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谷口ジローさん〈狩猟短編傑作集〉『野生の中へ』が刊行 文庫解説は関川夏央さん

『野生の中へ 谷口ジロー狩猟短編傑作集』

『野生の中へ 谷口ジロー狩猟短編傑作集』

山と溪谷社は、谷口ジローさんが1970年代から2000年代にかけて狩猟をテーマに描いた7つの作品を収録した『野生の中へ 谷口ジロー狩猟短編傑作集』をヤマケイ文庫より刊行しました。文庫解説は関川夏央さん。

 

人と動物が野生のなかで、渾然一体となる珠玉の作品集『野生の中へ』

本書の巻頭に収録された「西風は白い」は、樺太の猟師と日本人女性のサバイバルを描いた作品で、関川夏央さんが脚本を手掛け、1978年に発表されました。

本書の文庫特別解説で関川夏央さんは「この作品が彼のキャリア後半に力を入れた山岳マンガ、動物マンガの事実上の出発点となった」と語っています。

 
このほか、
クマを飲み込む大イトウの怪異譚「ユーカラの森」、
熊野灘のマッコウクジラ漁師の生き様を描く「枯柴灘(かれきなだ)」、
鷹匠とクマタカの絆が胸に迫る「鷹」、
ロッキー山脈の猟師の独白で構成された「森へ 岩の蹄」、
跡取り息子をクマに襲われた老猟師の失意と執念を描いた「山へ」、
ユーコン川流域で白いヘラジカを探し続ける猟師との邂逅を描き、ラストの余韻が印象的な「凍土の旅人」
…の全7作を収録しています。

「鷹」(1980年発表作品)

「鷹」(1980年発表作品)

「森へ 岩の蹄」(1984年発表作品)

「森へ 岩の蹄」(1984年発表作品)

「山へ」(2002年発表作品)

「山へ」(2002年発表作品)

 

著者プロフィール

谷口ジロー(たにぐち・じろー)さんは、1947年生まれ。鳥取県鳥取市に育つ。1975年に「遠い声」で第14回ビッグコミック賞佳作に入選。

以後、精力的に作品を発表し続け、『「坊っちゃん」の時代』で第22回日本漫画家協会賞優秀賞、第2回手塚治虫文化賞マンガ大賞などを受賞。『孤独のグルメ』『遥かな町へ』『神々の山嶺』ほか著作多数。

イタリアやフランスをはじめ海外での評価も高い。2017年、永眠。

 


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