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”ガラスの詩人”ヴェネチアングラス作家・土田康彦さん初の小説『辻調鮨科』が刊行 アーティストとしての原点である「辻調理師専門学校」を舞台にした青春小説

土田康彦さん著『辻調鮨科』

土田康彦さん著『辻調鮨科』

ムラーノ島にスタジオを構える唯一の日本人として、強いメッセージ性を持つ作風から「ガラスの詩人」の異名を持つヴェネチアングラス作家、土田康彦さん初の小説『辻調鮨科』が祥伝社より刊行されました。

 

食の道を志す専門学生の奮闘を描く、若さ眩しい青春小説!

『辻調鮨科』は、土田康彦さんが実際に通った、辻調理師専門学校を舞台に、様々な背景を持つ生徒たちが、ほの暗い過去を背負った先生の元で修行をする中で起こる小さな事件や、葛藤、交情を描いています。

 
80年代の時代背景がきめ細やかに描かれ、ひりつくような心の痛みや哀しみ、恋心など青春時代特有の瞬間を切り取った本作は、土田さんのガラス作品のように、色彩豊かな読後感を読者に与えてくれます。

 
世界でアーティストを目指すために「腕のいい調理師なら世界のどこにいっても通用する」と「食」の修行を選んだ土田さん。「食」と「アート」の両立をめざすために入学した辻調で学んだのは「知性と品格」だと取材で語っています。

 
現在、世界を代表するヴェネチアングラス作家となった土田さんの原点でもある、当時の「辻調」が鮮やかに描かれた作品です。

 

著者プロフィール

著者の土田康彦(つちだ・やすひこ)さんは、ヴェネツィア・ムラーノ島にスタジオを構える唯一の日本人アーティスト。1988年辻調理師専門学校卒業と同時に日本を離れ、パリで食と芸術の道を志す。

1992年イタリア・ヴェネツィアに住まいを移し、老舗レストラン「ハリーズバー」に勤務するかたわら各地で個展を開催。1995年からムラーノ島にてヴェネツィアンガラス制作に携わり、世界を舞台に精力的な創作活動を展開。
2015年のミラノ万博では、日本館にて書家 紫舟さんの書をガラスで造形した作品を発表。
日本館は200万人以上の来館を記録し最優秀金賞に。2016年のヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展 日本館にて403architecture[dajiba]の『ガラス橋-en』に制作協力、日本館は審査員特別賞を受賞。多様な作風の中にも一貫した強いメッセージやコンセプト、哲学が根底に存在し「ガラスの詩人」の異名を持つ。

近年では、執筆、食、建築、映画、ファッション、音楽など、ジャンルを超えた活動や作家たちとのコラボレーションも注目されている。

★公式サイト:https://tsuchidayasuhiko.it/

 

辻調鮨科
土田康彦 (著)

はぐれ者に落ちこぼれ、誰が握ろうと鮨は生き様。
食の道を志す専門学生の奮闘を描く、若さ眩しい青春小説!

色んな人が鮨を握る、それだけの話。
ベネチアガラス作家の土田と初めて会ったのは、
『HANA-BI』がベネチアでグランプリを獲った夜だった。
辻調卒の彼が描く架空のクラス。
この多様性は彼の夢の世界なのかもしれない。
――北野武(映画監督)

 
「命がけで鮨を握ろうという覚悟がある者だけ、ここに残れ。できない者には、退学を勧める」
開口一番、城島先生は宣言した。僕たち鮨科一期生は震えあがった――。
昭和六十三年春、大阪。世界に名だたる辻調理師専門学校、通称「辻調」に鮨科が新設された。岡山の平凡な豆腐屋の息子として育った僕、長谷川洋右は、どこか生半可な気持ちのまま鮨科に入学する。基本となる大根のかつら剥きさえ満足にこなせない落ちこぼれの僕に厳しくも辛抱強く教えてくれたのは、口下手で強面だが腕は一流、赤坂の名店仕込みの城島先生だった。尊敬すべき先生にはしかし、知られざる壮絶な来歴があった……。

 


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