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第39回「サントリー学芸賞」が決定

公益財団法人サントリー文化財団は11月9日、第39回「サントリー学芸賞」の受賞者および受賞作品を発表しました。

 

第39回「サントリー学芸賞」受賞者および受賞作品

 
■政治・経済部門

伊藤公一朗(いとう・こういちろう)さん(シカゴ大学公共政策大学院ハリススクール助教授)
『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』(光文社)

宮下雄一郎(みやした・ゆういちろう)さん(松山大学法学部准教授)
『フランス再興と国際秩序の構想――第二次世界大戦期の政治と外交』(勁草書房)

 
■芸術・文学部門

加藤耕一(かとう・こういち)さん(東京大学大学院工学系研究科准教授)
『時がつくる建築――リノベーションの西洋建築史』(東京大学出版会)

金子遊(かねこ・ゆう)さん(批評家、映像作家)
『映像の境域――アートフィルム/ワールドシネマ』(森話社)

 
■社会・風俗部門

遠藤正敬(えんどう・まさたか)さん(早稲田大学台湾研究所非常勤次席研究員)
『戸籍と無戸籍――「日本人」の輪郭』(人文書院)

福間良明(ふくま・よしあき)さん(立命館大学産業社会学部教授)
『「働く青年」と教養の戦後史――「人生雑誌」と読者のゆくえ』(筑摩書房)

 
■思想・歴史部門

左地亮子(さち・りょうこ)さん(国立民族学博物館グローバル現象研究部機関研究員)
『現代フランスを生きるジプシー ――旅に住まうマヌーシュと共同性の人類学』(世界思想社)

前田亮介(まえだ・りょうすけ)さん(北海道大学大学院法学研究科准教授)
『全国政治の始動――帝国議会開設後の明治国家』(東京大学出版会)

 
※受賞者略歴、受賞のことば、選考経過、選考委員については、http://www.suntory.co.jp/news/article/13035-1.html をご覧ください。

 
なお、贈呈式は12月11日に東京で開催される予定です。

 

サントリー学芸賞について

サントリー学芸賞は、1979年に創設。サントリーの創業80周年を記念して同年に設立されたサントリー文化財団が主催する学術賞です。

「政治・経済」「芸術・文学」「社会・風俗」「思想・歴史」の4部門に分かれ、毎年、前年1月以降に出版された著作物を対象に選考し、「広く社会と文化を考える、独創的で優れた研究、評論活動をされた方」を顕彰します。受賞者には、正賞として楯、副賞として200万円が贈呈されます。

 

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)
ビッグデータが存在するだけでは、「因果関係」の見極めはできない。データの扱い、分析、解釈においては、人間の判断が重要な役割を担う―。本書では「広告が売り上げに影響したのか?」「ある政策を行ったことが本当に良い影響をもたらしたのか?」といった、因果関係分析に焦点を当てたデータ分析の入門を展開していきます。序章では、なぜ因果関係を見極めることがビジネスや政策の成功の鍵を握るのか、様々な実例を使いながら解説します。第2章以降では、ランダム化比較試験、RDデザイン、パネル・データ分析など、因果関係に迫る最先端のデータ分析手法について、数式を使わず、具体例とビジュアルな描写を用いて解説していきます。

 
フランス再興と国際秩序の構想: 第二次世界大戦期の政治と外交
1940年、かつての栄光ある国家はヒトラーに侵略された。本書は、ド・ゴールが立ち上げた抵抗運動の自由フランスが国際社会と国内で正統性を獲得し、戦後国際秩序を構想して戦勝国の一角を占めるまでを実証的に活写する。国家の正統性とは? 危機の時代の指導者とは? そこには、国際政治の本質への示唆が満ち溢れている。

 
時がつくる建築: リノべーションの西洋建築史
建物を創造的に再利用する、豊かな建築文化とは。長い歴史における数々の既存建物の再利用の事例を読み解きながら、スクラップ&ビルドの新築主義を脱却し、縮小時代の建築とのつきあいかたを示す。

 
映像の境域: アートフィルム/ワールドシネマ
映像と言語、映像と芸術、映像と記録、政治と前衛、土地と伝統、民俗と信仰、その境域にたちあがる現代の相貌。
映像表現の可能性を拡張したアヴァンギャルド映画や、様々な問題を含みこむ現代映画をその背景から捉え直し、イメージの生成を探る渾身の映像論集。

 
戸籍と無戸籍――「日本人」の輪郭
近代日本において無戸籍者の存在は、家制度をはじめ徴兵、治安、福祉などに関わる政治・社会問題であると同時に、移民、引揚げに関わる国際問題であった。そして現代では家族生活の多様化に伴い、戸籍の必要性そのものが問われている。無戸籍者の歴史的変遷を辿り「日本人」の輪郭を改めて捉え返す労作。

 
「働く青年」と教養の戦後史: 「人生雑誌」と読者のゆくえ (筑摩選書)
高度経済成長が進む中で、経済的な理由で進学を断念し、町工場や商店などに就職した若者たち。低賃金、長時間労働、そして孤独な日々。そんな彼ら彼女らが熱心に読んだのが「人生雑誌」と総称される雑誌だった。その代表格『葦』『人生手帖』は、それぞれ八万部近く発行されるまでになった。「生き方」「読書」「社会批判」を主題とするこの雑誌に、読者は何を求めたのか?人生雑誌の作り手側にも光を当てながら、この雑誌とその読者がいかなる変容を遂げていったのかを描き出す。戦後史の空白を埋める貴重な労作である!

 
現代フランスを生きるジプシー―旅に住まうマヌーシュと共同性の人類学
なぜ彼らは旅人であり続けるのか?
都市周辺の空き地に、移動式住居(キャラヴァン)をとめて暮らす、フランスのマヌーシュたち。〈住まう〉という社会的かつ身体的な実践を通して、社会変化と他者の只中で共同性を紡ぐ人々の姿を描きだす。

 
全国政治の始動: 帝国議会開設後の明治国家
帝国議会の開設により誕生した全国規模の利益調整をおこなう政治システムを「全国政治」として、国民国家形成を描きだす。議会が、地方単位から国家を単位とした議論がおこなわれる場となり、全国共通の新たな基準が創成されるとともに、藩閥が退潮し、政党が伸長する力学を精査に分析する。

 
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第39回 サントリー学芸賞決定 2017年11月9日 ニュースリリース サントリー
サントリー学芸賞 サントリー文化財団

 


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