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文學界新人賞受賞&芥川賞候補作!市川沙央さん『ハンチバック』が刊行

市川沙央さんの第128回文學界新人賞受賞作で、第169回芥川賞候補作『ハンチバック』が文藝春秋より6月22日に刊行されました。

 

発売日前重版決定!芥川賞候補作「ハンチバック」が書籍化

本書は、雑誌『文學界』に文學界新人賞受賞作として掲載されてすぐ、衝撃を受けた読者たちがSNSで感想を語り出し、書籍化前から数百もの感想が飛び交うことになった異例の作品です。発売前から2度の重版も決まりました。

 
側弯症、および人工呼吸器・電動車椅子使用の当事者である、主人公・井沢釈華の身体の描写の迫力はもちろん、鋭く、ユーモアに満ちた言葉に、早くも心をえぐられた読者・書店員の皆さんの声が、多数寄せられています。

 
<書店員の声(一部)>

◎紀伊國屋書店横浜店 川俣めぐみさん
すごいもの読んだ…内容にも文章にも圧倒されて感想が言葉にならない。
文章がとても強くて、油断してるとぶん殴ってくる。

◎蟹ブックス 花田菜々子さん
もちろんヘビーな内容だがどこか愉快で痛快でもあり、ワクワクするような気分とズドンと突き落とされるような気分の両方が同時に来る不思議な読了感を味わっている。

◎ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理さん
どこにもないわきあがるものがここにあった。
読んだというよりその叫びを容赦なく叩き込められた。
自分が受けた心の痛みは著者にとっては糞だろう。
糞みたいな痛み、初めての痛みが鈍痛のように貫き続けている。

 
【『ハンチバック』あらすじ】

主人公・井沢釈華は、先天性の遺伝性筋疾患のために背骨が湾曲しており、電動車椅子と人工呼吸器を使い、裕福な両親が遺したグループホームから、ほとんど外に出ない生活を送っている。

十畳の自室で彼女は、某有名私大の通信課程を履修し、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」とつぶやく。

ところがある日、グループホームのヘルパー・田中に、Twitterのアカウントを知られていることが発覚し――。

 

市川沙央さんコメント

『ハンチバック』の著者市川沙央です。
『ハンチバック』はこんな人におすすめです。
最近ちょっと寝不足の人。
最近ちょっと肩や腰が凝っている人。
最近ちょっと疲れ気味。
ごはんのお供はふりかけと納豆ならふりかけ派の人。(納豆派でも大丈夫です)
職場の人間関係に悩んでる人。
急に1億円とか空から降ってきたりしてほしいと思う人。
何でもいいから何か面白いこと起こらないかな、とずっと待ちつづけている人。

今日も明日も変わり映えのしない日々。
むしゃくしゃするし、モヤモヤしてる。
こういうときは面白い小説が読みたいぞ。
めちゃくちゃ刺激的なやつ。
見えている世界がひっくり返るくらいの、ね――。

『ハンチバック』はそんなあなたにおすすめです!

どうぞよろしくお願いします。

 

著者プロフィール

市川沙央さん近影(撮影:深野未季)

市川沙央さん近影(撮影:深野未季)

著者の市川沙央(いちかわ・さおう)さんは、1979年生まれ。早稲田大学人間科学部eスクール人間環境科学科卒業。筋疾患先天性ミオパチーによる症候性側弯症および人工呼吸器使用・電動車椅子当事者。

「ハンチバック」で第128回文學界新人賞を受賞し、デビュー。

 

ハンチバック
市川 沙央 (著)

「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」

圧倒的迫力&ユーモアで選考会に衝撃を与えた、第128回文學界新人賞受賞作。

打たれ、刻まれ、いつまでも自分の中から消えない言葉たちでした。この小説が本になって存在する世界に行きたい、と強く望みました。
――村田沙耶香

小説に込められた強大な熱量にねじ伏せられたかのようで、
読後しばらく生きた心地がしなかった。
――金原ひとみ

文字に刻まれた肉体を通して、
書くという行為への怨嗟と快楽、
その特権性と欺瞞が鮮明に浮かび上がる。
――青山七恵

井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。
両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。

 
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