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落合恵子さんが半世紀以上にわたる4人の女性たちの友情と人生を描く『わたしたち』を刊行

落合恵子さん著『わたしたち』

落合恵子さん著『わたしたち』

落合恵子さんによる、半世紀以上にわたる4人の女性たちの友情を描く感動の物語『わたしたち』が河出書房新社より刊行されました。

 

1958年、13歳で出会った「わたしたち」。変わりゆく人生。けれど決して変わることのない「わたしたち」の友情。4人の女性たちの友情と人生を描く、圧巻の長編「シスターフッド小説」が誕生!

「だいじなのは、何になるかではなく、わたしがわたしになっていくこと――」

4人の女の子たちが13歳で出会った1958年から、彼女たちが人生の最終ステージを迎える2021年まで――本作は、それぞれの人生を果敢に生き抜こうとする「わたし」の物語であるとともに、半世紀以上にわたる4人の友情を描いた「わたしたち」の物語でもあります。誰もが翼を持つ存在であることを思い出させてくれる作品です。

 
【本書のあらすじ】

1958年4月、13歳になるその年に、「わたしたち」――美由紀・容子・晶子・佐智子の4人は、希美(のぞみ)学園で出会った。

中高一貫教育の女子校・希美学園は進取の気風に満ちており、さまざまな生徒が集まってきた。だがそれでも、父親が米国人であるミックスルーツの美由紀は、クラスで浮きがちだった。美由紀以外も、「わたしたち」はそれぞれ自分たちではどうしようもない背景を抱えていた。容子と晶子は婚外子だった。佐智子は男の子の誕生が望まれていた家に生まれ、そして優秀な姉に劣等感を持っていた。
中等部一年の夏の臨海学校。「わたしたち」は外房の海を訪れたのをきっかけに、さらに友情を育んでいく。

希美学園には「わたしたち」の背中をそっと押してくれる副校長・鈴木美智子先生の存在があった。月一回の講話で紹介される内外の女性たちの生き方、そして何より美智子先生の存在に、「わたしたち」は励まされていく。

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「誰かの妻になろうと努力する人生よりも、大事なことは、そうと望めば、女性でも大統領や首相を目指せる社会であることだとわたくしは考えます。努力と研鑽を積めば、ですが。医者と結婚して医者の妻になるより、あなたが医者になることのほうが素敵です。弁護士の妻になるより、他でもないあなた自身が人権意識の高い弁護士になることのほうがはるかに素晴らしいのではありませんか」

「しかし、あなたにとって最も大事なことは、何になるかではなく、どう生きるかであり、よりあなた自身になっていくことです。なぜならば、あなたがあなたであること以上に、プレシャスなことはありません」
(本書P24、P39鈴木美智子先生の講話より)

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「わたしたち」は卒業後、それぞれの人生を歩み始める。
その長い道のりを折々に照らしてくれたのは美智子先生の言葉であり、「わたしたち」の存在だった。
昭和~平成~令和を背景に、4人の女たちの半世紀以上にわたる友情と人生を描く、圧巻の著者最高傑作!

 

著者から刊行に寄せて

喪失から得たものがある。
痛みから学びとったものもある。
わたしは、「わたし」でありたい。
求め続けた4人の女たちの暮らしは、
そのまま、
「あなた」の物語りだ。

落合恵子

 

著者プロフィール

(c)神ノ川智早

(c)神ノ川智早

著者の落合恵子(おちあい・けいこ)さんは、1945年生まれ。栃木県出身。作家。子どもの本の専門店「クレヨンハウス」と女性の本の専門店「ミズ・クレヨンハウス」、オーガニックレストラン等を東京と大阪で主宰。「月刊クーヨン」、オーガニックマガジン「いいね」発行人。

主な著書に『三匹の犬と眠る夜』(平凡社)、『おとなの始末』(集英社新書)、『決定版 母に歌う子守唄─介護、そして見送ったあとに』(朝日文庫)、『泣きかたをわすれていた』(河出書房新社)、『明るい覚悟─こんな時代に』(朝日新聞出版)、『偶然の家族』(東京新聞)など多数。『あの湖のあの家におきたこと』『悲しみのゴリラ』(クレヨンハウス)など。数々の絵本の翻訳も手がける。

 

わたしたち
落合 恵子 (著)

1945~2021年――「わたしたち」4人は13歳で出会い 、友情を紡ぎ、それぞれの「わたし」を生き抜いていった。感動長編!

 


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