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文芸誌『文藝』が創刊以来86年ぶりに3刷 「韓国・フェミニズム・日本」を特集

文芸誌『文藝』が創刊以来86年ぶりに3刷

文芸誌『文藝』が創刊以来86年ぶりに3刷

河出書房新社は、7月5日に発売した季刊文芸誌『文藝』2019年秋季号の3刷を12日に決定しました。本誌の3刷は、1933年の『文藝』創刊号以来86年ぶり、2度目となります。

7月9日に決定した、2002年冬季号以来17年ぶりの2刷は、問い合わせが殺到し、即日予約のみで完売。その後も注文の勢いは止まらず、この度3刷が決まりました。

 

2刷増刷分は予約でほぼ完売! 「韓国・フェミニズム・日本」を特集した文芸誌『文藝』2019年秋季号、1933年創刊号以来の3刷決定!

『文藝』は、1933年11月に創刊された日本でも最も歴史の古い文芸誌のひとつであり、戦時中に唯一刊行されていた文芸誌です。創刊号はロシアの文豪・ゴーリキーの「世界未発表作」と銘打った書き下ろし作品「肥大漢」を掲載するなどし、5刷を記録しました。

 
今回3刷となる『文藝』2019年秋季号の特集は、「韓国・フェミニズム・日本」。

ベストセラー『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者チョ・ナムジュさんや直木賞作家の西加奈子さんらによる日韓作家10人による短篇競作を中心に、韓国文学ブームの立役者・斎藤真理子さんと、日本を代表する翻訳家のひとり・鴻巣友季子さんによる対談や、エッセイ・論考などで構成された特集です。

アジア初の国際ブッカー賞作家・ハン・ガンさんによる本誌のための書き下ろし作品や、シンガーソングライターのイ・ランさんの世界初公開小説、韓国人の日本語ラッパー、MOMENT JOONさんによる自伝的小説「三代」の抄録が話題となっています。

また特集外でも、いとうせいこうさん「福島モノローグ」、柴崎友香さん×岸政彦さん「大阪」などの連載に加え、新連載の磯部涼さん「移民とラップ」といった現代的トピックを扱った記事も読者が増えた一因と考えられます。

 
目次を発売前に先行公開したところ、SNSを中心に話題となり、発売初日から完売店が続出し、異例の増刷が決定しました。これにより更に注目が集まり、BuzzFeed JAPANのニュース記事「『文藝』17年ぶり異例の重版 特集は韓国文学とフェミニズム、購入者の半分近くが男性」はYahoo!トップに掲載(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190710-00010001-bfjc-soci)され、他のニュースサイトでも速報が相次ぎ、さらに大きな反響を呼んでいます。

主にSNSで読書好き中心に広まっていた話題がより広い層に伝わったことで注文が加速度的に増え、これにより増刷分がほぼすべて予約で完売するという事態となりました。

 
なお、2刷分3000部は7月19日出来、3刷分3000部は24日出来を予定しています。

 
また、今回の大きな反響を受け、本特集の単行本が11月に刊行されることが決定。単行本化にあたっては本テーマをさらに深めた内容を予定。また本特集をきっかけとして、韓国の出版社との合同企画も現在進行中とのことです。

 

『文藝』2019年秋季号の内容

【特 集】韓国・フェミニズム・日本
対談 斎藤真理子×鴻巣友季子
「世界文学のなかの隣人~祈りを共にするための「私たち文学」」

〈短編〉
イ・ラン「あなたの可能性を見せてください」(斎藤真理子 訳)
小山田浩子「卵男」
高山羽根子「名前を忘れた人のこと~Unknown Man」
チョ・ナムジュ「家出」(小山内園子・すんみ 訳)
西加奈子「韓国人の女の子」
パク・ソルメ「水泳する人」(斎藤真理子 訳)
パク・ミンギュ「デウス・エクス・マキナ~deus ex machina」
ハン・ガン「京都、ファサード」(斎藤真理子 訳)
深緑野分「ゲンちゃんのこと」
星野智幸「モミチョアヨ」

〈わかる! 極める! 韓国文学一夜漬けキーワード集〉

〈エッセイ〉
推しとフェミニズムと私 渡辺ペコ
違うということと、同じということ ハン・トンヒョン
痛みを手がかりに 日本と韓国のフェミニズム 小川たまか

〈論考〉
極私的在日文学論~針、あるいは、たどたどしさをめぐって。 姜信子
物語の中の「他者」と「隣人」~「匂い」で読む韓国女性文学小史 斎藤真理子

〈自伝的小説〉
「三代(抄) 兵役、逃亡、夢」 MOMENT JOON

 
【創作】
山崎ナオコーラ「リボンの男 」(140枚)
子育て中の主夫の時給はいくら? 「時給かなりマイナスの男」の主人公が、野川沿いの道を三歳の息子と歩きながら発見する、新しい”シュフ”の未来。新境地を示す傑作!

吉村萬壱「流卵」(260枚)
「滅び行く人間どもの価値観は全て屑や」―新人類への進化という向こう側の世界に行かなければならない、それこそが選ばれた民の使命。性の目覚めと悪魔崇拝がもつれ合う、奇妙な陶酔と官能。ししし……

陣野俊史「鶴鳴」(160枚)
彼女は言った。「見ようとする者(もん)にしか見えん」と―青白い光とともに飛来した折鶴、その「内側」に折り込まれていた祈りとは?
すぐ隣に在る「世界」を照射する、気鋭の飛躍作。

小川洋子「約束された移動」
佐々木譲「ショッピングモールから始まる」

【特別論考】
安藤礼二「神秘と抽象―鈴木大拙と南方熊楠」
南方熊楠の「曼陀羅」と鈴木大拙の「霊性」は同時代のシュルレアリスムと抽象絵画と共振し、シュヴァルと木喰につながる。世界史的スケールで両巨人の思想を甦らせて未来をゆるがす渾身の力編。

【特別対談】
保坂和志×宇野邦一「新たなるベケットと小説の未来」

【新コーナー】
「キネマ文藝 美しいあの女(ひと)」
第1回「火口のふたり」瀧内公美/柚木麻子

【新連載】
磯部涼 「移民とラップ」【第一回】 日本を歌う
英語から日本語に移植されたラップの言葉を通して、移民化した現代の日本社会の本質と、「日本語」の現在形に迫る、令和のニュー・ジャーナリズム。

【連載完結】
李龍徳「あなたが私を竹槍で突き殺す前に」
排外主義が支配する日本でついに果たされた反攻の計画。それは救済か、破局か 悲しみと抵抗の歴史に終止符は打たれるのか? 超弩級の問題作、完結。

【連載】
いとうせいこう「福島モノローグ」【第二回】THE ESCAPED MOTHERS
柴崎友香×岸政彦「大阪」【第二回】商店街育ち/淀川の自由
最果タヒ「パパララレレルル」【第九回】かみさまの姉
宮内勝典「二千億の果実」【第六回】冬の青空/老いた超人
津原泰水「夢分けの船」【第十二回】
恩田陸 「灰の劇場」【第二十三回】
町田康「ギケイキ」【第二十六回】

季評「文態百版」~文芸の共通言語 2019年4月~6月 山本貴光
文芸的事象クロニクル 2019年3月~5月 山本貴光

「この装幀がすごい! 」第2回ゲスト 山本美希/川名潤・佐藤亜沙美
「はばたけ! くらもと偏愛編集室」倉本さおり
「反安心安全読書日録」第2回 小袋成彬

【書評】
山田詠美『つみびと』【評】武田砂鉄
川上未映子『夏物語』【評】上野千鶴子
古谷田奈月『神前酔狂宴』【評】池澤春菜
彩瀬まる『森があふれる』【評】島本理生
ウティット・ヘーマムーン 福冨渉 訳『プラータナー 憑依のポートレート』【評】小佐野彈
デニス・ジョンソン 藤井光 訳『海の乙女の惜しみなさ』【評】木村紅美
植本一子『台風一過』【評】寺尾紗穂
ルネ・シャール 野村喜和夫 訳著『ルネ・シャール詩集 評伝を添えて』斉藤斎藤

 

 


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