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【2023年度 日本詩人クラブ三賞】日本詩人クラブ賞を松岡政則さん『ぢべたくちべた』、新人賞を井嶋りゅうさん『影』が受賞

一般社団法人「日本詩人クラブ」は2月26日、第57回日本詩人クラブ賞および第34回日本詩人クラブ新人賞、第24回日本詩人クラブ詩界賞の受賞作を発表しました。

 

日本詩人クラブ三賞が決定!

日本詩人クラブ三賞選考委員会が2月25日に開催され、日本詩人クラブ三賞が次の通り決定しました。

 
■第57回日本詩人クラブ賞

松岡政則(まつおか・まさのり)さん
詩集『ぢべたくちべた』(思潮社)

〔選考委員〕
川島完さん(委員長)、草薙定さん(書記)、新井啓子さん、江口節さん、鈴木有美子さん、中島悦子さん、山田隆昭さん

 
■第34回日本詩人クラブ新人賞

井嶋りゅう(いしま・りゅう)さん
詩集『影』(文化企画アオサギ)

〔選考委員〕
中尾敏康さん(委員長)、田中裕子さん(書記)、海東セラさん、草野早苗さん、曽我貢誠さん、寺田美由記さん、宮本苑生さん

 
■第24回日本詩人クラブ詩界賞

正賞は該当作なし

◎特別賞:棚沢永子(たなざわ・えいこ)さん『現代詩ラ・メールがあった頃』(書肆侃侃房)

〔選考委員〕
橋浦洋志さん(委員長)、広岡守穂さん(書記)、たかとう匡子さん、冨岡悦子さん、中村不二夫さん

 
※詳細は、http://japan-poets-club.d.dooo.jp/award/3awad.html をご覧ください。なお、贈呈式は4月20日(土)14時より日本学士会館にて開催。当日の模様は後日、YouTubeにて配信される予定です。

 

日本詩人クラブ三賞について

日本詩人クラブ三賞は、1950年に創立された日本詩人クラブが主催。1968年に「日本詩人クラブ賞」を設立。1991年に創立40周年を記念し、「日本詩人クラブ新人賞」を設立。2001年、休刊となっていた機関誌『詩界』復刊に合わせ、「日本詩人クラブ詩界賞」を設立。

 

ぢべたくちべた
松岡政則 (著)

「どこまでがわたしのもので/どこからがおやおやのびねつなのか/るいがおよばぬようにかいた聲にならない聲をかいた」
あるくを通して、艸に出会い、大灣に出会い、著者にしか触れえない強度で視るもの聴くものに触れていく。
現代詩文庫 『松岡政則詩集』 から2年ぶり、9冊目の単行詩集。
造本=二月月

井嶋りゅう詩集『影』
井嶋りゅう (著), 佐相憲一 (編集), 高島鯉水子 (イラスト)

くすんだ時のあわいから鈴の音が聞こえる
都会の、郊外の、郷里の風に
語られなかったものが濃密に届けられる
情景、心、関係性、……現実が幻みたいに
現代を歩くこのひとはあなたかもしれない
不穏な大気に静かに熱く詩が響く

白い壁の
大きな窓の外の
錆びた手すりに立ち
瞳を閉じて
肺を広げて
裾を翻した
何を拾いに
腕を伸ばしたのだろう
この新聞紙の中の
私と同じ名前の女は
(詩「女」)

現代詩ラ・メールがあった頃1983.7.1 ― 1993.4.1
棚沢永子 (著)

今から40年前、ふたりの女性詩人が男性主導の文芸シーンに一石を投じるべく立ち上がった。

新川和江・吉原幸子責任編集「現代詩ラ・メール」の創刊である。

女性による女性のための詩誌創刊。女たちの発表の場を作り出し、また新人たちを発見しはぐくみながら、詩の大海原を航海し続けた10年間。笑いあり、涙あり、事件あり。ここで語られる数多の出来事は、単なる過去の思い出話ではない。現代にも?がる熱きシスターフッドの物語である。

 
【関連】
日本詩人クラブ三賞

 


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