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【第10回辻静雄食文化賞】藤原辰史さん『給食の歴史』が受賞

【第10回辻静雄食文化賞】藤原辰史さん『給食の歴史』が受賞

【第10回辻静雄食文化賞】藤原辰史さん『給食の歴史』が受賞

辻静雄食文化財団は5月27日、よりよい「食」を目指し、新しい世界を築き上げた作品や個人を顕彰する「第10回辻静雄食文化賞」の受賞作品・受賞者を発表しました。

 

辻静雄食文化賞について

辻静雄食文化賞は、食分野の教育と研究に生涯を捧げた辻調グループ創設者・辻静雄さん(1933~1993)の志を受け継ぎ、2010年に創設されました。

同賞は、我が国の食文化の幅広い領域に注目し、よりよい「食」を目指して目覚しい活躍をし、新しい世界を築き上げた作品、もしくは個人・団体の活動を対象に選考し、これに賞を贈るものです。

また特別部門として専門技術者賞を設け、調理や製菓等の現場で活躍する技術者を顕彰しています。

 

「第10回辻静雄食文化賞」受賞作・受賞者

第10回辻静雄食文化賞の受賞作・受賞者は次の通りです。

 
■第10回辻静雄食文化賞

藤原辰史(ふじはら・たつし)さん
『給食の歴史』(岩波新書)

<受賞理由>
近代日本の食文化を考える上で極めて重要な学校給食に着目し、その歴史を緻密に分析した優れた研究である。一次資料にあたりながら、多様な視点から網羅的に論じており、今後の基礎文献となる点が高く評価できる。社会の格差が拡大する今、その可能性を再考しようという問題提起も貴重である。

<作者と作品について>
日本の学校給食について、先行する諸国の給食の歴史にも触れながら、戦前から現在に至るまでの歴史を詳細にたどる。給食制度とその思想は、社会のあり方、政治の思惑や経済事情がからみあい、明暗が交錯する舞台となっている。それを多角的な視点から検証し、給食が時代ごとに果たした役割と課題を浮き彫りにして、今後の可能性を探る。著者は京都大学人文科学研究所准教授。専門は農業史。

 
■第10回辻静雄食文化賞 専門技術者賞

志村剛生(しむら・たけお)さん
「てんぷら 成生(なるせ)」主人
◎「てんぷら 成生」:静岡県静岡市葵区鷹匠2-5-12 1F

 
第10回辻静雄食文化賞の選考委員会は、石毛直道さん(委員長/国立民族学博物館名誉教授、文化人類学者)、鹿島茂さん(明治大学教授、フランス文学者)、湯山玲子さん(著述家、プロデューサー)、福岡伸一さん(青山学院大学教授、分子生物学者)、西山嘉樹さん(元・文藝春秋編集者)、辻芳樹さん(辻調グループ代表 学校法人辻料理学館理事長、辻調理師専門学校校長)、八木尚子さん(辻調グループ 辻静雄料理教育研究所副所長)。

なお、第10回辻静雄食文化賞贈賞式は、7月4日に東京・八芳園にて開催予定。

 

給食の歴史 (岩波新書)
藤原 辰史 (著)

小中学校で毎日のように口にしてきた給食。楽しかったという人も、苦痛の時間だったという人もいるはず。子どもの味覚に対する権力行使の側面と、未来へ命をつなぎ新しい教育を模索する側面。給食は、明暗二面が交錯する「舞台」である。貧困、災害、運動、教育、世界という五つの視角から知られざる歴史に迫り、今後の可能性を探る。

 
【関連】
お知らせ|辻静雄食文化財団

 


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