本のページ

SINCE 1991

辰巳出版が翻訳書レーベル「&books」を創刊! 第1弾は『アンオーソドックス』

デボラ・フェルドマンさん著『アンオーソドックス』(訳:中谷友紀子さん)

デボラ・フェルドマンさん著『アンオーソドックス』(訳:中谷友紀子さん)

辰巳出版は、翻訳書新レーベル「&books」を創刊し、創刊第1弾として、ニューヨークにあるユダヤ教超正統派〈ウルトラ・オーソドックス〉の閉鎖的なコミュニティから、自由と自立を求めて脱出した女性の回想録『アンオーソドックス』(著:デボラ・フェルドマンさん/訳:中谷友紀子さん)を3月5日に刊行しました。

 

「&books」を創刊! 第1弾は自由を求め閉鎖的な宗教コミュニティから脱出した勇気ある女性の実話

本書はこれまで厚いベールに包まれていたユダヤ教超正統派〈ウルトラ・オーソドックス〉での厳しい戒律や生活、そんなコミュニティからの脱出までを赤裸々に綴ったことが話題となり、ニューヨークタイムズベストセラー入りをはたし、2020年には本書を原作としたNetflixオリジナルシリーズ「アンオーソドックス」が配信されました。

 
◆「生きづらさ」を抱え、行動を起こした女性の半生

<あらすじ>
2009年秋、23歳のデボラ・フェルドマンは、幼い息子とわずかな持ち物だけを車に乗せて、自身の暮らしていたニューヨークにあるユダヤ教超正統派コミュニティと決別した。

そのコミュニティでは、正しい服装、言葉を交わす相手、読んでいい本まですべてが“しきたり”で決められている。英語を使うことは禁じられ、女性は人前で歌うこともできず、結婚後は髪を剃ってカツラを被ることを強制される。

幼いころからジェイン・オースティンなどの小説を隠れて読んだデボラは、自立心に富んだ登場人物たちに触発され、自由な生き方を思い描くようになるのだが……。

――不自由と監視の目から逃れ、自由と自立を求め、コミュニティからの脱出をはたした勇気ある女性のアンオーソドックスな半生を綴った回想録。

 
◆作家・西加奈子さんより寄せられた推薦コメント

「心から信じられるものがある人は強い。デボラのように、それが与えられたものではなく、みずから選びとったものである場合はなおさら」

 
◆「これは“わたしたち”の物語」 多数の賛辞と共感の声

厳しい戒律に縛られる生活の中で強く生きるデボラの姿に、発売前から多数の共感の声が寄せられています。

◎「痛快でいて爽快な読後感。本がもたらす力を実感させる回想録」
HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE 店長 花田菜々子さん

◎「最も困難だった時期に彼女を救ったのが物語(本)だったというのは、書店員としてとても勇気づけられた」
紀伊國屋書店 和書販売促進部 佐貫聡美さん

◎「自らの幸せをただただ求めた信念の強さに圧倒された。かなり秀逸で心に残る作品」
未来屋書店大日店 文芸担当 石坂華月さん

◎「「この本は殺された彼女の遺言だ」という言葉に、パーンと胸を撃ち抜かれた」
レビュアー 羽原由記さん

◎「デボラの不自由さ、屈辱、そして反抗心。読み進むにつれ、昭和の片田舎に生まれた左利きである ことを揶揄され、「赤毛のアン」に跳躍する未来を読んだ少女だった私が顔をもたげてきた。これは、人種や性別を超えた「わたしの物語」だ」
教育関係者 田中美紀さん

◎「当たり前は決して当たり前ではないのだ。 自分らしく生きることの素晴らしさを実感できる作品である」
図書館関係者 やまとさん

 
なお、NetGalleyでは、『アンオーソドックス』を先行公開中です。レーベルの創刊を記念して、本書の読者を対象とした、オリジナルトートバッグのプレゼントキャンペーンも行っています。

※詳細は下記NetGalleyページをご覧ください

★NetGalley:https://www.netgalley.jp/
★NetGalley 作品詳細ページ:http://netgal.ly/JAhO8X

 

著者プロフィール

 
■著者:デボラ・フェルドマン(Deborah Feldman)さん

ニューヨークにあるユダヤ教の「超正統」、ハシド派のコミュニティに生まれ育つ。故郷を去るまでの半生を綴った本書『アンオーソドックス』は、NY Times ベストセラーリストに入り、センセーションを巻き起こした。

自伝をもとにしたミニシリーズは「Netflix」で配信中。現在はベルリン在住。

 
■訳:中谷友紀子(なかたに・ゆきこ)さん

神奈川県生まれ。京都大学法学部卒業。英米文学翻訳家。

訳書にフリン『ゴーン・ガール』、ホルスト『警部ヴィスティング カタリーナ・コード』(以上、小学館文庫)、イーガン『マンハッタン・ビーチ』(早川書房)、チューダー『アニーはどこにいった』(文藝春秋)などがある。

 

アンオーソドックス (&books)
デボラ・フェルドマン (著), 中谷 友紀子 (翻訳)

「わたしが手に入れたのは幸せ以上のもの、それは本当の自分でいられることだ。自分らしく生きられる、そのことがうれしい。もしも誰かに偽りの自分でいることを強いられているなら、あなたも勇気を出して抗議の声をあげてほしい」
――本書エピローグより

「物心ついたときから、デボラは心に空白を抱えていた。幼いころにイギリス出身の母はコミュニティを抜け、父には子どもを育てる能力がなかったため、デボラは年老いた祖父母に引きとられる。口うるさいおばをはじめ、おおぜいの親族との交流はあるものの、自分の居場所は見つからず、なによりも戒律でがんじがらめの生活が窮屈でたまらなかった。
コンピュータや携帯電話はもちろん、家にはテレビさえなく、映画も観たことがない。安息日のあいだは一切の労働が禁止されるため、ものを運ぶこともできない。女の子は十二歳で成人すると人前で歌うことを禁じられ、高等部に上がると素肌と見間違われないよう、太いシームの入った茶色いストッキングを穿かなければならない。会話や読み書きはイデッシュ語のみで、魂を毒する不浄な言語とされる英語を使うと、厳格な祖父に雷を落とされる。そんななかでも、反抗心旺盛なデボラは見つからないよう遠くの図書館や書店へ通い、禁じられた英語の本『自負と偏見』や『若草物語』をこっそり読んでは、外の世界への憧れを膨らませ、渇望を満たそうとする。
世界の中心ともいえる現代のニューヨークに、これだけ閉鎖的で得意な社会が存在することに驚かずにはいられないが、少女時代の回想にはどこかのどかな、微笑ましいような雰囲気も漂っている。長い伝統を持つ祝祭の数々や、祖母の作るユダヤ料理やハンガリー料理。学校やサマースクールでの他愛ないいたずら。すべてが生き生きと細やかに描写されている。〈中略〉

抑圧は女性に対するものだけではない。ここに語られるサトマール派コミュニティは独自の救急隊や自警団や教育関係を運営するほど固い結束を誇る集団で、うまく順応すれば安心と一体感をもって暮らすことができる。だが和を重んじるあまり秩序に異を唱えることを許さず、つねに互いを監視しあっているため、そこになじまない人間には生きづらい場所でもある。その閉塞感をわたしたちは他人事と言い切れるのだろうか。〈中略〉

メイキング映像<アンオーソドックス――製作の舞台裏――>のなかで、主演のシラ・ハースがこの作品のテーマは“声を持つこと”だと語っている。その言葉のとおり、本書は生きづらさを抱えるすべての人に、声をあげることの大切さを教えてくれる。そして、いまいる世界がすべてではなく、苦しければ逃げてもいいのだと背中を押してくれる。」
――本書〈訳者あとがき〉より抜粋

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です