応募者最年長は103歳の男性!「第24回シルバー川柳」入選作品を収録『シルバー川柳14』が刊行
公益社団法人「全国有料老人ホーム協会」が毎年「敬老の日」に向けに公募している「シルバー川柳」の今年の入選作品21作(1作品は新設の有老協賞)が決定しました。
また、今回の入選作21作を含めた傑作川柳を1冊にまとめた、シリーズ累計100万部を突破した『シルバー川柳14 ワシだって財布の中はキャッシュレス 』がポプラ社より刊行されました。
「PayPay」「ロマンス詐欺」…今年も世相を表す名句が勢ぞろい!
今年でいよいよ24回目を迎え、季節の風物詩となりつつある「有老協・シルバー川柳」。今年の応募総数は12,891句と昨年よりも多くの作品が寄せられました。応募者平均年齢65.8歳、最年長は103歳の男性、最年少は10歳(女性)、男女比については今年は男性69.1%、女性30.7%と、昨年に引き続き男性の割合がかなり増えています。
<第23回入選作品> ※順不同、敬称略
〇孫たちに へいへい渡す PayPayで ―― なっち(埼玉県、54歳、女性)
〇食べられん 鰻と寿司は 食べるけど ―― 村松義弘(愛知県、59歳、男性)
〇時短家電 覚えるまでに 長時間 ―― あおちゃん(東京都、51歳、女性)
〇パスワード みんな違って みんなダメ ―― ふでりんどう(神奈川県、62歳、女性)
〇ポイントは 貯まらないのか 医者通い ―― 北鎌倉人(神奈川県、62歳、男性)
〇妻旅行 聞いた途端に 元気でる ―― 一宮幹夫(大分県、77歳、男性)
〇モテ期きた ロマンス詐欺が 押し寄せる ―― わか(静岡県、41歳、女性)
〇納得の 遺影がなくて まだ死ねぬ ―― 吉村幾子(北海道、74歳、女性)
〇見つめてる 考えている あら寝てる ―― 郷園和明(福岡県、68歳、男性)
〇食ったよね 食ったはずだが 何食った ―― 上原弘之(群馬県、70歳、男性)
〇行くトイレ 三時四時五時 次何時 ―― 飯田栄二(福岡県、62歳、男性)
〇孫の友 どの子の名前も 読めません ―― 我楽多(大阪府、85歳、男性)
〇政治家と「記憶にない」を 競ってる ―― 上條直子(東京都、42歳、女性)
〇チャットより ちょっとは俺に 聞いてくれ ―― 角森玲子(島根県、56歳、女性)
〇悪いとこ どこでしたっけと 医者に聞く ―― おたふくまめ(神奈川県、61歳、女性)
〇「出席」に 生きていたらの 但し書き ―― 中川潔(福井県、59歳、男性)
〇平均を 超えそうなのは 寿命だけ ―― 五十嵐豊(埼玉県、55歳、男性)
〇脳だけで いいのに増える 顔のしわ ―― 井川一太郎(東京都、85歳、男性)
〇七回も 転んで起きれる わけがない ―― 相野正(大阪府、74歳、男性)
〇老犬と いたわり合って 散歩する ―― 伊東真(千葉県、69歳、男性)
【有老協賞】
〇春風に 帽子とられて 杖で追う ―― 田すみ江(埼玉県、84歳、女性)【サンシティ熊谷 ご入居者】
◆時事的なキーワードの見事な詠み込み
政治家の答弁で何度も聞かされた「記憶にない」、ニュースなどでよく耳にする「ロマンス詐欺」、社会に浸透しつつある「チャット」「PayPay」といった新しいキーワードを、自身の日常生活とつなげて見事に詠み込んだ作品が数多く寄せられました。
〔入選作〕
政治家と「記憶にない」を競ってる
モテ期きたロマンス詐欺が押し寄せる
チャットよりちょっとは俺に聞いてくれ
孫たちにへいへい渡すPayPayで
◆ユーモアたっぷり、定番の加齢ネタ
もの忘れや病院通いなどシルバー世代の「加齢あるある」をテーマにした川柳は定番中の定番ですが、今年もユーモアあふれる作品がたくさん集まりました。ややもするとネガティブになりがちなテーマを五七五のリズムに乗せて軽やかに詠んだ作品たちは、「老い」なんてどこかに吹き飛ばしてくれそうです。
〔入選作〕
食べられん鰻と寿司は食べるけど
見つめてる考えているあら寝てる
食ったよね食ったはずだが何食った
行くトイレ三時四時五時次何時
悪いとこどこでしたっけと医者に聞く
◆社会の変化へのとまどいも作品に昇華
社会のあちこちでデジタル化が進むなか、日常生活においても対応を余儀なくされる場面が増えています。デジタル弱者が多いとされるシルバー世代ですが、なじみのないことに四苦八苦しながらも、それをしっかり川柳に詠み込んだ楽しい作品も多数寄せられました。
〔入選作〕
時短家電覚えるまでに長時間
パスワードみんな違ってみんなダメ
ポイントは貯まらないのか医者通い
孫の友どの子の名前も読めません
有老協・シルバー川柳とは
有老協・シルバー川柳は、公益社団法人 全国有料老人ホーム協会が、設立20周年記念事業のひとつとして、2001年に公募を開始し、ました。以後、高齢社会・高齢者の日々の生活に関するものであれば題材に制限を設けず、応募資格も一切設けなかったことから全国の幅広い年代層から応募が寄せられています。
シルバー川柳は、超高齢社会を迎えた日本の世相を反映する1つとして定着し、シルバー世代の第二の人生を応援しようと川柳募集を毎年実施しています。
【参考】公益社団法人 全国有料老人ホーム協会について
全国有料老人ホーム協会は、有料老人ホーム利用者の保護と、ホームを設置・運営する事業者の健全育成を図ることを目的に設立された、老人福祉法第30条にも規定されている内閣府認定の公益社団法人です。
シルバー川柳14 ワシだって財布の中はキャッシュレス 公益社団法人全国有料老人ホーム協会 (編集), ポプラ社編集部 (編集) 「来世では探さないでと妻が言う」 物忘れも、医者通いも、はたまたビミョーな夫婦関係も。シニア世代を中心とした、まさに人生の達人たちによる川柳傑作選。お達者パワー全開の、笑えてしみじみ、そして家族で仲間で楽しめる1冊です。 ◆読者のみなさんから寄せられた声 ◆シルバー川柳とは |
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