本のページ

SINCE 1991

”非ヴィーガン”森映子さんが忖度なしで徹底取材!『ヴィーガン探訪』を刊行

森映子さん著『ヴィーガン探訪 肉も魚もハチミツも食べない生き方』

森映子さん著『ヴィーガン探訪 肉も魚もハチミツも食べない生き方』

森映子さん著『ヴィーガン探訪 肉も魚もハチミツも食べない生き方』がKADOKAWAより刊行されました。

肉類だけでなく乳製品、魚、それらに由来する食品もとらないヴィーガン。実は世界で急増中です。代替肉などの開発が相次ぎ、日本でも注目が高まっています。知られざる世界を、ヴィーガンではない記者が探訪します。

 

本当に体にいいの? ベジタリアンとどう違うの? 知られざる世界の入門書

豆ミート、卵を使わないマヨネーズ、牛乳不使用のチーズやスイーツなど、肉や魚、卵や牛乳など動物性食材を使わない新商品の発売が相次いでいます。

ヴィーガンやベジタリアン向けのメニューは大手チェーン店でも展開されるようになりました。たとえばモスバーガー、スターバックス、ドトールコーヒーショップでは植物肉のバーガーを定番化しているし、CoCo壱番屋でも動物由来の原材料を使わないベジカレーが通常メニューとなっています。

 
植物肉を扱う企業も日本ハム、伊藤ハムなど多岐にわたり、ファミリーマート、セブンイレブン、ローソンなどのコンビニでも大豆ミートを使用したカレーやパスタがラインナップしています。

 
活況を呈するプラントベース(植物由来)の市場ですが、一方でヴィーガンの人をみかけることはあまりない状況です。世界に目を移せば、ポール・マッカトニー、ビリー・アイリッシュなど著名人たちが続々と公言しています。ロックバンド「クイーン」のギタリストであるブライアン・メイも、2020年からは食事をプラントベースに切り替えたと発表するなど、その潮流は確実にあります。

 
肉や魚、ハチミツなども含めて動物由来の食品をとらず、卵や牛乳までも口にしないヴィーガン。日本食でいえば、煮干しやカツオのだしもNGだというから、非常にハードルが高く感じられます。

彼らはなぜ、ある意味で極端な食生活を選んだのでしょうか。野菜だけを食べていておなかがすかないのか、栄養バランスは大丈夫なのか……。

非ヴィーガンである記者が、ヴィーガンとして生きる人や代替肉や培養肉の開発者など訪ね歩き、その生き方を探っていきます。

 

本書の構成

第一章 ヴィーガンとは?
ポール・マッカトニーやビリー・アイリッシュも/紀元前から菜食の生活はあった/ヴィーガンとベジタリアンは何が違う?/ヴィーガンはどのくらいいるの?/急成長する植物肉市場、開発中の培養肉/輸送中の牛がヴィーガンになるきっかけ/「緩いヴィーガン増えれば動物の犠牲を減らせる」

第二章 ヴィーガン食の開発で世界を狙え
牛肉1キロの生産にトウモロコシ11キロと水2万リットル/代替肉のスタートアップ、ネクストミーツ/日本ではなくアメリカで上場/大豆臭を消し、うま味を出す/海外でも続々と販売/東京大学のグループがチャレンジする培養「ステーキ」/培養肉は「海産物に近いうま味」/「培養肉は動物の苦しみを減らす」/世界の肉市場シェアの6割が代替肉に/ヴィーガンレストラン社長の夫はラーメンチェーンの社長

第三章 なぜヴィーガンになったのか 
愛犬の死をきっかけに―川野陽子さん/ヴィーガンのレシピサイト、宅配で起業―工藤柊さん健康志向から―内閣府職員の小城徳勇さんチームメートに誘われて―ヴィーガンアスリートの池田祐樹選手

第四章 産業として扱われる動物(1)――卵を産む鶏たち 
閉じ込め飼育の問題を知る/欧米で急速に進むケージフリー/鶏は草地で伸び伸び―山梨の黒富士農場/埼玉の立体型鶏舎―ナチュラファーム/「家計の優等生」が生産者と鶏に無理を強いている/鶏舎内部の告発動画/なぜケージ飼いでも五輪認証を得られるのか

第五章 産業として扱われる動物(2)――豚たち
一生檻の中で過ごす母豚/地面掘り、泥遊び、昼寝をする放牧農園「ぶぅふぅうぅ農園」/子豚虐待の告発/動物虐待に対する官僚たちの見解/指針を作る団体に直撃

第六章 鶏卵汚職事件――日本がアニマルウェルフェアに後ろ向きな背景
事件で広まった「アニマルウェルフェア」/採卵鶏の取材が増えた理由/「アニマルウェルフェアは絶対に受け入れない」/ケージをカプセルホテルにたとえる官僚の傲慢さ/受け取った金は「たんす預金に」/具体性に欠け、法律でもない国の飼育指針

第七章 ヴィーガンは健康的なのか 
ヴィーガン取材で気になっていたこと/不足しがちな栄養分はある/栄養士会はヴィーガンについての見解を出していない/人新世の健康な食事とは/「野菜だらけの食事は脳卒中が起こりやすい」/肉食と病気の関係は簡単にはいえない/「ヴィーガンの股関節骨折リスクは2倍」/日本食は環境負荷が低い/専門家の取材を通して見えたもの

 

著者プロフィール

著者の森映子(もり・えいこ)さんは、1966年生まれ、京都市出身。上智大学卒業。時事通信文化特信部記者。

1991年時事通信社入社。社会部、名古屋支社などを経て、1998年より文化特信部。2021年からデスク、編集委員。エシカル消費、動物福祉などをメインに取材している。

著書に『犬が殺される 動物実験の闇を探る』(同時代社)。

 

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です