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芥川賞&直木賞(2024年上半期)候補作が決定 初ノミネートは計7名

日本文学振興会は6月13日、第171回芥川龍之介賞(2024年上半期)および第171回直木三十五賞(2024年上半期)の候補作品を発表しました。

芥川龍之介賞、直木三十五賞ともに、2024年7月17日に都内で選考委員会が開催され、それぞれ受賞作品が決定します。

 

第171回芥川賞 候補作について

第171回芥川賞の候補作は以下の5作品です。

 
【第171回芥川賞 候補作】

◎朝比奈秋(あさひな・あき)さん「サンショウウオの四十九日」(『新潮』5月号)

◎尾崎世界観(おざき・せかいかん)さん「転(てん)の声」(『文學界』6月号)

◎坂崎かおる(さかさき・かおる)さん「海岸通り」(『文學界』2月号)

◎向坂くじら(さきさか・くじら)さん「いなくなくならなくならないで」(『文藝』夏季号)

◎松永K三蔵(まつなが・けー・さんぞう)さん「バリ山行(さんこう」(『群像』3月号)

 
今回、朝比奈秋さん、坂崎かおるさん、、向坂くじらさん、松永K三蔵さんが初ノミネート。尾崎世界観さんは2度目のノミネートとなりました。

 

第171回直木賞 候補作について

第171回直木賞の候補作は以下の6作品です。

 
【第171回直木賞 候補作】

◎青崎有吾(あおさき・ゆうご)さん『地雷グリコ』(KADOKAWA)

◎麻布競馬場(あざぶけいばじょう)さん『令和元年の人生ゲーム』(文藝春秋)

◎一穂ミチ(いちほ・みち)さん『ツミデミック』(光文社)

◎岩井圭也(いわい・けいや)さん『われは熊楠(くまぐす)』(文藝春秋)

◎柚木麻子(ゆずき・あさこ)さん『あいにくあんたのためじゃない』(新潮社)

 
今回、青崎有吾さん、麻布競馬場さん、岩井圭也さんが初ノミネート。一穂ミチさんが3度目、柚木麻子さんは6度目のノミネートとなりました。

 

芥川賞と直木賞について

芥川賞と直木賞は、1935(昭和10)年に制定され、芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られます。

芥川賞は主に無名・新進作家が、直木賞は無名・新進・中堅作家が対象となります。受賞者には正賞として時計、副賞として賞金100万円が授与されます。

 

地雷グリコ
青崎 有吾 (著)

ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説!

射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。
平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。

令和元年の人生ゲーム
麻布競馬場 (著)

「まだ人生に、本気になってるんですか?」
この新人、平成の落ちこぼれか、令和の革命家か――。

「クビにならない最低限の仕事をして、毎日定時で上がって、そうですね、皇居ランでもしたいと思ってます」

慶應の意識高いビジコンサークルで、
働き方改革中のキラキラメガベンチャーで、
「正義」に満ちたZ世代シェアハウスで、
クラフトビールが売りのコミュニティ型銭湯で……

”意識の高い”若者たちのなかにいて、ひとり「何もしない」沼田くん。
彼はなぜ、22歳にして窓際族を決め込んでいるのか?

2021年にTwitterに小説の投稿を始めて以降、瞬く間に「タワマン文学」旋風を巻き起こした麻布競馬場。
デビュー作『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』のスマッシュヒットを受けて、麻布競馬場が第2作のテーマに選んだものは「Z世代の働き方」。

新社会人になるころには自分の可能性を知りすぎてしまった令和日本の「賢すぎる」若者たち。
そんな「Z世代のリアル」を、麻布競馬場は驚異の解像度で詳らかに。
20代からは「共感しすぎて悶絶した」の声があがる一方で、部下への接し方に持ち悩みの尽きない方々からは「最強のZ世代の取扱説明書だ!」とも。
「あまりにリアル! あまりに面白い!」と、熱狂者続出中の問題作。

ツミデミック
一穂ミチ (著)

大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中にはなしかけてきた大阪弁の女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗はーー「違う羽の鳥」  調理師の職を失った恭一は家に籠もりがちで、働く妻の態度も心なしか冷たい。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣の一軒家に住む老人からもらったという。隼からそれを奪い、たばこを買うのに使ってしまった恭一は、翌日得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れるがーー「特別縁故者」  先の見えない禍にのまれた人生は、思いもよらない場所に辿り着く。 稀代のストーリーテラーによる心揺さぶる全6話。

われは熊楠
岩井 圭也 (著)

「知る」ことこそが「生きる」こと

研究対象は動植物、昆虫、キノコ、藻、粘菌から星座、男色、夢に至る、この世界の全て。
博物学者か、生物学者か、民俗学者か、はたまた……。

慶応3年、南方熊楠は和歌山に生まれた。
人並外れた好奇心で少年は山野を駆け巡り、動植物や昆虫を採集。百科事典を抜き書きしては、その内容を諳んじる。洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、広大無辺の自然と万巻の書物を教師とした。
希みは学問で身をたてること、そしてこの世の全てを知り尽くすこと。しかし、商人の父にその想いはなかなか届かない。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡り学問を続けるも、在野を貫く熊楠の研究はなかなか陽の目を見ることがないのだった。
世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢、学者としての栄光と最愛の息子との別離……。
野放図な好奇心で森羅万象を収集、記録することに生涯を賭した「知の巨人」の型破りな生き様が鮮やかに甦る!

あいにくあんたのためじゃない
柚木 麻子 (著)

過去のブログ記事が炎上中のラーメン評論家、夢を語るだけで行動には移せないフリーター、もどり悪阻とコロナ禍で孤独に苦しむ妊婦、番組の降板がささやかれている落ち目の元アイドル……いまは手詰まりに思えても、自分を取り戻した先につながる道はきっとある。この世を生き抜く勇気がむくむくと湧いてくる、全6篇。

 
【関連】
芥川龍之介賞|公益財団法人日本文学振興会
直木三十五賞|公益財団法人日本文学振興会

 


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