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累計100万部突破!「ケーキの切れない非行少年たち」シリーズの最新刊『ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ』が刊行

宮口幸治さん著『ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ』

宮口幸治さん著『ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ』

宮口幸治さん著『ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ』が新潮社より刊行されました。本書は、『ケーキの切れない非行少年たち』『どうしても頑張れない人たち ケーキの切れない非行少年たち2』に続くシリーズ3作目、シリーズ初の小説となります。

 

物語でしか描けない不都合すぎる真実

本書は、2019年の7月に刊行され累計78万部(電子版を除く書籍版のみ)のベストセラーとなっている『ケーキの切れない非行少年たち』の世界を、著者自ら小説化したものです。

 
舞台は要鹿乃原(いるかのばら)少年院という架空の少年院。医局からそこに派遣されて5年になる児童精神科医、六麦克彦の目を通して、現実に起きていることを匿名化して紹介しています。

第1章では少年院出院後に殺人事件を犯した元少年、第2章では妊娠8か月で女子少年院に入院した15歳の少女、第3章では自宅の放火により隣家の女性を焼死させてしまった14歳の少年、第4章では幼女に対する強制わいせつ事件を起こした14歳の少年、の姿が描き出されていきます。

 
著者によると、少年犯罪の世界においてすら二極化が進んでいます。刑法犯の数は減っていますが、再犯率は上がっているからです。恵まれた犯罪者と恵まれない犯罪者がおり、恵まれない犯罪者は年々追い詰められていく傾向にある、とも言えます。本書で描き出されているのはこの「恵まれない犯罪者」たちの姿です。

 
テーマの性質上、厳しい話、一筋縄ではいかない話が多いですが、彼らが更生していくためのノウハウやきっかけも、物語の形でたくさん語られています。中でも、第3章に収録された放火事件の被害者遺族のエピソードは感動的で、この話を聞いて加害者少年が変わっていく様子は胸に迫るものがあります。

 
<本書のあらすじ>

児童精神科医の六麦克彦は、医局から派遣された要鹿乃原少年院に勤務して5年になる。彼がそこで目にしたのは、少年院に堕ちてきた加害者ながら、あらゆる意味で恵まれず、本来ならば保護されてしかるべき「被害者」と言わざるを得ない少年たちの姿だった──。

累計100万部を超えたベストセラー新書の世界を著者自ら小説化、物語でしか伝えられない不都合な真実を描きだす。

 

著者プロフィール

著者の宮口幸治(みやぐち・こうじ)さんは、立命館大学大学院人間科学研究科教授。京都大学工学部を卒業し建設コンサルタント会社に勤務後、神戸大学医学部を卒業。

児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務、2016年より現職。一般社団法人日本COG-TR学界代表理事。医学博士、臨床心理士。

 

ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)
宮口 幸治 (著)

<既刊>

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)
宮口 幸治 (著)

児童精神科医である著者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。

どうしても頑張れない人たち~ケーキの切れない非行少年たち2 (新潮新書)
宮口 幸治 (著)

「頑張る人を応援します」。世間ではそんなメッセージがよく流されるが、実は「どうしても頑張れない人たち」が一定数存在していることは、あまり知られていない。彼らはサボっているわけではない。頑張れないがゆえに、切実に支援を必要としているのだ。大ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』に続き、困っている人たちを適切な支援につなげるための知識とメソッドを、児童精神科医が説く。

 


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