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【第38回詩歌文学館賞】齋藤恵美子さん『雪塚』、小池光さん『サーベルと燕』、星野高士さん『渾沌』が受賞

日本現代詩歌文学館は3月9日、第38回詩歌文学館賞の受賞作を発表しました。

 

「第38回詩歌文学館賞」各部門の受賞作が決定!

第38回詩歌文学館賞の受賞作が次の通り決定しました。

 
■詩部門
齋藤恵美子(さいとう・えみこ)さん
『雪塚』(思潮社)

■短歌部門
小池光(こいけ・ひかる)さん
『サーベルと燕』(砂子屋書房)

■俳句部門
星野高士(ほしの・たかし)さん
『渾沌』(深夜叢書社)

 
「詩部門」を受賞した齋藤恵美子さんは、1960年生まれ、東京都出身。聖心女子大学文学部卒業。2006年『最後の椅子』で第8回駿河梅花文学賞、2007年『ラジオと背中』で第32回地球賞、2008年に同作で第58回芸術選奨新人賞、2017年『空閑風景』で第47回高見順賞を受賞。

「短歌部門」を受賞した小池光さんは、1947年生まれ、宮城県出身。東北大学大学院理学研究科修士課程修了。1972年、短歌結社「短歌人」に入会。1979年『バルサの翼』で第23回現代歌人協会賞、1995年『草の庭』で第1回寺山修司短歌賞、2001年『静物』で第51回芸術選奨文部科学大臣新人賞、2004年『茂吉を読む―五十代五歌集』で第2回前川佐美雄賞、2005年『滴滴集』で第16回斎藤茂吉短歌文学賞、『時のめぐりに』で第39回迢空賞、2011年『山鳩集』で第3回小野市詩歌文学賞、2012年『うたの動物記』で第60回日本エッセイスト・クラブ賞、2016年『思川の岸辺』で第67回読売文学賞を受賞。2013年に紫綬褒章、2020年に旭日小綬章を受章。2007年から2020年まで仙台文学館館長。

「俳句部門」を受賞した星野高士さんは、1952年生まれ、神奈川県鎌倉市出身。星野椿さんの息子、星野立子の孫で、高濱虚子、星野天知の曾孫。「玉藻」主宰。鎌倉虚子立子記念館館長。

 
選考委員は、「詩」部門が伊藤比呂美さん、小池昌代さん、佐々木幹郎さん、「短歌」部門が加藤治郎さん、吉川宏志さん、米川千嘉子さん、「俳句」部門が西村和子さん、三村純也さん、渡辺誠一郎さん。

受賞者には、正賞として鬼剣舞手彫り面が、副賞として賞金100万円が贈られます。贈賞式は、5月27日(土)15時より日本現代詩歌文学館(岩手県北上市)にて開催。

 

詩歌文学館賞について

詩歌文学館賞は、現代詩歌文学の振興に寄与すべく設立された「日本現代詩歌文学館」を記念して、優れた詩歌作品集を各ジャンルから選んで顕彰するもので、井上靖初代名誉館長の提唱によって設けられた文学賞。1年間に刊行された詩、短歌、俳句作品集の中から、それぞれ最も優れたものに贈られます。

 
選考は、同館の振興会役員・評議員をはじめとする主要詩歌人、文芸誌編集者など約1,000名からのアンケートを参考に、各分野3名の選考委員が行います。選考委員による選評など詳細は集英社が発行する文芸誌『すばる』6月号に掲載されます。

 

雪塚
齋藤恵美子 (著)

灰と光に晒されて
白樫の家から、振り返る似姿の 白さも、いまは、雪道に?き消され 壺は、ひそかに 空洞のまま、満たされ 透ける火が行く手をひらく (「透ける火」)
「生まれた家の跡に立つと/背中を押す陽射しがあって/踏みなさい/銀の音するひかりを刻んだ霜柱/地表を何度も、地名を何度も、塗り重ねて/街はできた」(「雪塚」)。
高見順賞受賞の『空閑風景』から6年、待望の新詩集。
装幀=清岡秀哉。

サーベルと燕
小池 光 (著)

第一歌集『バルサの翼』から五十年。『草の庭』『静物』『時のめぐりに』と清新な発見と鋭い批評精神に支えられた、数多くの秀れた短歌作品を生んできた小池光。亡き妻を歌ったさきの『思川の岸辺』から十年を経て、ここに母と弟を喪う。表現はいよいよ平明に、そして深く。著者充溢の第十一歌集。(本書「帯文」より)

渾沌
星野高士 (著)

雨音をさらに細かくして野菊 摘草の帰りの電車よく揺るる ハロウィンの直前和光時計台
――俳誌『玉藻』主宰・星野高士の平成26年から令和4年前半までの俳句を収載。

 
【関連】
第38回 詩歌文学館賞 決定 – 日本現代詩歌文学館

 


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