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「第43回野間文芸新人賞」候補作が発表 井戸川射子さん、木崎みつ子さん、島口大樹さん、杉本裕孝さん、遠野遥さん、三国美千子さんの計6作品

「第43回野間文芸新人賞」候補作が決定

「第43回野間文芸新人賞」候補作が決定

講談社は9月29日、第43回野間文芸新人賞の候補作6作品を発表しました。

最終結果の発表は11月4日の予定です。なお、当日は第74回野間文芸賞、第59回野間児童文芸賞および第3回野間出版文化賞も同時に発表されます。

 

「第43回野間文芸新人賞」候補作品

第43回野間文芸新人賞の候補作品は、次の6作品です。

 
<第43回野間文芸新人賞 候補作品>

◎井戸川射子(いどがわ・いこ)さん
 『ここはとても速い川』(講談社)

◎木崎みつ子(きざき・みつこ)さん
 『コンジュジ』(集英社)

◎島口大樹(しまぐち・だいき)さん
 『鳥がぼくらは祈り、』(講談社)

◎杉本裕孝(すぎもと・ひろたか)さん
 「ピンク」(文藝春秋『文學界』掲載)

◎遠野遥(とおの・はるか)さん
 「教育」(河出書房新社『文藝』掲載)

◎三国美千子(みくに・みちこ)さん
 『骨を撫でる』(新潮社)

 

野間文芸新人賞について

野間文芸新人賞は、講談社初代社長・野間清治さんの遺志により設立された財団法人野間文化財団が主催。純文学の新人に与えられる文学賞です。

受賞者には、正賞として賞牌、副賞として100万円が贈られます。

 

ここはとても速い川
井戸川 射子 (著)

第一詩集『する、されるユートピア』で第24回中原中也賞を受賞した注目詩人による、初めての小説集。

児童養護施設に暮らす小学5年生の集(しゅう)。園での年下の親友・ひじりとの楽しみは、近くの淀川にいる亀たちを見に行くことだった。温もりが伝わる繊細な言葉で子どもたちの日々を描いた表題作と、小説第一作「膨張」を収録。

コンジュジ
木崎 みつ子 (著)

【第44回すばる文学賞受賞作】
【第164回芥川賞候補作】

二度も手首を切った父、我が子の誕生日に家を出て行った母。
小学生のせれなは、独り、あまりに過酷な現実を生きている。
寄る辺ない絶望のなか、忘れもしない1993年9月2日深夜、彼女の人生に舞い降りたのは、伝説のロックスター・リアン。
その美しい人は、せれなの生きる理由のすべてとなって……
一人の少女による自らの救済を描く、圧巻のデビュー作。

【川上未映子氏、絶賛!】
とんでもない才能。
サバイブの果てに辿り着く、こんなに悲しく美しいラストシーンをわたしは他に知らない。
深く、胸を打たれた。
この小説が見せてくれたもの、ずっとわたしの宝物です。

鳥がぼくらは祈り、
島口 大樹 (著)

第64回群像新人文学賞受賞!
高2の夏、過去にとらわれた少年たちは、傷つき躊躇いながら未来へと手を伸ばす。清新な感覚で描く22歳のデビュー作。
日本一暑い街、熊谷で生まれ育ったぼくら4人は、中1のとき出会い、互いの過去を引き受け合った。4年後の夏、ひとつの死と暴力団の抗争をきっかけに、ぼくらの日々が動き始める――。孤独な紐帯で結ばれた少年たちの揺れ動く〈今〉をとらえた、新しい青春小説。

(群像新人文学賞選評より)
・〈文法の破綻した叫び〉こそが高二のぼくらのリアルな何事かを言語的に表現する、との説得力。――古川日出男氏
・私がいちばん感心したのは〈一人称内多元視点〉と呼ぶべき視点のつくり方だった。これは文学的に有意義な試みだと思う。――松浦理英子氏

骨を撫でる
三国 美千子 (著)

「死ぬまで親きょうだいを切られへん」三島賞作家の受賞後第一作品集。「きょう日、みな金、金、金や。けったくそ悪い」どの家にもそれぞれ汚点となる人間がいた。そこから家族にがたがくるのか、家族にがたがきているから勝手をする人間が出てくるのか。わりを食うのは優しく、弱い立場の人間だ――。土地と血縁に縛られ、しぶとく、したたかに生きる人間の姿を描き出す表題作ほか一篇収録。

 
【関連】
第43回「野間文芸新人賞」候補作品のお知らせ〔PDF〕

 


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