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「水曜日が休みになると1年365日がすべて休日に隣接する!」宇野常寛さん『水曜日は働かない』が刊行

宇野常寛さん著『水曜日は働かない』

宇野常寛さん著『水曜日は働かない』

宇野常寛さん著『水曜日は働かない』がホーム社より刊行されました。

 

身近な日常から世界と繋がるための宇野常寛さん最新作『水曜日は働かない』

 
水曜日が休みになると1年365日がすべて休日に隣接する――その真実に気づいた「僕」は「急ぎすぎ」で「がんばりすぎ」なこの国の人々に提案する。「水曜日は働かない」べきなのだと。

 
文芸サイト「HB」(https://hb.homesha.co.jp/)の人気連載を書籍化。毎週水曜日を「自分を大切にするための時間」に充てることにした著者の日常を綴った、笑えてそして思わず考えさせられるエッセイ集です。

 
【内容紹介】
働かない、飲み会に参加しない等、何かを「する」でなく、「しない」ことから見えてくる幸福論、第1部 「水曜日は働かない」(13篇)、批評家として「テラスハウス」「大豆田とわ子と三人の元夫」「ジョーカー」「花束みたいな恋をした」等近年の作品を論じた第2部「2020 年代の想像力」(8篇)、チームラボの猪子寿之さんや、香港の政治運動家である周庭さんとの交流などを綴った第3部「水曜日も働く人たち」(8篇)を含んだ全29篇。

 
「これは社会批評なのかただの日記なのか?
もちろん両方だ。
もっとも個人的なことこそもっとも公共的なのだから」
――成田悠輔さん推薦!(イェール大学助教授、半熟仮想株式会社代表)

 
【本文より】
2019 年の7月24日の、たぶん午前11時30分ごろ。僕たちは毎週水曜日に働くことを、やめた。

それは夏の、暑い日の朝だった。僕と相棒の T氏は朝いちばんで集まって、10キロのランニングを終えた。見上げた空はピーカンで家から一歩出るともう、それだけで茹で上がるような気分になっていた。僕たちはビルの谷間の日陰を選んで、身を隠すように走った。それでも走り終えたときは全身から汗が吹き出して、雨上がりの傘のようになっていた。コンビニに駆け込んで、僕はオールフリーの350ミリリットル缶を、T氏はストロングゼロレモンの500ミリリットル缶を買い求め、そして乾杯した。そして厳かに誓い合ったのだ。水曜日は働かない。僕たちは決して水曜日は働かないことにしよう、と。

★第1話を試し読み公開中:https://hb.homesha.co.jp/n/ne7283c486d3f

 

本書の構成

第1部 水曜日は働かない
第1話 水曜日は働かない
第2話 あの森にカブトムシはまだいない
第3話 マラソン大会は必要ない
第4話 僕たちに酒は必要ない
第5話 そもそも家から出ていない
第6話 実は免許を持っていない
第7話 食べるチャンスは逃さない
第8話 同じものしか食べていない
第9話 汚辱にまみれて生きられない
第10話 実は免許を持っていない2
第11話 実は免許を持っていない3
第12話 オリンピックに間に合わない
最終話 水曜日しか働かない

第2部 2020年代の想像力
第1回 窓ぎわにトットちゃんはもういない
第2回 テラスハウスは終わらない
第3回 誰かと一緒に生きられない
第4回 この世界にジョーカーはもういない
第5回 この国に「寅さん」はもういない
第6回 僕たちにエヴァンゲリオンは必要ない
第7回 「花束みたいな恋」はしない
第8回 オリンピックで走れない

第3部 水曜日も働く人たち
第1回 周庭のこと
第2回 21世紀の死神博士たち
第3回 議論は〈ゲーム〉であってはいけない
第4回 「遅いインターネット」最大の危機
第5回 「書くこと」から「読むこと」へさかのぼる
第6回 「書く」という「暮らし」を学ぶ
第7回 これからの京都の話をしよう
第8回 猪子寿之と「人類を前に進めたい」

 

著者プロフィール

著者の宇野常寛(うの・つねひろ)さんは、1978年生まれ。批評誌〈PLANETS〉編集長。立教大学社会学部兼任講師。

著書に『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』『日本文化の論点』『母性のディストピア』『若い読者のためのサブカルチャー論講義録』『遅いインターネット』など、共著に石破茂さんとの対談『こんな日本をつくりたい』、『静かなる革命へのブループリント――この国の未来をつくる七つの対話』などがある。

★Twitter:https://twitter.com/wakusei2nd

 

水曜日は働かない
宇野 常寛 (著)

 
【関連】
第1話 僕たちはなぜ、水曜日に働くことをやめたのか 宇野常寛「水曜日は働かない」|HB ホーム社文芸図書WEBサイト

 


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