本のページ

SINCE 1991

伝染病の流行と闘った緒方洪庵と妻・八重、その教え子たちを描く歴史小説!佐藤雫さん『白蕾記』が刊行

伝染病の流行と闘った緒方洪庵夫妻とその教え子たちを描く、佐藤雫さんの歴史小説『白蕾記』がKADOKAWAより刊行されました。

 

愛と信念が日本の医療を変えた――幕末の騒乱の中、命を救い続ける医師、緒方洪庵、彼に嫁いだ少女八重の運命は?

本書は、日本の近代医療の礎を築き、蘭学塾「適塾」で教育者としても多大な功績を残した緒方洪庵・八重夫婦と、後に幕末・明治の偉人となる教え子たちが過ごす、時にあたたかく、時には切実な日々を描いた歴史医療小説です。

 
実際に看護師として勤務していた著者だからこそ、実感をもって描かれた医療をめぐる物語。伝染病との長く困難な闘いに不屈の意思で挑む人々の姿に心打たれる、コロナ禍を経た今だからこそおススメの一冊です。

 
【あらすじ】

「この手で、誰かの命を救えるのなら。武士として生きるよりも、ずっと生きている意味があると思った」

大坂の蘭学塾「適塾」を営む名高い医学者、緒方洪庵の妻となった八重。ぎこちない暮らしの中、次第に二人は心を通わせていく。そんな中、恐るべき疫病の疱瘡が流行の兆しを見せはじめた。

洪庵と八重は、人々が疱瘡に苦しむことのない世をつくるため、適塾で学ぶ志士たち――大村益次郎、橋本左内、福沢諭吉らと共に新医術「牛痘種痘」を広めようとする。だが、それは長く困難な闘いの始まりだった。多くの人材を育て、近代医学の礎を築いた夫婦と教え子たちの、葛藤と成長を描く感動の歴史小説。

 
<『白蕾記』に愛に溢れた共感のコメントが続々!> ※一部抜粋

◆幸せだった緒方夫妻が疱瘡の流行により苦悩し、それでも種痘の普及に心血を注いでいく姿に胸を打たれました。コロナ禍だからこそ多くのかたに読んでいただきたい一冊でも有ります。
(宮脇書店 境港店 戎原さん)

◆コロナと疱瘡、共通点がたくさんあるので人ごとでなく読みました。洪庵と八重、洪庵と塾生、そして八重と塾生との関係性に心があたたかくなったりときには切なくなったり…。歴史小説だからと敬遠せず、たくさんの人に読んでほしい物語です。伝わるものがきっとたくさんあるだろうから。
(喜久屋書店豊岡店 中村美穂さん)

 

担当編集者コメント

【担当編集 今井理紗さん】
本作の主人公は天然痘の治療に大きな貢献をした緒方洪庵ですが、彼の視点では物語が紡がれていません。妻の八重や適塾の塾生だった橋本左内や福沢諭吉など、たくさんの人たちが病に打ち勝つためにバトンを繋いできたからこそ洪庵の偉業が成し遂げられたことがわかる、壮大な医療ドラマであり泣ける群像劇になっています。人類の歴史は病との戦いの歴史でもあり、過去もそしてこれからも人は苦難を乗り越える力がある。病を身近に感じている今だからこそ、すべての人に読んでほしい1冊です。

 
【担当編集 宮本貴史さん】
緒方洪庵、妻の八重、橋本左内、そして福沢諭吉といった『白蕾記』の主要人物には、共通点があります。それは、大きな挫折を味わった、あるいは深い屈託を心に秘めているということ。そんな洪庵たちが、絶えず悩みながらも支え合い励まし合って、それぞれが信じる道を懸命に進み、天然痘の根絶という大きな夢を実現しようとする姿が心を打ちます。明日のために働く人々の背中を優しく力強く支えてくれる物語。自信をもっておすすめします!

 

著者プロフィール

著者の佐藤雫(さとう・しずく)さんは、1988年生まれ、香川県出身。鎌倉幕府三代将軍・源実朝と、その妻で公家の姫・坊門信子の夫婦の絆と悲劇を描いた「言の葉は、残りて」(「海の匂い」を改題)で第32回小説すばる新人賞を受賞し、2020年デビュー。

2022年、浅井長政の娘・茶々と大野治長の切実な愛を描く『さざなみの彼方』を刊行した。

 

白蕾記
佐藤 雫 (著)

装幀:青柳奈美
装画:神田ゆみこ

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です