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【訃報】評論家・犬養道子さんが死去 難民救済活動に尽力 犬養毅元首相の孫

評論家で作家の犬養道子(いぬかい・みちこ)さんが7月24日、老衰のため神奈川県秦野市内で死去しました。96歳。東京出身。告別式は8月1日午後1時30分から東京都千代田区麹町6の5の1、聖イグナチオ教会にて。喪主は甥の拓さん。

 
犬養道子さんは、五・一五事件で暗殺された犬養毅元首相の孫で、白樺派の作家で、元・法務大臣の犬養健(いぬかい・たける)の長女。女子学習院卒業後、津田英学塾(現・津田塾大学)を経て、アメリカやフランスの大学で聖書学などを学びました。1958年に欧米歴訪の体験を描いた『お嬢さん放浪記』でデビューし、比較文化に関する評論活動を展開。

1970年代以降、飢餓や難民問題に精力的に取り組み、世界各地の難民キャンプや紛争地に赴いて活動。私財を投じて難民に奨学金を支給する犬養基金(現・犬養道子基金)を設立。

麗沢大学客員教授や聖カタリナ女子大学(現・聖カタリナ大学)客員教授も務めています。

 
『国境線上で考える』『人間の大地』『旧約聖書物語』『聖書を旅する』『一億の地雷 ひとりの私』『こころの座標軸』など著書多数。

『国境線上で考える』は1989年に毎日出版文化賞を受賞。また、1970年の自伝的エッセイ『花々と星々と』はドラマ化され、犬養道子さん役を斉藤こず恵さんが演じています。

 
ちなみに、母方の曾祖父は長与専斎と後藤象二郎、異母妹に俳優・奥田瑛二さんの妻でエッセイスト・テレビキャスターの安藤和津さんがいます。弟は元・共同通信社社長の故・犬養康彦さん。国際連合難民高等弁務官だった緒方貞子さんは従姉の娘。

 

国境線上で考える
多くの異語・異人種・異国人のなかを縦横にかけめぐる国境人として、凄惨きわまる難民たちの問題や「繁栄」をほこる「国際化」日本のあり方を、もっとも実践的で自由な視角から考える。

 
人間の大地
繁栄と豊かさにおぼれた私たちは、世界の飢えた子供らの死に手をかしてはいないだろうか。現在そして未来をおびやかす飢餓の正体を真剣に考えぬ限り、私たちも21世紀まで生きのびることはできない。今、この全地球的脅威に対し、何をただちになすべきかを示す。 –このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

 
こころの座標軸
日常の出来事から世界情勢までを独特の語り口で説き、人間の本質を鋭い眼差しとユーモアで綴ったエッセイ。『婦人之友』2004~2006年1月号に、大手術をしながら1回の休載もなく掲載したものに加筆しまとめる。

 
【関連】
犬養道子基金ホームページ
犬養道子氏「天窓は開かれていた」:日経ビジネスオンライン

 


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