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『枕草子のたくらみ』が発売即重版! 戦略家・清少納言の隠された“たくらみ”が解き明かされる!

『枕草子のたくらみ』が発売即重版! 戦略家・清少納言の隠された“たくらみ”が解き明かされる!

『枕草子のたくらみ』が発売即重版! 戦略家・清少納言の隠された“たくらみ”が解き明かされる!

清少納言の『枕草子』には隠された“たくらみ”を解き明かした平安文学研究者・山本淳子さんの『枕草子のたくらみ』が4月に発売されまいたが、売れ行き好調で、発売即重版となっています。

 
平安に暮らす女房の視線で、その日常を明るく軽やかに描いた随筆として有名な『枕草子』は、じつは、清少納言の気楽な日記などではなく、平安政治社会のなかで潰されずに生き抜くため、周到な戦略が練られた書だったと、山本淳子さんが明かしています。

これまでの明るい清少納言のイメージを覆し、戦略家・清少納言の隠された“たくらみ”を解き明かすスリリングな一冊となっています。

 

紫式部の、清少納言に対する批評がとても辛辣

ちなみに、紫式部の清少納言への批評はかなり辛辣です。

「清少納言こそは、得意顔でとんでもなかったかという人。あれほど利口ぶって、漢字をばらまいていますけれど、その学識の程度も、よく見ればまだまだ足りない点だらけです」

「風流を気取りきった人は、ぞっとするような折にも「ああ」と感動し(中略)自ずと現実からかけ離れてしまい、結局はありえない空言になってしまうでしょう。」(「紫式部日記」)

 
『枕草子』を手にしたと考えられる紫式部の、清少納言に向けた批評は、たいへんに辛辣で、激昂の色さえ帯びています。ここで紫式部のいっている「空言(そらごと)」にこそ、清少納言の周到な戦略があったということです。

 

「枕草子」は、清少納言のプライベート日記ではなかった

「枕草子」といえば、平安侍女の視線でその日常を軽やかに描いた随筆として知られ、作者・清少納言の明るいキャラクターがイメージされる書です。

ですが、清少納言の執筆の真意は、私的な日記を書くことではありませんでした。生前は定子の心を慰めるため、死後にはその鎮魂のために、そして、定子の遺した雅びな後宮文化が世から忘れられないために。”お仕えする中宮定子の御ため”その一点にこそあったのです。

 
そして定子の死後――、その敵方であった藤原道長の権勢極まる世で、目障りなはずの『枕草子』は潰されませんでした。

道長の娘で、生前の定子と中宮の座を分かち合った、いわば定子とライバルの関係にあったはずの彰子さえ、これを保護したのです。定子の時代の香りに満ちた書が、なぜ平安社会に受け入れられたのか。そこには清少納言の周到な戦略がありました。そして紫式部のいう「空言」の真意がここにあるのです。

 
平安文学研究者・山本淳子さんが『枕草子』を丹念に辿り、わかりやすい考察を与えることで、清少納言のしたたかなたくらみ、平安の要(かなめ)たちの思惑が、スリリングに浮かび上がらせています。

 

枕草子のたくらみ 「春はあけぼの」に秘められた思い (朝日選書)
藤原道長を恐れさせ、紫式部を苛立たせた書。それが随筆の傑作「枕草子」だ。
権勢を極めた道長が、なぜ、政敵方のこの書を潰さなかったのか。
「枕草子」執筆に込められた、清少納言の戦略とは?
冒頭の「春はあけぼの」に秘められた清少納言の思いとは?
あらゆる謎を解き明かす、まったく新しい「枕草子」論。

【構成】
■序章 清少納言の企て
酷評 定子の栄華 凋落 再びの入内と死 成立の事情
■第一章 春は、あけぼの
非凡への脱却 和漢の后 定子のために
■第二章 新風・定子との出会い
初出仕の頃機知のレッスン 型破りな中宮
後宮に新風を 清少納言の素顔 父祖のサバイバル感覚 宮仕えまで
■第三章 笛は
横笛への偏愛 楽の意味堅苦しさの打破
■第四章 貴公子伊周
雪の日の応酬鶏の声に朗詠 『枕草子』の伊周 伊周の現実
■第五章 季節に寄せる思い
『枕草子』が愛した月 節句の愉しみ 分かち合う雪景色
■第六章 変転
中関白道隆の病 疫禍 気を吐く女房たち
■第七章 女房という生き方
幸運のありか 女房の生き方 夢は新型「北の方」 「女房たちの隠れ家」構想
■第八章 政変の中で
乱闘事件 魔手と疑惑 定子、出家 枕草子の描く長徳の政変 引きこもりの日々
晩春の文 原『枕草子』の誕生 再び贈られた紙 原『枕草子』の内容 伝書鳩・源経房
■第九章 人生の真実
「もの」章段のテクニック 緩急と「ひねり」系・「はずし」系
「なるほど」系と「しみじみ」系
■第一〇章 復活
職の御曹司へ いきまく清少納言
■第一一章 男たち
モテ女子だった清少納言 橘則光 若布事件
則光との別れ 藤原行成 鶏の空音
■第一二章 秘事
一条天皇、定子を召す 雪山の賭け
年明けと参内 壊された白山… 君臣の思い
■第一三章 漢学のときめき
香炉峰の雪 助け舟のおかげで
■第一四章 試練
生昌邸へ 道化と笑い 枕草子の戦術 清少納言の戦い
■第一五章 下衆とえせ者
下衆たちの影 臆病な自尊心 「えせ者」が輝くとき
■第一六章 幸福の時
「横川皮仙」 高砂 二后冊立 夫婦の最終場面
■第一七章 心の傷口
「あはれなるもの」のあはれでない事 紫式部は恨んだか 親の死のあはれ
■第一八章 最後の姿
「三条の宮」の皇后 お褒めの和歌 二人の到達
■第一九章 鎮魂の枕草子
「哀れなり」の思い 鎮魂の「日」と「月」
■終章 よみがえる定子
共有された死 藤原道長の恐怖 藤原行成の同情 公達らの無常感
一条天皇の悲歎 清少納言、再び

【巻末付録】
主要参考文献 大内裏図 後宮図 寝殿造図
主要人物関係系図 『枕草子』関係年表

 
【関連】
朝日新聞出版 最新刊行物:書籍:枕草子のたくらみ

 


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