眠っていたのでありました。 王頭山頂の上の遥か上の蒼空を漂っていたのでありました。 塩飽から遠く離れて。 (「塩飽から遠く離れて」) 〈無名の父・母・姉・弟・妹らを塩飽というトポスのなかで記しておきたい〉という詩人の切なる想いによって、遥かな歴史を抱き 時代の荒波をおおらかに漕ぎわたった塩飽人の姿が鮮やかに記される、新詩集。

 


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