バリューブックスが、古本の売上げ33%を出版元に還元する「バリューブックス・エコシステム」運用開始
インターネットを中心に古本の買取・販売を行う株式会社バリューブックス(本社:長野県上田市)は、2017年7月6日に創業10周年を迎えたことを機に、この10年間で発見してきた大小さまざまな10の課題に対して、10の取り組みを発表していく「10PROJECTS」を実施しています。
そしてこの度、その第3弾として新事業「VALUE BOOKS ECOSYSTEM(バリューブックス・エコシステム)」の運用を開始しました。
★PROJECT#03「VALUE BOOKS ECOSYSTEM」:https://www.valuebooks.jp/vb10th/project3
売上げの一部を版元に還元することで出版業界に新しい循環を生み出そうとするプロジェクトがパートナー出版社4社と始動
■値段のつく本、つかいない本
バリューブックスの主な事業は、インターネットを介した古本のリユースです。買取と「charibon(チャリボン)」という寄付のプログラムによって古本を集め、それを販売しています。
★VALUE BOOKS(買取プログラム):https://www.valuebooks.jp/
★charibon(寄付プログラム):http://www.charibon.jp/
毎日約3万冊を超える本が届き、それをひとつひとつ、人の手で査定していますが、その基準はインターネット上での需要に基づいています。必要以上の量が市場に存在して、値崩れしてしまっているものには、残念ながら値段をつけることができません。
■リユース先がない本たち
同社は、その、値段がつけられなかった本も、まだ読み手がいる限り、他の古本事業者への卸売や、自社店舗・提携店舗での販売、フリースクールや介護施設など、本を必要としている場所に届ける「Book Gift Project(ブックギフト・プロジェクト)」を通じて、最大限リユースしようと試みています。
★Book Gift Project:http://www.bookgift.net/
しかし、そうして可能な限りの手を尽くしても、リユースする先がない本は、古紙としてリサイクルに回すことになります。バリューブックスは、毎日、大量の本を載せて古紙回収所へと向かうトラックをながめながら、「できる限り、リサイクルに回す本を減らしたい」と考えていたとのととです。
■必要とされ読み継がれていく本たち
そんな中、同社は市場で値崩れしにくい本ばかりをつくっている出版社の存在に気がつきました。
過去のデータを出版社別に調べてみると、送られてきた本のうち、90% 以上という高割合で、値段をつけて買い取ることができる出版社があることがわかりました。これは、他と比較してとても高い数字です。
そこで同社は、それらの本を売って得た利益の一部を、出版社に還元することにしました。
値段がつけられず、リサイクルに回される本の多くは、短期間で消費され、多くの人に手放され、市場にあふれてしまったものです。一方、リユース率が高い出版社がつくっている本は、長期間にわたって多くの人に必要とされ、読み継がれている本であると言えます。
■本の生態系をつくりたい
「バリューブックス・エコシステム」は、そうした長く読み継がれる本をつくっている出版社に対して、その売上の一部を還元していくことで、出版業界によりよい循環を生み出すための回路を開こうというプロジェクトです。
最終的には、すべての出版社に利益を還元させていただき、本の生態系(エコシステム)をつくっていくことを理想としています。
「VALUE BOOKS ECOSYSTEM(バリューブックス・エコシステム)」のしくみ
毎年、出版社別のリユース率(送られてきた本のうち、値段をつけて買い取ることができた本の割合)を算出し、その数字が 90% を超えている出版社のうち、パートナーになってくれた出版社に対して、バリューブックスがパートナー出版社の出版した本を売って得た売上の33%を還元します。
還元したお金の使途は、各パートナー出版社に委ねます。著者に還元する出版社もあれば、よりよい出版活動のために生かす出版社、社会貢献のために使う出版社もあります。
バリューブックスは、
「私たちはパートナー出版社の本を、可能な限り高値でお客様から買い取ります。
各パートナー出版社が出版した本も、他の古書店に流れてしまえば、出版社に還元することができません。多くの金額を還元し、よりよい循環を生んでいくために、できるだけたくさんの本を私たちのもとに集めたいと考えています。」
と述べており、出版社に対しては、「パートナー提携に関心を持ってくださった出版社の方は、お問い合わせください。2016年における貴社出版物のリユース率をお知らせします。90% を超えている場合は、担当者が詳細の説明にお伺いします。」と訴えています。問合せは、info@value-books.jp まで。
パートナー出版社 4社
■アルテスパブリッシング
https://artespublishing.com/
■英治出版
http://www.eijipress.co.jp/
■トランスビュー
http://www.transview.co.jp/
※50音順/2017年11月現在
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