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【訃報】俳人・哲学者の大峯あきら(大峯顕)さんが死去 毎日俳壇選者

俳人で哲学者の大峯顕(俳号:大峯あきら)さんが1月30日、急性心臓死のため死去しました。88歳。奈良県出身。通夜は2月2日午後6時より、葬儀は2月3日午前11時より、奈良県橿原市一町345の1のセレモニーホール橿原で。喪主は長男の朝記さん。

 
大峯あきらさんは、1929年生まれ。京都大学文学部卒業。同大学院博士課程修了。専攻は宗教哲学。京都大学文学部助手、大阪外国語大学助教授、同教授、大阪大学教授、龍谷大学教授、浄土真宗教学研究所長などを歴任。フィヒテや西田幾多郎の研究で知られています。

京都大学在学中に高浜虚子に師事。1984年に佐美魚目さん、岡井省二さんと同人誌『晨(しん)』を創刊。1994年から毎日俳壇選者を務めました。2003年に『宇宙塵』で俳人協会賞を、2007年に『短夜(みじかよ)』で蛇笏賞および小野市詩歌文学賞を、2011年に句集『群生海(ぐんじょうかい)』で毎日芸術賞および詩歌文学館賞を受賞。

句集に『紺碧の鐘』『吉野』『夏の峠』『牡丹』など。宗教・哲学関係に『フィヒテ研究』『日本の仏典』『浄土仏教の思想』『哲学の仕事部屋から 花月のコスモロジー』『宗教の授業』『正像末和讃を読む』『命ひとつ よく生きるヒント』、『君自身に還れ 知と信を巡る対話』(池田晶子と共著)など。

 

句集 短夜 角川俳句叢書 日本の俳人100
平成22年から同26年までの作品のうち、320句を厳選して収める「晨」代表同人の第9句集。〈日輪に触りゐるこの大桜〉〈短夜の火の山近く泊まりけり〉など、宇宙的スケールで季節の移ろいをとらえる。

 
命ひとつ-よく生きるヒント (小学館101新書)
ただ生きるのでなく、「よく生きる」

哲学者、仏教思想家、そして毎日俳壇選者の俳人として活躍する著者が、哲学、仏教、俳句それぞれの視点から「生きることの意味」や「命とは何か」について読者に問いかける一冊。
過去10年以上、日本では自殺者が年間3万人前後を記録しているが、私たちがこの宇宙の中で「生きている」ということそのものが、決して当たり前ではなく、途方もない不思議な謎であることに気づいてほしい、と著者は強調する。そして、松尾芭蕉や正岡子規の生き方と俳句、浄土真宗で「南無阿弥陀仏」という仏の名号を称えることの意味、古今の哲学者の死生観などを語りながら、「何のために私はこの人生という不思議なところに来たのか」をもう一度考えることの大切さを訴える。
悩める人、失意の人にただ「頑張れ」と背中を押すのではなく、人間存在の根源から生きることの大切さを一緒に考えていく本書は、人生をただ生きるのでなく「よく生きる」ための新鮮なヒントに満ちている。

 


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