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村上春樹さんの“装丁”をめぐる魅力を特集『イラストレーション No.239』が発売 「村上春樹作品へのオマージュ」展も開催

玄光社は、村上春樹さんの著作の“装丁”に焦点を当て、約70ページにわたって特集した『イラストレーション No.239』を7月18日(火)に発売します。

 
1979年のデビュー以降、数々の作品を生み出してきた作家・村上春樹さん。本特集では、最新長編『街とその不確かな壁』(新潮社)を含む近年の小説作品を中心に、装丁家、イラストレーター、編集者など、一冊の本が完成するまでに携わった方々に取材し、その制作背景に迫ります。

表紙と扉絵は、『猫を棄てる 父親について語るとき』(文藝春秋)の装画、挿画を手がけたイラストレーター高妍(ガオ・イェン)さんによる描き下ろしです。また村上春樹さんからは序文エッセイ「僕の本の装丁のこと」が寄稿されています。

 

『イラストレーション No.239』内容紹介

 
■村上春樹さん 序文エッセイ「僕の本の装丁のこと」

村上春樹さんが、自身の装丁についての序文エッセイを寄稿しています。

 
■『街とその不確かな壁』(新潮社)

装丁を手がけた新潮社装幀室の黒田貴さん、担当編集の寺島哲也さん、装画を手がけたイラストレーターのタダジュンさんにお話を伺い、新作長編の装丁が完成するまでの制作背景を垣間見ます。

装丁の基礎知識として、本の部分の名称を紹介したページ

装丁の基礎知識として、本の部分の名称を紹介したページ

 
■髙橋千裕さんの装丁

元新潮社装幀室の髙橋千裕さんに『騎士団長殺し』、『1Q84』(共に新潮社)の装丁について取材しました。『騎士団長殺し』は、装画を手がけたイラストレーターのチカツタケオさんと共にお話を伺っています。

 
■大久保明子さんの装丁

文藝春秋・デザイン部の大久保明子さんに取材し、近年大久保さんが装丁を手がけた4作品『猫を棄てる 父親について語るとき』、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』、『一人称単数』、『女のいない男たち』(すべて文藝春秋)について話を聞きました。

高妍さんからのメッセージ、『一人称単数』の装画を手がけた漫画家の豊田徹也さん、『女のいない男たち』の装画を手がけたイラストレーターの信濃八太郎さんからのコメントもあります。

 
■村上春樹さんとイラストレーター

2016年に東京・練馬の「ちひろ美術館・東京」で開催された展覧会「村上春樹とイラストレーター ―佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸―」を基に、佐々木マキさん、大橋歩さん、和田誠さん、安西水丸さんの作品を紹介します。また同展を企画・担当された、「ちひろ美術館・東京」学芸員の原島恵さんからの寄稿もあります。

 
■村上春樹 装丁クロニクル

村上春樹さんの翻訳を除く全著作(単行本)の書影を掲載します。膨大な作品、それぞれ個性が光る装丁がずらりと並ぶ圧巻のページです。

 
■Haruki Murakami と海外版装丁

50以上の言語に翻訳され、世界各地で読まれている村上作品。今回は、とりわけ読者が多い英語圏(アメリカ、イギリス)の装丁を一部紹介し、『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』(みすず書房)の著者・辛島デイヴィッドさんのコメントと共に振り返ります。

 
■村上春樹作品へのオマージュ

さまざまに活躍するイラストレーター・絵本作家9名が、村上作品からそれぞれ小説を選び、特別な1枚を描き下ろしました。夢のようなコラボレーションをお楽しみください。参加作家と作品は次のとおりです(掲載順・敬称略)。

 
◯谷口智則(絵本作家)
「夜中の汽笛について、あるいは物語の効用について」〈『村上朝日堂超短篇小説 夜のくもざる』(平凡社/新潮文庫)所収〉

◯nakaban(画家)
「螢」〈『螢・納屋を焼く・その他の短編』(新潮社/新潮文庫)所収〉

◯塩川いづみ(イラストレーター)
「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」〈『カンガルー日和』(平凡社/講談社文庫)所収〉

◯長崎訓子(イラストレーター)
「1Q84」〈『1Q84 BOOK1』『1Q84 BOOK2』『1Q84 BOOK3』(新潮社/新潮文庫)〉

◯北澤平祐(イラストレーター)
「ねじまき鳥クロニクル」〈『ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編』『ねじまき鳥クロニクル 第2部 予言する鳥編』『ねじまき鳥クロニクル 第3部 鳥刺し男編(新潮社/新潮文庫)〉

◯unpis(イラスレーター)
「パン屋再襲撃」〈『パン屋再襲撃』(文藝春秋/文春文庫)所収〉

◯矢野恵司(イラストレーター)
「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」〈『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(新潮社/新潮文庫)〉

◯坂内拓(イラストレーター)
「午後の最後の芝生」〈『中国行きのスロウ・ボート』(中央公論社/中公文庫)所収〉

◯カシワイ(イラストレーター、漫画家)
「納屋を焼く」〈『螢・納屋を焼く・その他の短編』(新潮社/新潮文庫)所収〉

 

『イラストレーション No.239』刊行記念 イラストレーター・絵本作家が描く「村上春樹作品へのオマージュ」展を開催

本誌刊行記念として、東京・表参道の山陽堂書店内「GALLERY SANYODO」にて7月18日(火)より刊行記念展〈イラストレーター・絵本作家が描く「村上春樹作品へのオマージュ」展〉が開催されます。

本誌企画「村上春樹作品へのオマージュ」掲載作品の原画(一部、複製原画)ならびに、高妍さん描き下ろしの表紙、扉絵の複製原画を展示します。

 
また期間中、山陽堂書店で本誌を購入された方に、特典として高妍さんのイラストレーション(描き下ろしの扉絵)が付いた「ポストカード」をお渡しします(※数量限定)。

 
■会場:GALLERY SANYODO(東京都港区北青山3-5-22 山陽堂書店2階)
[アクセス] https://sanyodo-shoten.co.jp/gallery/access.html

■会期:2023年7月18日(火)~7月29日(土)

■営業時間:11:00~19:00(月~金)、11:00~17:00(土)
※休廊日:日曜

■参加作家(順不同/敬称略):高妍、谷口智則、nakaban、塩川いづみ、長崎訓子、北澤平祐、unpis、矢野恵司、坂内拓、カシワイ

 

イラストレーション 2023年9月号【特集:村上春樹の装丁】
イラストレーション編集部 (編集)

【特集】村上春樹と装丁
約70ページにわたって、村上春樹さんの著作の「装丁」を特集します。最新長編『街とその不確かな壁』(新潮社)を含めた近年の小説作品を中心に、装丁家やイラストレーター、編集者など、1冊の本が完成するまでに携わった方々を取材。また、村上春樹さんから序文エッセイ「僕の本の装丁のこと」をご寄稿いただきました。

そのほか、翻訳を除く全著作(単行本)を紹介する「村上春樹 装丁クロニクル」や、イラストレーター・絵本作家9名が村上さんの小説をテーマに作品を描き下ろした「村上春樹作品へのオマージュ」など、見どころいっぱいです。

【特集】植物を描く
植物を描く4名のイラストレーター、Saori Ohwadaさん、服部あさ美さん、矢原由布子さん、MIKEMORIさんを紹介します。

 


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