小学館が電子書籍版女性向けライトノベル[それいゆ文庫]シリーズを配信開始!
小学館は、いま電子書籍の分野でもっとも注目を集める「女性向けライトノベル」市場に向けて、新シリーズ「それいゆ文庫」の配信をスタートしました。
新進気鋭の作家と絵師がコラボレーションした書影をはじめ、「もっと自由に、もっとみずみずしく」をコンセプトに、個性的な登場人物たちが躍動するハートウォーミングな作品が毎月続々登場。既存ライトノベルの王道フォーマットにこだわらず、作家が描きたい新たな世界観を追い求めていきます。
初回配信は
◎佐倉紫さん『マダム・ベンゼルクの読書係』(イラスト:ウエハラ蜂さん)、
◎朝陽ゆりねさん『一角瑞獣のいるスコーン店 ~人見知りの店長は神の使いに守られています~』(イラスト:はせがわLinoさん)、
◎アドウマドカさん『僕たちの祈りの言葉 ~神職見習い水島華山、千年伝説に挑む~』(イラスト:spikeさん)、
◎砂川雨路さん『箱庭の歳時記 ~この人を、愛そうと、決めた~』(イラスト:カトーナオさん)、
◎榎木ユウさん『憑かれた僕らはワケあり物件に癒されたい ~足立不動産「沈められたファイル」~』(イラスト:文月マロさん)
…の5作品。
今後、毎月2~3作品ほど配信していきます。
★それいゆ文庫シリーズの特設サイト:https://pdmagazine.jp/soleil-bunko/
マダム・ベンゼルクの読書係 佐倉紫 (著), ウエハラ蜂 (イラスト) ベンゼルク伯爵夫人の読書係になったアマーリエは、夫人から20年前の思い出を聞かされる。それは、彼女と同じくキーガン大学出身で読書係だった女性の数奇な運命についてだった--。 ベンゼルク伯爵夫人の読書係に応募したアマーリエは、通された居間の天井まで届く本棚にぎっしりと詰められた本に見入っている。キーガン大学で文学研究をするアマーリエに、夫人は朗読を所望する。アマーリエが手に取ったのは、ミンレイの『そして彼女は去りゆく』。かつて発禁になったこともある、女性の自立を描いた作品だ。読み終え、夫人から感想を求められたアマーリエが忌憚のない意見を述べると、「あなたほど、はっきりと意見を述べる子は、そうはいなかった」とほがらかに笑う。そして夫人は20年前にアマーリエと同じ意見を述べた読書係の思い出を語りはじめるのだった。同じキーガン大学の出だったその女性は、家の都合で大学を辞めて、子供を持ちながら再び通学し、卒業して、今は公爵夫人となったという―― |
一角瑞獣のいるスコーン店 ~人見知りの店長は神の使いに守られています~ 朝陽ゆりね (著), はせがわLino (イラスト) 御厨恵璃、25歳。スコーン店店長。コミュ障系女子。ボディガードは平安系もののけ。額から角が生えている。 恵璃(めぐり)の前に珍しく姿を見せた義兄。結婚報告かと思いきや、これを機に縁を切ろうと言い出した。 |
僕たちの祈りの言葉 ~神職見習い水島華山、千年伝説に挑む~ アドウマドカ (著), spike (イラスト) 石之守家の者は、56歳になると死ぬ。1000年前に交わしたという「覚書」の謎に、世代を超えた三人が迫る壮大なファンタジー。 石之守家の者は、56歳になると死ぬ。例外なく死ぬ。村の大地主で石之守酒造の社長・石之守清はまもなく56歳になろうとしている。清を助けたいと行動を起こしたのは、代々緑王神社で宮司を務めてきた家の一人息子で、まだ高校生の水島華山と、幼馴染みの長谷川泉子だった。世代を超えた三人の奇妙な友情。神職見習いの華山は祈りを込めて祝詞を上げ、泉子は願掛けをして、何とか清の命を永らえようとしているが、石之守村では1000年前の神との約束がまだ続いている。泉子が時折口にする「太古の記憶」とは? |
箱庭の歳時記 ~この人を、愛そうと、決めた~ 砂川雨路 (著), カトーナオ (イラスト) 父を亡くし、天涯孤独となったいばらを引き取って夫となった扇唯一。だが23歳年上の夫が父の話をする時、いばらの胸は微かに疼く・・・・・・。 大晦日の昼下がり。高校生の扇いばらは、温かなマンションのダイニングであんこ作りに取りかかっていた。ザルに小豆をあけ、さっと水洗いする。手で豆を掻くと、ジャキジャキと小気味好い音が響く。これを雪平鍋に移し、たっぷり水を入れて、ガスコンロの火をつけて煮込む。高校の先輩たちに初詣に誘われたいばらだったが、保護者の同伴なしに深夜に外出するのは駄目だと、夫の唯一に止められた。沸騰してきた鍋を流しに運び、小豆をザルにあけた。いばらにとっては、初めて経験する日本のお正月になるはずで、すべてが新鮮だった。長くイギリスで暮らしてきたいばらは、日本の文化や行事をよく知らない。幼い頃に母と死に別れ、4か月前に父も亡くしたいばらを迎えにきたのが、父の大学の後輩の唯一だった。23歳年上の唯一と結婚して日本で暮らすことになったのだ。玄関の開く音がする。唯一が帰ってきた。「おかえりなさいませ、あなた」。棒読みの挨拶。唯一は「それ、やめなさい」と嫌がるが、いばらは夫婦らしいやりとりというものを試してみるのが好きだった。いばらと唯一、二人は秘密を抱えている―― |
憑かれた僕らはワケあり物件に癒されたい ~足立不動産「沈められたファイル」~ 榎木ユウ (著), 文月マロ (イラスト) 古びた商店街に店を構える足立不動産は、不思議と客足が絶えることがない。今日もまた一人、悩みを抱えた客が訪れる。 宙が勤める足立不動産の社長が亡くなった。新たに社長に就任したのは、先代の孫でまだ二十代の櫂。葬儀で初めて会った時は笑顔の素敵なイケメンだと思っていたのだが、初七日を終えてからはまるで鬼。お茶汲みと掃除くらいしか取り柄のない宙は、櫂からポンコツ呼ばわりされている。ある日、睡眠障害がひどくて朝起きられないと訴える客がやってきた。カウンセラー運上の紹介だと聞いた櫂が、事務所の奥から持ち出してきたのは……『沈められたファイル』!? げ! 思わず声が出てしまった宙。幸い、客には聞かれなかったようだが、そこに収録されているのは瑕疵物件。櫂は、堂々と心理的瑕疵物件であることを明かしたうえで、客にあるアパートを勧めるのだった―― |
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