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【山本七平賞】第26回は受賞作なし 奨励賞に岩井秀一郎さん『多田駿伝』

PHP研究所は9月11日、第26回山本七平賞の最終選考会を開催し、最終選考結果を発表しました。

 

第26回山本七平賞 最終選考結果

第26回山本七平賞の最終選考結果は次の通りです。

 
【山本七平賞】

該当作なし

 
【奨励賞】

受賞作:『多田駿伝』(小学館 2017年3月6日)

著者:岩井秀一郎(いわい・しゅういちろう)さん

1986年9月3日、長野県佐久市生まれ。歴史研究者。1994年より、埼玉県深谷市在住。2007年4月、日本大学文理学部史学科に入学。2011年3月、同大学卒業。以後、一般企業で働くかたわら、昭和史を中心とした歴史研究・調査を続けている。本書が初めての著書。

 
岩井秀一郎さんには、副賞として30万円、記念品として腕時計、山本七平さん著『静かなる細き声』の特装本が贈呈されます。贈呈式は11月21日午後6時より、都内で開催予定です。

 
なお、最終候補作は以下の3作品でした。

【最終候補作】 ※五十音順。
『安保論争』(細谷雄一さん著、ちくま新書)
『「海道東征」への道』(新保祐司さん著、藤原書店)
『多田駿伝』(岩井秀一郎さん著、小学館)

 

山本七平賞について

山本七平賞は、平成3年12月に逝去した山本七平さんの長年にわたる思索、著作、出版活動の輝かしい成果を顕彰することを目的に、平成4年5月に創設されました。

賞の対象となる作品は、前年7月1日から当年6月末日までに発表(書籍の場合は奥付日)された書籍・論文で、選考委員は、伊藤元重さん(学習院大学教授)、呉善花さん(拓殖大学教授)、中西輝政さん(京都大学名誉教授)、養老孟司さん(東京大学名誉教授)の4氏。

 

多田駿伝: 「日中和平」を模索し続けた陸軍大将の無念
戦後日本人はなぜこの男の存在を忘れたのか

「圧倒的な事実で迫る昭和秘史」――古川隆久・日本大学教授推薦
昭和13年1月15日、首相官邸において「大本営政府連絡会議」が開かれた。蒋介石率いる中華民国との和平交渉を継続するのか、それとも打ち切って戦争に突き進むのか、日本側の最終決断がいよいよ決せられようとしていた。近衛首相、廣田外相、米内海相らが居並ぶこの会議で、たった一人「戦線不拡大」を訴えたのが、参謀次長・多田駿だった。
「声涙(せいるい)共に下る」――多田は、日中間で戦争をすることが両国民にとっていかに不幸なことであるかを唱え、涙ながらに日中和平を主張したという。しかし、その意見が受け入れられることはなく、以後日本は泥沼の日中戦争に嵌っていくことになる。
陸軍屈指の「中国通」として知られ、日中和平の道を模索し続けた多田駿。だが、これまで評伝は1冊もなく、昭和史の専門家以外にはその名を知る人はほとんどいない。
「多田駿とは何者か?」著者はその疑問を解くために、厖大な数の文献を読み漁り、遺族を訪ねて未発表史料を発掘しながら、その足跡を丹念にたどっていく。
戦後日本人が忘れていた一人の“良識派”軍人の素顔がいま初めて明らかになる。

【編集担当からのおすすめ情報】
編集担当者は、恥ずかしながらこの作品に出合うまで「多田駿」という人物を全く知りませんでした。一時は、東條英機と並び陸軍大臣の最終候補にまで挙げられていたにもかかわらず……。しかし、本作品を通じて、この人間味あふれる“良識派”軍人の存在を知った今となっては、一人でも多くの日本人にその思想と言動を知っていただきたいと思っています。本書は、単なる過去の回想録や昭和史の論考というにとどまらず、現在の日中関係や日本人の世界観にも多くの示唆を与えるものと確信しています。ぜひご一読ください。

 
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